ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

映画「ロミオとジュリエット」

2017-03-08 18:25:55 | 映画
1月13日シネ・リーブル池袋で、映画「ロミオとジュリエット」をみた(原作:シェイクスピア、演出:ケネス・ブラナー)。
前回の「冬物語」と同じく、ロンドンのギャリックシアターでの上演を映画化したもの。

まず冒頭に映画化の際加えられた宣言あり。
①白黒で上映する
②或る書物に以下のようなことが書いてあった。パリのカフェで大柄のみすぼらしい男に会ったが、その男は話が無類に面白かった。
一晩愉快に過ごして別れた後、店員に聞くと、あれはオスカー・ワイルドだと言う。その逸話を読んで、この芝居でマキューシオ役をデレク・
ジャコビにするという案が浮かんだ。
つまり、ワイルドは同性愛者として投獄され(当時同性愛は犯罪だった)、出獄後パリで晩年を過ごしたが、それでもまだまだ元気で非常に
魅力的だったということらしい。
ジャコビは素晴らしい名優だが、マキューシオつまりロミオの饒舌な友人を演じるのは相当無理があると思ったが、なるほどそういう背景があったのか。

演出のケネス・ブラナーが舞台挨拶に立ち、ロミオ役の俳優が48時間前に足に大怪我を負ったが、出演することにした、そのため演出を少し
変えた、と告げる。だがどこが変わったのか全然分からなかった。

20世紀初頭のヴェローナか、タバコを吸う人々。
イタリア語を多用。字幕は< >で囲んで区別している。
「ロミオ」の場合、時代を現代にすると、公爵の扱いが難しい。今回も警察署長か警視総監のような格好。

パーティの客のリストが読めない召使を演じる女優が面白い。
マキューシオ役のジャコビは、やはり恐れた通り無理がある。好きな俳優なので言いたくはないが、白いスーツで太ってて、まるでカーネル・
サンダース。もちろんセリフ回しは素晴らしいし発音もいつもながら美しいが。決闘の場では彼に配慮してだろう、すぐにやられる。年齢的には
ロミオの祖父でもいいくらいのはずだ。
ブラナーよ、盟友をこんなふうに使うな!

バルコニーの場で、ジュリエット(リリー・ジェイムズ)はワインをラッパ飲み!
それを見てロミオ(リチャード・マッデン)「彼女が話す・・・、いや話さない」。もちろんここで笑いが起こる。このように、割と自由に
セリフを変えたりつけ足したり。カットも多い。
ロミオの母はイタリア語で息子のことを祈り続ける。
ロレンス神父の3幕3場の素晴らしいセリフの後半がカットされていて残念。
ただ、その直後の乳母のセリフ「ああ、一晩じゅうでもありがたいお説教を聞いていたい。学問って大したもの」はちゃんと言われ、仕草で強調されて笑いを取っていた。
ジュリエットの偽の死後、父が大げさに嘆く長いセリフもほとんどカット。これは適切。
乳母は倒れたジュリエットの体のそばに薬の小瓶とナイフを見つけるが、とっさに隠す。

ロレンス神父は墓所のジュリエットのところに行かない!外で泣いているところを夜警に発見されるだけ。
ここは、ジュリエットを連れ出そうとするが彼女はきっぱり拒絶する、という重要なシーンなのに。
目覚めたジュリエットは、ロミオが床に置いたカンテラ?か懐中電灯で辺りを照らし、ロミオを見つける。

役者は皆うまい。特に主役の二人は熱演。

池袋のシネ・リーブルでは、1月5日にブラナー主演の「エンターテイナー」という映画も見たので、この冬は懐しいイギリス英語を3回も聴けた。



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