yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

京都アスニーでの講演の条

2010-11-06 09:43:08 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
 昨日は京都市の外郭団体である京都市生涯学習振興財団が運営する京都アスニーでの講演会だった。



 平安京創生館の最新の展示

 昨年もちょうどこの頃お話しをさせて頂いたのだが、今年もお声がかかった。というのも、昨年からいらっしゃる元京都新聞記者のSTさんの影響大なのだろう。STさんとはもう30年以上も昔、乙訓担当記者として赴任されたときからのお付き合いで、その後もずっと年賀状だけはやりとりしていたのだが、昨年、アスニーの講演で訪れた事務局の部屋でばったり再開したのだ。

 その折りも懐かしさのあまり、事前の準備もそこそこに話し込んだんだが、今回も懐かしい昔のこと、最近訪れられたという長岡宮大極殿や宝菩提院廃寺のことで話しが大盛り上がり。会場に入る2分前に話が終わるという楽しい一時だった。

 会場に入って驚いたのは、ナナナントこのアスニーのゴールデンエイジアカデミーという企画はいつも大盛況で500人は下らないというのである。さらに驚いたことに山科会場でも放映されており、合わせて700人くらいの方が聞いて下さるという。
 
 実は直前になってパワーポイントの写真を配布資料として作っていたのだが、その用意した数は100。これではとても足りないということで、終了後に配ることにした。

 話の中身は、最近凝っている伊勢神宮と斎王についてで、「斎王が来なかった斎宮」と題して話した。ちょっと後半の時間が足りなくて,というより、前半に時間を使いすぎて、少々最後は急ぎ足になり、ちょっと会場のみなさんには判りにくい部分が残ったのではないかと大いに反省しているが、まあまあ何とか斎宮の存在意義は伝えられたのではないかと思っている。

 それにしても、関西と中部でのこの聴衆の質や量の違いは何なんだろうか。逆にいうと、関西にいて、これが当たり前と思って育ってきた私が、今や中部東海の人が来なくて当たり前というのに慣れすぎてしまっていたことをあらためて思い知らされた一日でもあった。

 最近は伊賀などで講演する機会が増え、次第に聴衆が増えていっている姿にそれなりの手応えを感じていたところだが、伊賀で70人が「すごい!」のに対し、京都では700人が当たり前!!この違いをもっともっと思い知って、自ら研鑽し、より多くの方々に東海地方でも来て頂けるように、中味の濃い、しかし、楽しくて判りやすい考古学の話題を提供しなければいけないことを実感した次第である。

 講演が終わってホッとして事務所のソファーで雑談をしていたらまたまた知り合いが登場。この春まで京都市埋蔵文化財研究所の課長?部長?をなさっていたNSさんが突然現れたのだ。定年前にお辞めになっていたことは聞いていたのだが、まさかここに再就職なさっていたとは驚きだった。

 彼とは向日市に勤めていたとき、ちょうど京都市埋文研が長岡京地域を調査するときいつも担当されていたのでとても懇意にして頂いていた仲で、ここのところは全くご無沙汰していたのだが、その誠実なお人柄から京都市埋文研の中でも数少ない友人の一人だっただけに再開はとても嬉しかった。そしてわざわざアスニーの一階の展示コーナーが模様替えをしたので案内して下さった。


 香をかぐコーナー

 今回のテーマは「かほり」ということで、京都の有名なお香屋さんである松花堂の協力を得て、にほいに関する資料が展示されていた。中央には風俗資料館から借りてきたという源氏物語の香争いの場面を再現した模型が置かれ、その周囲には松花堂から借りたという各種の香材が手にとってかげるように置かれていた。

すばらしい!!

さすがNSさんである。やはり展示にしろ調査にしろ中味をうまく伝えられるのは「人間!!」だと改めて実感した。

これからもいろんなアイデアの展示をしたいとお話しなさる姿は活き活きとなさっていて、早く辞められてもこんな職場があってよかったな!ととても清々しい気分になって帰ることができた。

 夕方からは来年春に予定しているローマ時代の都市遺跡の踏査の打ち合わせのために山口大学のHY博士と一杯やった。彼はこの夏に長く住み慣れた山口のお家を引き払って、久しぶりに京都に移り住むことになり、その膨大な蔵書(何でも書斎を大改修し、23000冊の蔵書可能なラックを購入したとか。○○○万円かかったとか。お前も作れといわれたが、そんな事したら息子夫婦に追い出される!(笑))の整理にここのところ明け暮れているのだという。

 途中、イタリアの案内の件で数少ない私の大学時代の親しい後輩であるTSさんとの電話会談も入れて、4時間も素敵なお店で歓談した。とっても美味しい和食の品々は、写真を撮るのも忘れるくらい食が進み、寒いので暖房を付けて飲むという贅沢なビールも杯を重ね、少々酔っぱらい気味で帰宅した。HY博士のご自宅も同じ私鉄沿線になり、これからも度度飲もうねということで、久しぶりにすっきりした気分で帰宅!レバノン以来約1ヶ月半に渡る朝昼逆転現象がやっと解消できそうなくらい、そのままバタンキュウ!!久しぶりに清々しい気分で朝を目覚め、息子の息子や息子の娘と朝から「お遊び」する「凡人の日常」を楽しんだのであった。

 さあ、これから鉢巻き締め直して、原稿と明後日の研究会の資料作りである。頑張らねば!!

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