一文字 寅 の 「風菜園(かぜさいえん)」 

「天に星。地に花。人に愛。」 風に乗って、日々の所感を「風菜園」から発信してまいります。

千代酒造 全国新酒鑑評会9年連続金賞受賞。この価値を私なりに計ってみた。  6/1

2012年06月01日 22時25分25秒 | みんな~愛『酒』てるかい

( 受賞酒 千代酒造「吟和」 )

 

■2012/6/1(金)

5月22日  エポックかつらぎ゛店におよそ10日ぶり、久々に寄ると

入口の扉に 千代酒造 9年連続金賞受賞を知らせる黄色い横断紙が貼られていた。

 

(エポックかつらぎ店 入口)

 

「凄~い!!」

たった1度受賞しただけでも酒蔵は、カタログやホームページに大きく書きたてるほど名誉な事なのに

それを9年も連続して受賞するなんて。

これがどのくらい凄い事か、( 関係者からは、叱られるかもしれないが)

外野席にいる私流の解釈で、一般の方々に伝わるように例えさせてもらうならば

夏の高校野球、甲子園にでるだけても大変な事なのに 9年連続甲子園出場

そして 甲子園(全国大会)で他の強豪校と戦って

「夏の甲子園でベスト8以上レベルの成績を9年続けているようなもの」

 

或いは日本一の難関校に合格した100人、毎年1年に1度に実施される学年テストで

9年連続上位1/4(25番以内)の成績の中に居続けるとでも例えたらいいだろうか。

9年連続

これは、奈良県に限らず関西の酒蔵では断トツ。 全国を見渡しても稀有な連続受賞記録なのだ。

( 奈良県御所市 千代酒造 )

今回の受賞は、千代酒造の酒「篠峯」「櫛羅」を販売してきた酒販店にとっても 愛飲してきたファンにとっても

応援しているチームが全国大会で活躍し、勝ち進んでいるようで

とても励みになることだと思う。

私も愛飲し、人にすすめてきた一人として素直に嬉しい。

今回は、去年まで14回連続金賞だった 京都の「英勲」の連続記録がストップした。

区切りの15回連続ならずで、蔵人たちはさぞ落ち込んでいることだろう。

それに続いていた 山形の「東北泉」の名も見当たらなかった。

ということで、数多ある参加酒蔵の中で

連続記録のトップは、千葉の「寒菊夢の又夢」の10年連続が一番となった。

実は、昨年末、私はこの瓶を知らずに手にしたことがある。

(千葉の酒で、平安絵巻のような雅なラベルデザインだったのでとても良く覚えている。)

そしてこれに続くのが

★宮城の黄金澤  ★秋田の高清水  ★奈良の千代酒造「吟和」の9年連続だ。

と現在連勝受賞では 2位グループ3蔵の中の1蔵までなり

まさに五指に入った今年の受賞となった。

 

これに続いていた 佐賀の銘酒「鍋島」も まさか・・・今回名前が見当たらず

高知の「土佐しらぎく」も金賞受賞を逃していた。 

 

▼ 私が過去にブログで取り上げた酒(銘柄)たちは、はたして今回 金賞受賞できたのか? いくつか銘柄をピックアップしてみた。

「あさ開」(岩手)金賞   「鯉川」(山形)金賞  「大那」(栃木)金賞   「仙禽」(栃木)残念  「開運」(静岡)金賞 

「磯自慢」(静岡)金賞 「清泉」(新潟)金賞  「大信州」(長野)金賞  「梅乃宿」(奈良)残念 「香住鶴」(兵庫)残念 

「李白」(島根)金賞 「極聖」(岡山)金賞 「雨後の月」(広島)金賞  「白牡丹」(広島)金賞 「東洋美人」(山口)金賞 

「石鎚」(愛媛)残念  「旭菊」(福岡)金賞  「若竹屋」(福岡)残念  「天吹」(佐賀)金賞   「八鹿」(大分)金賞

 

