その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(出資と預託No.2)

2012-01-28 14:04:59 | 夢屋王国

昨夜は、出稼ぎ先の新年会…諸事情がありましてプロジェクトの立ち上げなど、今頃の新年会であります。立場上、ぽ~んと志を包んだものの、私のお財布の中身は空っぽであります^^;
さて、
株式を始めとする「出資」は、企業経営に欠かせないものであり、本来は経営陣は企業の業績を上げながら、出資者に対しては最大の配当を行うことが原則であったはずなのでありますが、株の売買が行われるようになると上場前の含み益や購入後の売却差額を得ることが株取引の主流になってしまったようであります。企業を育て、社会貢献しようなどという経営陣や株主は、どこかに消えてしまった感があります。
一方、「預託」とは金銭や物品を一時的に預けることであり、本来の和牛の預託とは、優良な仔牛の導入費用を捻出するために所有者(お金)を募り、2年間ほど掛けて肥育した肉用牛を市場出荷した価格(売上)から必要経費(肥育費用や市場手数料)を引いた残り…利益を契約割合に応じて按分するものであります。
チャンピオン牛が500万円で落札された「こともある」。という表現を、和牛の落札価格は500万円にもなるのだと思ってはいけません。平均的な和牛の落札価格は現在80万円ほどでしょうか。素牛価格20万円として、飼料代金2年間で約40万円、水光熱費に保険代金、諸手数料と肥育農家の手取りなどたかが知れているのであります。当然、500万円で落札されるようなチャンピオン牛の素牛価格は100万円を超えるのであり、飼料代も肥育農家が吟味してお金を掛けているのであります。したがって、某農協商社は、素牛導入のための資金調達、これに掛かる金利、飼料販売益、飼料売掛金に対する金利、運賃、宣伝費用等々、当然のこととして収奪するビジネスモデルが既に出来上がっているのであります。

こうした状況の中で、一般投資家に肉用牛の預託を持ち掛け利殖を謳う…この辺からして胡散臭い話なのであります。もしそれが確実に儲けに繋がる話であれば有名商社が新たな収奪モデルを作るであろうし、銀行が飛びつかない訳が無いのであります。繁殖母牛に出資して仔牛の売却代金で、大きなリターンが保証される…安愚楽牧場の経営破綻など充分予測できるビジネスモデルなのでありますが、有名経済学者(政治家)や大手広告代理店は広告搭として、一般投資家を煽り立てたのであります。2011年8月の民事再生法適用申し立て時点での負債総額4,330億円…やっちゃいましたねぇ。さらには、預託金を取り戻すためにコチラに訴訟費用を振込み下さいなどと、振り込め詐欺まで現れる始末ですから…。
出資話に預託商法、マルチ商法…何故人々は同じような手口にいとも簡単に引っ掛かってしまうのでしょうか?
牛肉やエビなどの生産実情に関する無知と有名学者を利用した宣伝広告、そして欲望…色々な事情が絡み合って騙されてしまうのでありましょうが、実は大きな落とし穴がもうひとつポッカリ開いているのであります。被害者の方々には申し訳ないのでありますが、被害者の顔を装っている方の一部には、初めから詐欺に近い行為であることを承知の上でお金を預けている方もいらっしゃるはずです。それは何故…?
ねずみ講やマルチ商法で充分痛い目を味わった情報を得ているので、それがかえって仇になり「自分はこの商法が詐欺だと充分承知している。しかし、自分は賢いから、ある程度の段階(破綻前に)で手を引けば美味しい思いが出来るのである。」といった確信犯的な被害者であります。(御免なさい)
俗に「ミイラ取りがミイラになる。」といった現象でありますが、もうここまで来ると被害者として同情すべきか、その賢明さに呆れ返るべきか判断の分かれるところであります。少なくとも破産清算後に幾ばくかでも将来のための蓄えが戻ることをお祈りするしかありません。
はてさて、友人『貧乏父さん(H.N.)』の「金持ち父さん」浮上計画のために、安全有利なビジネスモデルを立案するつもりが、詐欺行為の分析になってしまいました。この世の中は、真っ当な商売では金持ちに浮上出来ないのでありましょうか…(続く)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする