
寒が戻りましたが、春は弛まず進行しています。毎朝庭に出ると、花が目に見えて賑やかになってきます。午後の日差しに群生したオオイヌノフグリが賑やかに花を開いています。花言葉は「信頼」です。
経済発展著しかったマレーシアでは主食のコメを自給する目的で、水稲作の二期作化事業を1965年から1970年に、世銀の借款で実施し、国内最大の10万㌶の稲単作地域に、ダムや基幹用排水路・道路を、末端約800ヘクタール単位に整備しました。計画・設計・施工管理は、稲作の経験のないイギリスのコンサルタントが担当しました。計画では乾季に灌漑でして、新たに昨季を導入することになっていました。
1970年に工事が完了し、二期作が始まりました。一年中湛水するため、土壌乾燥期間がなくなり、急激に土壌の軟弱化が進み、トラクターの稼働に支障を来すようになりました 。また乾季にも稲が途切れなく存在するため、病害虫が大発生し、収量の大減収を来してしまったのです。巨額の投資にも拘らず事業失敗のピンチになりました。
稲作に長けた日本の技術が救いました。乾季に水田は徹底的に乾燥し、地耐力を強化、雨期に2回稲を作る栽培昨期に改めたのです。ダムの灌漑水は雨期の灌漑を合理化、農道を整備し稼働効率を上げ、栽培品種をIRRIで開発した短期品種に切り替え、膨大な数量になる末端水路無しに、雨期の二期作を実現したのです。今では、マレーシアが稲作の技術協力を他国で行っていると聞きます。
これは稲作振興を目指す開発途上国における、日本の「信頼」を高める一助になったのではないでしょうか。
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