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巨大マッサージチェアの分解(再録)

2022年01月30日 | よしなしごと

<よしなしごとindex> 2018.7 使えなくなった巨大マッサージチェアを分解する

                              
 2010年ごろ、マッサージチェアを譲り受けた(イメージ写真web転載)。パナソニック社の最新モデルを購入したそうで、リクライニングしたときの大きさはおおよそ高さ70cm、幅90cm、長さ200cmもあり、重さは85kgほどだった。

 どうやって運搬するか?。パナソニック社に問い合わせたら、販売店は据え付けまでで、その後の移動や運搬などは一切対応しないとの返事だった。
 巨大な物体なのだから、移動、運搬こそがアフターサービスではないかと食い下がったが、けんもほろろを繰り返すだけだった。日本を代表するパナソニック社は世界でも流通する大企業にもかかわらず、売れれば何でも許されるという態度はお粗末すぎる。
 購入当時の価格は40万円前後の高性能機種である。運搬で故障したら元も子もない。宅配業者に電話するが、どの業者も基本は20kgまでの運搬で、すべて断られた。
 次に大手運送業者に電話した。トラック1台1日の借り上げ、重さから運転手+2人分の手間が必要で、とんでもない費用がかかることが分かった。

 散歩コースの途中に運送業の営業所がある。藁にもすがるつもりで事情を話したら、半日仕事、次の休日はトラックが空いているので数万円で引き受ける、と言ってくれた。次の休日、トラックに運び込むときは私も手伝い、運転手+1人の3人で85kgのマッサージチェアをなんとか荷台に載せた。
 こちらに着き、11階の部屋まで運び上げるときは、運転手+1人に営業所から応援が1人駆けつけ、3人で運んでくれた。
 70×90×200cmの大きさはエレベータのドアがギリギリで往生した。玄関のドア、リビングルームのドアもギリギリで大変だった。それでも慎重に運び込んでくれ、リビングルームにセットができた。大汗仕事になったので、よくよくお礼を言い追加の手間代を加えた。
 メーカーは高性能、最先端の機器を開発するだけではなく、移動や運搬ができるように、素人でも分解、組み立てができるように工夫するのも責任ではないだろうか、そう感じた。

 このマッサージチェアは確かに身体をほぐしてくれ、いつの間にかうたた寝してしまうことも多かった。同機種は温泉地の風呂上がりロビーにもよく置かれていて、温泉客が身体をほぐしている光景を目にする。孫たちが遊びに来ると、おもしろがってマッサージをしていた。カミさんも愛用していた。

 2017年、突然、大きな音がするようになり、腕をほぐすアームが作動しなくなった。パナソニック社に問い合わせたら、故障担当から、状況からはエアポンプの故障が考えられる、この機種は生産が終了していて、部品の在庫もない可能性が高い、故障診断だけでも出張費が必要などの説明を受けた。
 40万円もした機器だからできれば直して長く利用したいと思い、出張診断を頼んだ。出張診断はものの数分で終わった。結果は、やはりエアポンプの故障で、部品の在庫を問い合わせてくれたが在庫がなく、修理不能とのことだった。
 アーム以外は作動するが、かなりうるさい。マンションは音が響く。風呂上がりのマッサージが効果的なのに、騒音トラブルを避けて夜は使わないようにした。そのうちだんだん使わなくなった。

 使わなくなると、70×90×200cmの大きさが目障りになる。故障で使えない機器を残しておいては子どもたちに迷惑をかける。思い切って処分することにした。
 またパナソニック社に連絡し、処分業者、処分方法をたずねたら、パナソニック社は販売、据え付けまでで、処分には一切応じない、処分方法は各自治体のルールに従うようにと、相変わらずけんもほろろだった。
 繰り返すが、メーカーは機器の開発、販売だけではなく、家庭での移動や運搬、あるいは処分が素人でも簡単にできるよう計画するのが努めではないだろうか。

 webを調べたら同じようにマッサージチェアの処分に苦労している人がいて、ある女性は自分で解体した様子をweb上に公開していた。
 ともかく大きい、重いが問題だから、小さく、軽くすればいい。できる範囲で分解することにした。
 方針が決まったので、家にある+ドライバー、-ドライバー、六角レンチ、六角スパナ、ペンチ、プライヤー、ハサミ、カッターを床に並べ、解体部品を入れる段ボール箱を用意し、新聞紙を広げて分解に挑戦した。
 まず、ヘッドカバーを外す。右手アームに付いていた操作盤のネジを緩める。左右のアームのネジを緩める。この日は夏日で、すでに汗びっしょりになった。いったん、休憩し、水分を補給する。
 一息してから、あちらこちら動かし、外れやすそうな本体カバーのネジを緩める。カバーが外れると、モーターや配線、ビニールの管などが現れる。ビニールの管はカッターで、配線はペンチで切る。目に付くネジはすべて外す。今日はここまで。

 翌日、アーム部分を外す。側面カバーを外す。ヘッドマッサージ部分を外す。フットマッサージ部分を外す。モーターや配線板はいくつかに別れていて、管や線が複雑にからんでいる。管と線を切り離す。ネジを順に緩めていく。ネジが堅くなっていて、まったく動かないこともあった。スパナやレンチ、プライヤーを動員して、苦戦する今日はここまで。
 とりかかって3日目、すべてを分解する。とりあえず部屋の隅に重ねた(写真)。

 市のゴミ出しマニュアルをにらむ。市では90cm以上2m未満は粗大ゴミ扱いになるが、細かく分解したためすべてが90cm以下になった。部品、カバーなどを燃えるゴミ、燃えないゴミに仕分けし、ゴミとして出した。
 残った骨組みの鋼材、モーター類は、市では取り扱っていない(写真)。これらは、許可業者に処理を依頼することになる。処理業者T社に連絡した。マッサージチェアを分解して鋼材とモーターが残った話をすると、よく分解しましたね、運べますか?、と半信半疑の返事が返ってきた。
 受け入れてくれそうだ。数千円で済むらしい。場所を聞くと、車で10数分である。数日後、T社に運びこみ、費用を支払い一件落着する。

 再度、繰り返すが、メーカーは、高齢者でも移動、解体、組み立てがしやすい仕組み、旧式が生産中止になっても新式の部品が対応できる仕組み、処分しやすい構造とし多くが資源として再利用できる仕組みを開発計画に組み込むべきある。
 西日本豪雨により大きな被害が出ている。災害ゴミが山積みになっていて、復旧、復興の妨げになっている。
 家庭で使われるいわゆる家電が処分しやすい構造になっていて、小さく・軽くなるよう解体できれば、災害ゴミを減らすことができ、被災地の負担軽減につながると思う。パナソニック社を始め、日本の企業よ、猛省し、利用者の立場で機器を開発して頂きたい。(2018.7)

追記)2015年国連総会で「持続可能な開発のための2030アジェンダTransforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development」が採択され、2030年までの具体的指針である「持続可能な開発目標Sustainable Development Goals、略称SDGs」に17の世界的目標、169の達成基準が明示されている。
 日本でも政界、経済界、教育場面、社会生活でSDGsの取り組みが推進されている。企業の積極的な取り組みを願う。 (2022.1)

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