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図書館にあったので読んでみた。
90年代「フォーエヴァーモーツァルト」までのゴダール作品概説と、ゴダール全般に関するいろいろな切り口での軽い論考。
シブヤ系(すでに死語?)から東大学長まで(笑)を魅了するゴダールってなに?
てなノリの本なので、やや古いということを除けば、ゴダールを簡単に概観したい場合に重宝する本かもしれない。
ただ、個々の作品解説など読むと結構間違いも多いので要注意。
間違いは観て確認する、というのが面白いかも。
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粉川哲夫がちょっと面白かった。
パリンプセスト
ゴダールのコラージュ、カットアップは適切には「パリンプセスト」と呼ばれるべきではないか。パリンプセストとは「焼き直し」「二番煎じ」を意味する言葉だが、70年代後半のイタリアで自由ラジオ運動が盛んになったときに、番組中にかかってきた電話をそのままつないで放送したり、突然の来客の声を放送したりという即興的重層的な番組作りが「パリンプセスト」と呼ばれたという。
ゴダールの特に90年代の作品で見られる突然の中断・挿入・接合はこれだ、というわけ。「新ドイツ零年」「決別」なんかはほとんど中断・挿入・接合でなりたっているような気もするな。
落書き闘争
「ワン・プラス・ワン」では壁にスプレーで落書き(CINEMARXISMとか(笑))するシーンがあるが、あれは60年代後半にイギリス・フランスで政治メディアとしての落書きが活発になったのが背景だそうな。後のグラフィティとは違い文字による運動である=インテリ層の運動だった。(ほんとか?)
メディアポリティクス
というか、中国女に出てくる毛語録。あれはハンディサイズであることがミソで、読み物としてだけでなく、手に持って振りかざす「聖具」としても使えるようにできている。黄門様の印籠ですな。これは本のメディアとしての本来の性質に対してユニークなあり方である。
ってゴダールと関係あるのか??
ほかには岡村民夫による文学論。
引用ないし朗読は、登場人物の発話を脱心理化・脱個人化し、社会-歴史的な場へ開く。言説と身体との相互的な異化をとおし「現実の反映」ではなく「反映の現実」が実現される。
というあたり。
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