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知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

ギリシアの動向をチェックすれば、日本が見える。

2011年11月03日 | 国家論
ギリシアは、今、岐路に立たされています。

1銀行などの債務の50パーセント削減を得られる代わりに、
 緊縮財政(行政サービスの削減および増税)を行う。

2ユーロ圏から脱退する。


これを、国民投票にかけることに決まりしました。

国民投票などされずに、直ちに受け入れると考えていた国際マーケットは、
軒並み値を下げています。


日本国内では、大企業と行政の癒着がすごいので、
 大企業は、巨額支援や債務の棒引きを得られる
だけということが、よくあります。

国民は批判はするも、時間がたつと忘れてしまうので、
 批判される3カ月程度まで耐えれば、なんとかなります。
 よく行われるのが、代表者の首の付け替え。
 天下り役員は、責任を取ったように見せて辞任させ、数ヵ月後、別の天下り先に就職させる。
 (生涯年収は変わらないようにするので、ここは身を引いてもらいたい。)

銀行救済策、JALへの投入も同じです。


しかし、海外では、そういうことは、通用しません。

ギリシア国民からすれば、支援と借金の半減はしてほしいが、
 緊縮財政と増税は困る。

そんな感じ。

こうなると、どちらを選んでも、政権与党が批判されるので、
 国民投票にかけて、国民の皆さんが決めたことですよね
という感じで、責任を転嫁するという思惑です。


日本は他人事のように見ていますが、
 いずれは、同じような踏み絵を踏まされる
ことになるはずです。


 日本とギリシアは、規模が違う。
 ギリシアの債権者は、海外であるが、日本の債権者は、自国民だ。
そういうエコノミストもいます。

しかし、規模の違いは、耐えきれる時間の違い。

債権者が、自国民か海外の人かは、法的にはあまり意味がありません。
 法的に返せと言われれば、自国民だろうが海外の人であろうが、返さなくてはならない。

 自国民の場合、徳政令を出して、借金を棒引きさせればよい
というのが、本音なんでしょうが、
 これでは、だれも買わなくなります。
国家のために、損をしたいと思う人はいないからです。
ただでさえ、国債を買う人は、お金に余裕がある人なので、税金もたくさん納めているからです。
国債で運用している年金基金、投資会社は、下手をすると倒産する恐れがあります。


そのため、
 プライマリーバランス(収支のバランス)が大きなマイナスの国家は、
 いずれは、財政破綻することになる
わけです。

これを避けるには、
 使うお金を減らす
しかないわけです(緊縮財政、小さな国家化)。

高度成長も見込めず、高齢化が進み、人口も減少傾向にある国家であれば、
 国家の規模を小さくする
必要があるわけですが、
 官僚は権限を大きくして、天下り団体を増やしていきたい
と考えるので、今でも、
 行政は拡大し、国家のコストが増える
わけです。

多くの人が、
 消費者庁ができて、消費者が保護される
と思っているようですが、
 消費者庁がやっていることを知れば、こんな行政庁はいるの?
と思うことになるはず。

広報活動でお金をばらまいている。

それよりも、 
 学校教育で、民法や消費者契約法を教えたり(法教育・社会教育 ただし、社会に出ていない教師には無理)、
 ヘルパーなどにもっと予算を付け、高齢者の生活に踏む込んだ介護をしてもらうようにしたり、
 市町村にある消費生活センターの連携を強めたり、
 クーリング・オフや訴訟による救済のために、弁護士や法テラスに予算をつけたりした方が、
消費者被害の救済には、効果があると思います。

国民一人一人が、
 悪徳業者がはびこる社会で、賢く生き抜く知恵を小さいころの教育で身につける
ことができれば、
 かなりの予算を削減できる
ことになります。

公園の清掃も、
 地域住民がみんなで使うものだからね
と、
 協力して行えるようになれば、市町村の公園清掃費が必要なくなる
わけです。

道路の清掃もそう。


賢い主婦は、少ないお金で、快適な生活を実現しています。
節約術をマスターしているからです。

今、国家に必要なのは、賢い主婦のこの感覚です。

個人的には、こういう知的に成長した賢い主婦が中心となって、
 ケインズ主義の昭和時代の政治家にとって代わることで、かなりプライマリーバランスがよくなる
と思います。


 市役所なら、べつに豪華な吹き抜けはいらないでしょ。光熱費がもったいない。
 電化製品も、kakaku.comで、もっと安く買えるでしょ。
 それは、ゴミに出さずに、リサイクルショップに売りましょう。
 公民館の建て替え?リフォームで安くすませましょう。ビフォアアフターみたいに。

これを可能にするのが、実は、地方分権なわけです。

権限を地方に移譲し、地方が中心になって、身近な政治をおこなうようになれば、
 賢い主婦の感覚を持つ政治家が、リーダー(首長)になって、節約型の政治を行う
ことができます。

