中々、サラリーマン社会の終焉という本書のテーマに到達しませんな。
いや、本書には看過できない事実が書かれていて、しかもさらっと触れているだけでして、どうしても突っ込みたくなるんですね。
『マクドナルド』というのは一大テーマなのですよ。かつて米国でミドルクラスの崩壊、生活水準の低下が叫ばれていた頃、随分前のことですが、『その代わりマクドナルドの店員のような職は増えている』とか、最後にコメントがついたわけです。
米国社会の変動のかつての象徴,そして、日本においては外食チェーンの草分けであり、アメリカンウェイオブライフの象徴であり、計算されたマーケティングやオペレーションは業界のお手本であり・・・。
株式上場に関して本書で書かれているのは、
①藤田氏はもともと上場には反対であった
②藤田氏は、個人会社の藤田商店を持っていて、日本マクドナルドから売上の1%を経営指導料として取っていた。
③米マクドのロイヤリティも当初は1%だった
④米マクドとの契約更改交渉の結果、米マクドのロイヤリティは2.5%に値上がりした。
⑤藤田商店の指導料は0.5%に下げざるを得なくなった(でなければ経営が成り立たない)
⑥米マクドとの契約では2010年からロイヤリティは2.5%から3%にさはらに上がる
⑦藤田氏はその時点で藤田商店の経営指導料はあきらめざるを得なくなると判断、上場し創業者利益を得ることにした(のだろう)。
ということです。要するに、3%も米国に抜かれてしまうと、オーナーでいるうまみがなくなる、と藤田氏は判断したんだろうというわけです。
もともと米マクドと藤田商店とで2%抜いていたものが今は2.5%米国に抜かれています(一時期藤田商店の0.5%と合わせて3%抜かれていましたが、今は藤田商店との指導関係は解消しています)。2010年からはまた3%になるわけですね。
H13年の短信です。31pに前年と当期のロイヤリティについて説明があります。
※※※
(前年)
1.当社はマクドナルド・コーポレーションとライセンス契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の1%を支払ロイヤルティーとしております。
2.当社は㈱藤田商店と経営役務契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の1%を支払マネジメントフィーとしております。
(当期)
1.当社はマクドナルド・コーポレーションとライセンス契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の2.5%を支払ロイヤルティーとしております。
2.当社は㈱藤田商店と経営役務契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の0.5%を支払マネジメントフィーとしております。
※※※
ロイヤリティと上場問題に何故こだわるかと言いますと、これはいろんな問題を考える上で良いモデルになると思うからです。ブランド価値、資本の価値、労働者の提供するサービスの価値。
藤田氏は米ロイヤリティを値上げされたために、信念を曲げて上場に踏み切らざるを得なかったわけです。自分の取り分が無くなることになるので、自分が育てた会社に見切りをつけたのですね。ロイヤリティを取れないならオーナーで居てもしょうがない。これが結論。
米マクド関連以外の一般株主にとっては良いつらの皮ですね。
米マクドも日本マクドの株主ではないか、というご意見もあろうかと思いますが、ロイヤリティを取ってないなら一般株主と利益は共通ですがね。配当やキャピタルゲインで儲けるんなら良いですが,そんなもの最初からあてにしていないでしょうな。ロイヤリティ増やすことに一生懸命なわけですからね。
支配権を持っているのだからロイヤリティを下げて配当で利益還元を得るという選択肢が米マクドにあるでしょうか。多分ありません。配当に回る前に利益の半分近くが税金で持っていかれますからね。ロイヤリティが0円だとして今年の経常利益が150億円だったとしましょう。税引き後100億円行かないですよね。ロイヤリティで抜く方がはるかに額が大きいわけです。
こういう一般株主と支配株主との間で利益相反がある上場会社ってどうなんですかね。
次回は本書のテーマたるサラリーマン社会の終焉についてをテーマにします。ようやく本題にたどり着いた感じですが・・・。