※私がこのブログの中でいつも推している酒、栃木の「仙禽」は、今年は金賞を逃したが、

使っている米が山田錦でなく亀の尾、そして木樽仕込み、その上アルコール無添加

他の酒蔵の人の中には、苦笑する人もいると聞くが

賞をとるためにこびない その反骨精神を感じる酒造りの姿勢に 

私は益々惚れ惚れしてしまう。

現代の高校野球に 昔ながらの木のバット、ダブダブユニフォームで

参加してきた「やまびこ打線」みたいなものだ。

そして愛知の 「義侠」 新酒鑑評会などには目もくれず、ひたすら

山田錦の中でもSランクの米を使って『最高の山田錦で最高の山田錦の酒を醸す』

鑑評会に出なくても こんなコンセプトがしっかりした魅力蔵が他にあることも付け加えておきたい。

そして今回嬉しかったのが、蔵の全焼から2年で、金賞を獲得、復活した 穏やかな酒・福岡の「旭菊」

 

さて 奈良県からは、「千代酒造」の他に2蔵が金賞を受賞した。

以前このブログにも紹介し、2年連続金賞受賞 大和郡山市番条町の★中谷酒造「萬穣」

それと 近鉄奈良駅・難波駅に直営店を出している★豊澤酒造「豊祝」

さて「千代酒造」 来年は、いよいよ区切りの10年連続に挑戦。

千代酒造の「篠峯」や「櫛羅」を愛飲するファンは、 区切りの10年連続金賞に早くも期待を寄せるのではなかろうか。

   

来年の五月 10年連続に向け、蔵にとってはいつも以上に緊張の1年が始まっていることだろう。

節目の10年、是非、頑張っていただきたい。

(寅)

 


2012年 5月度  『私の酒五傑』   5/31

2012年06月01日 00時00分01秒 | みんな~愛『酒』てるかい

(     黄昏映る 日本酒バール「Alba」のウインドウ  )

 

■2012/5/31(木) 

「人生萬事酒盃の中」

空中で竜が渦を巻きながら市街地を襲い、平安時代以来という金冠日食との稀少な遭遇。

数多くの人々が天空を見上げた五月。そんな月も気づけば、冷と暖のせめぎあう風に

押し流されながら、早くも年の半ば水無月にさしかかろうとしている。

それにしても 自然の力は何とも計り知れない。

手元の盃を揺らして波打つ酒に目線をやる。

 天河の一滴  夢万里 

 とでも書いたら近いだろうか

今の気分。

 

昨年から毎月末に発表し続けてきた「私の酒五傑」 先月(4月)理由あって休止したので、

今月は何とか発表したいと思い、書いてみた。 

 

▼今年四回目・私の酒五傑(2012年4月・5月度)の発表。

※ 前にも書いたが、大吟醸・純米大吟醸 又小盃1杯程度はここには入れない。一蔵一銘柄としている。

 春夏秋冬 食事と共に楽しめる日本酒の良さを一人でも多くの人にわかっていただければと思っている。

評価の基準は、印象度。  (いかにまた私が次も飲みたいと思ったかの思いが強い順。)

言葉を変えてみれば、「別れてもまた会いたい人の順」 「店を出る時に また 来たいと思わせる順」

といった立ち去る時に心に起こるリピート感の強さみたいなものだろうか・・・  

自分としては、いたってシンプルな尺度だと思っている。

 

▼『2012-4月・5月度』 酒五傑

◎「ゆきの美人」純米吟醸 (秋田)  ◎「渓」純米吟醸 (福岡) ◎「篠峯」雄町ろくまる(奈良)  

◎「あたごのまつ」メモリアル純米吟醸 (宮城)  ◎「清泉」雪 普通酒 ※燗酒 (新潟)    

(次点) 〇「男山」国芳・特別純米 (北海道)  〇「三千盛」純米吟醸にごり酒(岐阜) △「くどき上手」酒未来 生酒(山形)

 △「あさ開」純米吟醸(岩手)  △「紀土」(Kid) 純米吟醸(和歌山)

※2ケ月分なので今回は10銘柄記載、レベルの高い月で五傑に納まり切れなかった。  

 

(感想)

まだ寒さが残った春に味わう雪解け水のような酒たちに舌鼓を打った月。

これら銘酒との出会いについては、いずれ日付をまじえずに紹介したいと思う。

 

◆ ちなみに前回 2012年3月(月間)の酒五傑・・・ http://blog.goo.ne.jp/yumeichimonji/m/201203

 

名前や人気・価格の高低に左右されず、いかに自分好みの酒と1つでも多く出会えるか。

美味しい酒との出会いは、素敵な出来事・人との出会いにも似ている。

そんな細道での新しい出会いが喜びであり、楽しみでもある。

(寅)