ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

三島由紀夫「サド侯爵夫人」

2012-04-16 14:45:05 | 芝居
3月12日世田谷パブリックシアターで、三島由紀夫作「サド侯爵夫人」をみた(演出:野村萬斎)。

18世紀末、絶対王政が爛熟を極め、退廃の色濃い都パリ。数々の乱行から逮捕・脱獄騒動を起こし、残酷かつ淫蕩な
スキャンダルがつきまとう「悪徳の怪物」サド侯爵に貞節を貫くサド侯爵夫人ルネ。世間体を重んじ、計略をめぐらせて
サドとの離別を迫る母モントルイユ夫人とルネは苛烈な対立を続ける。フランス革命勃発後、夫がついに獄から解放され
たのを知るや不可解な決断を下したルネの心情に宿る真実とは・・。

サンフォン伯爵夫人役の麻実れいは、予想通り今まで見た中で最高。

シミアーヌ男爵夫人役の神野三鈴は声もよく、好感のもてる演技。この人は最近波に乗っている。

サド侯爵夫人ルネ役の蒼井優は美しく、声もクリアで落ち着いているが、セリフと関係なく満面の微笑みを浮かべることが
何度もあり、それが不思議。それは紛れもなく10代の少女の無垢な顔なので、全くその場にそぐわない。彼女は果たして
この芝居をどの程度理解しているのか。

モントルイユ夫人役の白石加代子は全くのミスキャスト。何しろ最初のセリフを言いながら登場しただけで客席から笑いが
起こるほどの違和感。場違い。演出家はもちろんすべて計算済みだろうが、ここは全然笑わせるところではないのだから
変だ。どういう意図か、彼女だけ上半身が着物風で下がでかいスカートのような妙な衣装。

3時間半と長い。休憩を2回入れたこともあるが、こんなセリフあったっけ、と何度か思ったので、ひょっとしたら
これまで見た公演は一部セリフをカットしていたのかも知れない。これはノーカット版ということか。





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