もう本題の方は良いかな、なんちゃって。
いや、本書には看過できない事実が書かれていて、しかもさらっと触れているだけでして、どうしても突っ込みたくなるんですね。
『マクドナルド』というのは一大テーマなのですよ。かつて米国でミドルクラスの崩壊、生活水準の低下が叫ばれていた頃、随分前のことですが、『その代わりマクドナルドの店員のような職は増えている』とか、最後にコメントがついたわけです。
米国社会の変動のかつての象徴,そして、日本においては外食チェーンの草分けであり、アメリカンウェイオブライフの象徴であり、計算されたマーケティングやオペレーションは業界のお手本であり・・・。
株式上場に関して本書で書かれているのは、
①藤田氏はもともと上場には反対であった
②藤田氏は、個人会社の藤田商店を持っていて、日本マクドナルドから売上の1%を経営指導料として取っていた。
③米マクドのロイヤリティも当初は1%だった
④米マクドとの契約更改交渉の結果、米マクドのロイヤリティは2.5%に値上がりした。
⑤藤田商店の指導料は0.5%に下げざるを得なくなった(でなければ経営が成り立たない)
⑥米マクドとの契約では2010年からロイヤリティは2.5%から3%にさはらに上がる
⑦藤田氏はその時点で藤田商店の経営指導料はあきらめざるを得なくなると判断、上場し創業者利益を得ることにした(のだろう)。
ということです。要するに、3%も米国に抜かれてしまうと、オーナーでいるうまみがなくなる、と藤田氏は判断したんだろうというわけです。
もともと米マクドと藤田商店とで2%抜いていたものが今は2.5%米国に抜かれています(一時期藤田商店の0.5%と合わせて3%抜かれていましたが、今は藤田商店との指導関係は解消しています)。2010年からはまた3%になるわけですね。
H13年の短信です。31pに前年と当期のロイヤリティについて説明があります。
※※※
(前年)
1.当社はマクドナルド・コーポレーションとライセンス契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の1%を支払ロイヤルティーとしております。
2.当社は㈱藤田商店と経営役務契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の1%を支払マネジメントフィーとしております。
(当期)
1.当社はマクドナルド・コーポレーションとライセンス契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の2.5%を支払ロイヤルティーとしております。
2.当社は㈱藤田商店と経営役務契約を締結しており、その契約に基づきシステムワイドセールス(直営店舗とフランチャイズ店舗の合計売上高)の0.5%を支払マネジメントフィーとしております。
※※※
ロイヤリティと上場問題に何故こだわるかと言いますと、これはいろんな問題を考える上で良いモデルになると思うからです。ブランド価値、資本の価値、労働者の提供するサービスの価値。
藤田氏は米ロイヤリティを値上げされたために、信念を曲げて上場に踏み切らざるを得なかったわけです。自分の取り分が無くなることになるので、自分が育てた会社に見切りをつけたのですね。ロイヤリティを取れないならオーナーで居てもしょうがない。これが結論。
米マクド関連以外の一般株主にとっては良いつらの皮ですね。
米マクドも日本マクドの株主ではないか、というご意見もあろうかと思いますが、ロイヤリティを取ってないなら一般株主と利益は共通ですがね。配当やキャピタルゲインで儲けるんなら良いですが,そんなもの最初からあてにしていないでしょうな。ロイヤリティ増やすことに一生懸命なわけですからね。
支配権を持っているのだからロイヤリティを下げて配当で利益還元を得るという選択肢が米マクドにあるでしょうか。多分ありません。配当に回る前に利益の半分近くが税金で持っていかれますからね。ロイヤリティが0円だとして今年の経常利益が150億円だったとしましょう。税引き後100億円行かないですよね。ロイヤリティで抜く方がはるかに額が大きいわけです。
こういう一般株主と支配株主との間で利益相反がある上場会社ってどうなんですかね。
次回は本書のテーマたるサラリーマン社会の終焉についてをテーマにします。ようやく本題にたどり着いた感じですが・・・。
もう本題の方は良いかな、なんちゃって。