ちょっと気の毒ですっかり忘れ去られたような欅の巨木です。
R24橿原神宮前でR169に乗換え、明日香、高取を越え芦原トンネルで一山越えると 奈良県吉野地方の玄関口に当たる大淀町に入るり、やがて国道は土田のT字路信号に突き当たる。
この信号を左折伊勢街道、古びた家並みが両側に並ぶ土田の集落、NETで検索してカーナビにもピンポイントで指定したのに車の中からは全く確認できなし小さな集落は直ぐに通り抜けてしまう。
通行量が多く車を停める余裕がないので空き地を探しとりあえず車を駐車、訪ねまわして探しまわしてやっと辿りついた欅です。
通りの家並みの路地を越え吉野川河川敷との境を走る近鉄吉野線軌道脇、コンクリート護岸壁で根元を固められ息も絶え絶え、写真のように気の毒な姿です。
軌道脇、欅の株元には小さな鳥居と小さな祠があって、この欅がこの社の神木であったのだろうと想像できる。
小さな祠は住吉神社で現在通りを隔てた妙見宮に遷座お祀りされているようです。
2002年の台風で右側の主幹が折れてアンバランスな樹姿になっていて、折れた主幹はすっかりそのまま打ち捨てられ、見るからに荒れ果て、忘れ去られているようです。
幹周約8m、樹高15m、推定樹齢700年、神武天皇(あるいは神功皇后)お手植えの木と言う伝承もあるようですが樹齢は全く会いません。
しかし根元をコンクリートで固められその上を電車が走ると言う劣悪な環境にあって良くここまで耐えて居られるのは片側が広く開けた吉野川の河川敷であるからなのだろう。
猛々しい根元を見ているとこの欅の言葉にならない叫びが聞こえて来そうです。
大淀町指定天然記念物と成っていますが、なんの掲示板も見当たりません。
撮影2009.11.28