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TPP参加へ決断逼迫

2011年10月13日 | 国際・政治

 TPP(環太平洋経済連携協定)に参加する方向性を検討している政府ですが、民主党内では反対する勉強会「TPPを慎重に考える会」が発足し、真面目?に勉強しているみたいです。

 ところでTPPに日本が加盟したら関税が撤廃されることになり、国民の生活はどう変わるのか。一例を紹介すると農産物の高い関税率は、こんにゃく:1,706%、米:778%、落花生737%、でんぷん583%、小豆403%となっています。

 また、魚介類については加工品の扱いなどがあり、関税率を一律に示せませんが、鮭やマグロは3,5%程度の関税が掛けられています。これらの関税が撤廃されるということです。(農業へのダメージは相当です)

 日本の食糧自給率(2010年)は39%ですが、先進国(2007年)の中では豪:173%、カナダ:168%、米国:124%、仏:111%、独:80%、英国:65%と比べれば飛び抜けて低い数値です。

 ちなみに自給率の品目では、米:98%、野菜:77%、魚介類:60%の自給率は高い一方で、小麦:8%、油脂類:3%しかありません。国(農林水産省)は5割の食糧自給率を目標にしていますが、2015年の自給率を45%に設定しています。

 農業関係者は死活問題であり、農水省が反対する理由は明白ですが、そのほかにも国内産業の中で医療や福祉など様々な分野に支障を来すといわれています。

 デメリットだけ書きましたが、メリットもあるのです。それは日本の得意分野である工業製品も輸出に向けて関税が撤廃されれば輸出が大幅に期待できると考えられるからです。

 国内製造業の自動車や電機産業などで働く雇用数は2000万人とも3000万人ともいわれます。それが円高でコストの安い途上国などに工場が進出したことにより、国内雇用が減り空洞化が指摘されています。

 自動車産業は下請け部品工場が幾重にも重なる産業構造を形成しています。大震災で被害を受けた零細工場が生産出来なくなると、生産がストップする構造です。それだけ裾野は広いのです。

 大手の企業などに就職する際は海外勤務が選択肢になっています。また、転勤でも海外勤務が当たり前のご時世になっていることも衆知の通りです。これは海外への工場移転が大幅に進んでいる裏付けです。

 韓国はTPPに加盟するよりもFTA(自由貿易協定)を選択肢にしているようです。米国と二国間のFTAを締結しようとしていることは進むべき道がはっきりしているのですが、日本との締結には足踏み状態です。

 TPPの参加決断は、雇用の点で逼迫しています。

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