Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「2001年宇宙の旅」スタンリー・キューブリック

2008-10-02 00:45:40 | cinema
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2001年宇宙の旅
1968アメリカ/イギリス
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
出演:ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド


劇場以外でこれを観るのははじめてであるが・・・さすがに20インチとはいえパソコンでは画面が小さい^^;
冒頭の星の直列とか、宇宙ステーションとかの迫力はスクリーンとはまるで違う。という当たり前のことをひしひしと感じる。

しかし、たとえこれが47型液晶TVであったとしても大きさは足りんだろう。もともとシネラマ作品なので。シネラマでの上映はもはやかなわぬ夢であるが、せめて70mm比率再現版てヤツで劇場で観たい。


というのも、これは本筋が謎めいてなんだか哲学的なので、そこにメッセージがあるように思えるが、それはそれとして、大技から小技からあらゆる瞬間に映像の冒険と快楽が炸裂しっぱなしの、映像で魅せることにはるかな重きを置いた作品なのだ~と思うからだ。

なにしろいまだに「これいったいどうやって撮ったんだ?」という素朴な驚きを禁じえない凝った画面つくりには脱帽だ。虚空に浮かぶステーション(まだ建設途上ぽいところもいい)や月面探査船の窓々にいちいち小さく動く人影であるとか、遠心力による重力が働いている円形の床に下りてくる人の向こうに、さかさまに座ってもぐもぐ食事をしている人が写るとか、こけおどし的であるけれど妙に説得力のあるこの感覚。低予算B級SFも味わいがあるが、こういうお金をかけたSF映画の醍醐味をしっかり体現している。画面の隅々まで小技が効いている快楽はおそらく特撮のダグラス・トレンブルの手によって後に『ブレードランナー』により全開となることだろう。そういう隅々を大画面であますところなく堪能/探検/発見したい!そういう映画だ。

ん?こういう映画がどこかにあったような・・・隅々まで動いているという・・・タチの『プレイタイム』かな?(あれは実は隅々が「止まっている」映画でもあるが(笑))↑これも70mm

*****

にしても、こまごまと、当時の未来像と現実の21世紀のずれが感じられて、それはそれでまた面白いのだ。
たとえば電話。フロイド博士が、ステーションから地球にいる娘(キューブリックの実娘だ!)に電話をするシーンがあるが、その電話ブースのどでかいこと!!
平気に3畳間ほどもありそうなブースにばかでかい機械がでん!と置いてあって、実現するのがたった1台のTV電話だけ・・・(笑)
すごい非効率なかんじがするぞっ!!
その電話の作りとHAL9000との間にあるテクノロジーの大きな差は何?

*****


前半の人類とモノリスの出会いは割りと説明的なのだが、後半のデイブがディスカバリー号を後にするところからの展開は一切の説明を排除し、視覚効果的にも舞台設定的にも謎めいてくる。ここら辺が若き頃のワタシには非常にツボであった。(今でもね)
大宇宙の果てにいきなり出現する部屋のイメージは、時空を越えた果ての静けさ、終焉と誕生の静謐さをよく表現していて、忘れえぬ印象をもたらす。

いいなあ~これぞSF映画の原点といえましょう。


あと昔驚いたのは音楽。リヒャルトやヨハンには驚かなかったが、リゲティには驚いた。こんな音楽があるんだ!と若きワタシはぶっ飛び、即座にリゲティの音盤を求めた。当時リゲティに印税が支払われていないことなど露知らず。それからディスカバリー号が登場する際のハチャトゥリアンによるアダージョ。これもよい。ハチャトゥリアンといえば「剣の舞」だが、まったくイメージの違う「アダージョ」は同じ組曲「ガヤネー」からの作品だ。

サントラが欲しいが、サントラといえば『時計じかけのオレンジ』の1シーンでレコードショップの棚にちらりと「2001年」のサントラ盤が写るのも思い出される。



・・・なんか愚にもつかぬ思いつきばかりになってしまったな。
とにかく、映像と音を楽しむエンタテインメント大作と思って観てるワタシでした。

デイヴ、ストップ。ストップ、デイヴ
で~いじ~ で~いじ~




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