yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

その時歴史が動いた第346回平安京誕生の条

2008-12-17 16:25:35 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
今夜10時からのその時歴史が動いたは「平安京誕生~千年の都に秘められた苦闘~」 
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NHKのうたい文句は

 千年の都・京都の原点「平安京」。その誕生の裏には、時の桓武天皇をめぐる血ぬられた争いと苦悩が秘められていた。奈良時代の末、平城京での激しい権力闘争の中で桓武天皇は「遷都」によって政治体制の一新をもくろむ。しかし極秘裏に進めた最初の遷都は大きな反発を呼んだ。

だそうです。

 本当ならもっと前から宣伝をしてもよかったのですが、ちょっと躊躇してしまいました。

 なぜか?

 これはこれまでのこの番組の歴史が物語っているのですが、どうも「一般の人に判りやすく!!」を金科玉条のように掲げるために,番組協力者の資料が次第にぼかされ、平板になっていくようです。

 そのことはネット上で検索をすれば判ります。それぞれに言い分があるのでしょうからコメントはしませんが、3ヶ月ほど番組製作に協力する中でそのことを実感しました。もちろん私が企画して放送するのではありませんから、やむを得ないことなのかも知れませんが、折角の「その時」がインパクトに欠けるものになってしまうのは残念なことです。

 私もこの番組で数分のコメントをしましたが、最終的にどの様に扱われているのかは今夜見てみないと判りません。事前に流れてくる情報によると強調したかった長岡京の画期性はどうも随分薄められ、桓武天皇がなぜ遷都をしようと決意したのか。その根本原因である天皇の出自、天皇即位を巡る問題点はほとんど取り上げられないようです。残念!!また平安京遷都の原因についてもかなり最新の研究成果とはかけ離れているようで少し寂しい気がします(もっとも関係機関の中には協力を喜ばず、肝心の資料が提供されなかったとも聞きますから、この辺もイヤですね。悲しー!)。

 ですから、今回の番組だけではなく、今後もでしょうが、こういう番組はやはり専門的見地から見ると、いろいろ課題が残るようです。

 ま、その点は割り切って、あくまで娯楽番組として、歴史物の番組として、気楽に見ればいいのかも知れません。全国区の番組で「長岡京」が取り上げられること(長岡京のなぐらいは出てくるはずです。(笑))なんて、かつてなかったことなのですから、それだけでも有り難いことだと思うべきなのかも知れませんね。

 ですから、皆さんも今夜22時、一応見ていただきたいのですが(私は怖くて見れないかも知れませんが・・・(笑))あまり目くじらを立てないように。

 「アーこういう作り方もあるんだ・・・、」くらいにしておいて下さいね。

 それにしても昨年の秋に歴博で展示をしたお蔭で、長岡京が少しだけですが、認知されたことは嬉しいことです。番組にもその時の共同研究者のSM博士、BHさん、KTさん、NNさんが登場するはずです。
 今後もっともっと研究してメインタイトルに長岡京が流れる番組が作られるよう努力していきたく思っています。

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歴史が動いたのは平安京誕生の時ではなく、長岡京誕生の時ですからね!お忘れなく 

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http://www.nhk.or.jp/sonotoki/main.html