もちろん、高い電化製品を納めていた癒着業者は抵抗勢力として、
その人の、関係ない過去を暴露して、道を阻もうとするはず。

ただ、市民からすれば、より安いコストで、ある程度快適な暮らしができればよいわけです。

豪華な公民館も、体育館も、プールも、後から増税で高いコストを支払うことになるくらいなら、
 必要ない
というはずです。
 もっと、安くて、ほどほどのものでよい。

もし、よくイメージできないのであれば、
 今住んでいる区や市町村の公共施設をネットで調べて、見に行ってみる
とよいと思います。

一度も使ったことのない施設が、異常に豪華で驚くことがあると思います。
その際に、自分に問いかけてみるわけです。

ここに、今、そして、将来、自分が稼いだお金の10パーセントの住民税が使われているんだ。
僕は、この施設を建て、維持管理していくために、住民税を払い続けることになるんだ。

おそらく、納得いかない!と思えるようになるはずです。

この吹き抜けは無駄。この高そうなソファーも無駄。この絨毯もこんなに分厚くなくていいだろ。
広すぎだろ。誰も使っていないじゃないか。

財政再建のためには、多くの国民が現状のひどさを知ることから始まります。
何もしない施設長がなんで、1300万円も報酬をもらっているのか?


ただ、尋ねてみれば、こう答えるはず。
この施設を必要としている人もいます。

その人たちのために、そのほかの多くの人たちが、多額のお金を差し出しているわけです。
その人たちは、自分が払った税金の何百倍もの恩恵を受けられるかもしれない。
しかし、遠くに住む人、利用しない人は、
 全く利用しない施設のために、「公共」という大義名分のもとに、多額の負担をさせられている
ということです。


こんな財政になってしまったのは、
 自分たちの稼ぎ以上の、暮らしを求める人たちがたくさんいた
からです。


 どうせ、おれが生きているうちは、財政破綻なんてしないだろう。
 国が払うんなら、もらえるだけもらわんと、損だ。

だれも、支払った額の何倍も年金貰ってはいけないのではないかな?
将来、破綻したら、みんな困るのではないかな?
私は、払った額はこれだけでから、もらいすぎだと思う。
なんて、思わない。

国がくれるんだから、市がやってくれるんだから、
 もらって当然。
 恩恵を受けて当然。
と思うようになり、
それが、既得権益化していったわけです。


こうやって、税金を払っていない田舎の自治体にも、 
 立派な公共施設がたくさんできていった。


 田舎に住んでいる人の権利はどうなるんだ!

人が地域に特性があるのだから、すべて同じようにしなければならないわけではない。

こんな、当たり前の原則をないがしろにして、
 結果の平等を実現するために、田舎ほどたくさんの予算をばらまいてきました。

マンションを調べてみると分かることですが、
 大規模マンションは、共用施設が充実していたり、修繕費や管理費が安く済む
のに対し、
 あまり戸数がないマンションは、共用施設がなかったり、修繕費や管理費が割高になっている
ことが多いと思います。


自治体も国家も同じこと。

大規模マンションは、多くの人が管理費を出すため、
 集まるお金が多くなる。
そのため、
 サービスが充実する
わけです。

住む人が少ない小規模のマンションは、
 一人が出せるお金に限度があるため、集まるお金が少なくなる。
そのため、
 あまりサービスにお金をかけられない
わけです。


今、日本は、お金を出せる人が急激に減ってきています。
それなのに、過剰なサービスを求める人がたくさんいます。
仕方がないので、借金で賄っているわけです。

こういう状況が続けば財政は破綻します。

そのつけは、今の若い世代や、これから生まれてくる将来この国を背負っていく国民です。


今、ギリシアは、
 借金を安くするから、サービスを削減しなさい
といわれているわけです。

いずれ、日本も同じようになる可能性があります。

 どうせ、国債が無価値になっても、お金がなくて、国債も持っていないから困らない
と思っている人も、
 今、当たり前に思っている行政サービスが、受けられなくなり、不便な思いを余儀なくされる
ことになるという意味で、
 つけを払わされる
ことになります。
このことは、財政破綻をした夕張を調べてみると分かります。


もし、若い世代に含まれているのであれば、不安を感じているはず。
ただ、時間軸をさかのぼらせることで、
 コントロールできる領域は増えていきます。

その時でも、平穏に暮らせるように、
 今から知的に成長して、問題解決能力を高めておく。

こういった自助努力的な考え方は、
 多くの人からは、煙たがられる
と思いますが、
 将来、必ず役に立つと思います。

そのために、
 楽して儲けよう
という風潮の世の中であっても、
 コツコツ努力して、成長を続けておいた方がよい
と思います。
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