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2018.5 成田山新勝寺の仁王門を抜け大本堂参拝、護摩だきと火渡り修業を見る

2018年05月24日 | よしなしごと

2018.5 成田山新勝寺を行く ③仁王門 大本堂 護摩だき 火渡り修業

 総門を抜けると、石灯籠がまっすぐ並んで参拝者を導く。その先の石段の上に、仁王門が古風な面持ちで建ち上がっている(写真、ホームページ参照)。1861年再建、屋根は大きすぎる千鳥破風と小作りな唐破風を重ねた入母屋屋根・銅板葺きである。
 赤い大きな提灯が目立つ。「魚がし」と書かれていて、東京築地の魚河岸で働く人たちの講=魚河岸講の奉納である。江戸時代に伊勢参りをする伊勢講、善光寺を訪ねる善光寺講、富士山信仰の富士講などが盛んになった。魚河岸講もその一つで、いまでも成田山詣が続いているようだ。

 仁王門の向かって左の密迹ミッシャク金剛、右の那羅延ナラエン金剛(写真)が、参拝者の邪気を払う。朱塗りが残っているから、当初は色鮮やかだったに違いない。色落ちしているが、悪者が来たら襲いかかりそうな勢いを感じる。
 裏手には四天王の多聞天広目天の像がにらみを効かしていた。
 四周の頭貫の上には竹林の七賢人などをテーマにした木彫が飾られている(写真、ホームページ参照)。ぐるりと木彫を鑑賞する。
 竹林の七賢人をテーマにした屏風絵、彫刻などをよく目にするから大ざっぱな知識はあるが、大ざっぱということは=具体的なこと、正確なことは分からないということで、木彫を見ただけではどんな背景で何を表現しているかは推測の域を出ない。頭貫の上で、金網の中だから、ときどき何の光景か判然としない。解説が欲しいね。もう一回り木彫を眺めて、仁王門をくぐる。

 門をくぐると、横長の池に、石橋が架かっている。池を取り巻いて石の柵、石柱、野趣味な岩が並び、荒涼とした雰囲気を見せる。仁王門で邪気を払い、いよいよ深山幽谷に入るという仕掛けだろうか。
 外国人のグループが、荒涼とした背景にポーズを取りスマホをかざしている。私には何の変哲もない風景に見えるが、外国人には珍しいようだ。逆に、海外旅行などで、地元の人は気にもとめず通り過ぎるが、私には珍しく感じて写真を撮ることもある。日常と違う、珍しく感じるといった光景に出会うのが旅のおもしろさでもある。


 石橋を渡り、狛犬の先の石段を上ると、正面に大本堂が現れる(写真、ホームページ参照)。境内は広いが、大勢の参拝者であふれている。
 境内中ほどに特設の柱が立てられ、布地がたれていて、大勢が列を作り、布地に触っては合掌していた。堂内の本尊と結ばれた布地で御利益があるらしいが、長蛇の列を避けて大本堂に向かう。

 石段を上がり、外陣の中央で不動明王像に合掌する。内陣では高位な僧侶が講和をされていて、大勢が耳を傾けていた。
 左右から自由に入れるので、内陣に座った。ほどなく、さらに高位な僧侶?住職?による護摩だきが始まった(写真、ホームページ参照)。真言密教の秘法だそうで、僧侶が護摩壇護摩木を入れると火柱が立つ。
 護摩木が人間の煩悩で、不動明王の智恵を象徴する炎で煩悩が焼き払われ、信徒の願いが清浄され、成就されるそうだ。
 護摩祈願を申し込むと、身につけた品を護摩壇の炎にかざしてくれる。次々と信徒が脇の僧侶に品物を渡すと、品物を高々と捧げ、うやうやしく炎にかざし、また高々と捧げて信徒に手渡す。御利益がありそうだが、護摩祈願は申し込んでいないので、護摩壇の炎に合掌し、外に出る。

 西翼殿の方が騒がしい。西翼殿から見下ろすと、釈迦堂の手前の境内で式典が進行している。成田山新勝寺では、2011年の東日本大震災以降、被災地支援を行っており、その一つとして復興支援義援金を募っていて、ちょうど陸前高田市に義援金が贈呈される式典の最中だった。
 式典の一方で、何人もの山伏姿の僧が贈呈後に行われる復興祈願「火渡り修業」の準備を進めていた(写真、ホームページ参照)。しめ縄が張られた中央に井桁に木を組み、松の枝を入れて火をつけると、勢いよく燃え出す。
 次々と松を加えていく。ここでも信徒が身につけた品を僧に渡し、炎にかざしてもらっていた。この炎も護摩だきの霊験があるようだ。
 井桁の木が燃え尽きると、燃えかすを10mほどに伸ばし、さらに松を加えて燃やしてから、燃えかすを整える。高位な僧?が念仏を唱えたあと、いよいよ火渡り修行が始まる(写真)。
 居並ぶ僧の火渡りが終わると、義援金贈呈に参列していた陸前高田市長たちが火渡りし、続いて信徒が火渡りをする。一般の参拝者も火渡りができるらしく、長蛇の列ができていた。
 たぶん山伏姿の僧が渡るころはまだかなり熱いようだが、信徒が渡るころはだいぶ冷めたようで、子どもやお年寄りも火渡りに参加していた。心願が成就されますように。
続く

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