ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

番外編・・・ドイツ語こぼれ話 ②

2021-08-22 11:37:40 | ドイツ語
(1)einig ( 不定数詞:いくつかの)
六本木のゲーテ・インスティテュートに通っていた時のこと。ドイツ人講師がこの語について「独和辞典には『2,3の』と書いてあるでしょう?
でもそれは間違いです!‘’ab drei " つまり3以上にしか使わないのよ」と教えてくれた。帰宅後早速、愛用の小学館の独和大辞典に訂正を施した。
手元の辞書を、こうして機会あるごとにカスタマイズしておくとその後役に立つ。いい訳語を思いついた時も書き込んでおく。
この語の場合、訳す時は「いくつかの」とか「若干の」と訳すのがよい。人だったら「何人か」だ。
たまにこういう貴重な勉強ができたから、高い授業料を払った甲斐があったというものだ。

(2)noch einmal (ノㇹ アインマーㇽ:もう一度)
恥ずかしい思い出。何しろこれが「ナカヤマ」と聞こえたのだから!(と言っても誰にも打ち明けてはいないが)
ドイツ語を習い始めたばかりの頃、四谷にあった小さな会話学校で、先生が何度もこう言うので、中山さんという人がよく呼ばれてるなあ、とおもってたw
でもこれを何度も続けて発音してみてください。このように、外国語を聞き取るには、その言語の音にまず慣れなくてはいけない。
どうしても最初は自国語の似た音に「聞きなし」してしまう。
ちなみに、その学校には数回通っただけで、その後は代々木の学校に、そして六本木へ、と移ったのだった。

(3)Wahrheit (真理)
代々木にある小さな会話学校に通っていた時、非常に印象深いことがあった。
六本木の学校では、いくつかのテーブルに分かれて座るので、みんなの顔がわりとよく見えるが、その教室では高校の時のように全員前を向いて座っていた。
人生において最も大事なことは何か、という話になった時、講師が「それは Liebe(愛) だ」と言い、受講生たちもうなずいた。
すると突然、後ろから「 Wahrheit (真理)!」という声がした。私は思いがけないことに驚いて、普通はしないが、思い切って後ろを振り返ってみると、
声の主は坊主頭の若者だった。いかにも真面目そうだ。先生は「そう、愛と真理、どちらも大事だ」と応じた。
授業後、私は好奇心が抑えきれず、彼のところに行って話してみると、 近畿地方かどこかの(もう忘れてしまった)お寺の息子で、仏教の勉強のために
欧州のドイツ語圏に留学したいので、ドイツ語を勉強している、とのこと。何でも宗教の理論を構築するための方法論を学びたいとか。
私にはその辺のところがよく分からず、なんでわざわざそんな遠回りみたいなことを、と思ったが、とにかくその日は、会話学校で聞くとは思ってもみなかった
思索的な言葉と、今どき珍しいと言うか、あまりにもまれな、真剣な若者を発見して大いに嬉しく、また刺激を受けた。
その後、彼はどうしているだろうか。仏教の教理を、キリスト教神学の方法論を使って打ち建てつつあるのだろうか。


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