7月20日新国立劇場小ホールで、坂手洋二作「鵺(ぬえ)」を観た(演出:鵜山仁)。
世阿弥の謡曲「鵺」をもとにした3部からなるオムニバス劇で、脚本は言葉のセンスがいい。平家物語に出てくる妖怪から東南アジアでの臓器売買へとつながっていく流れは少々強引とも思えるが、時代を超える普遍的なものを捉えようとする作者の目は確かだ。
舞台は源平合戦の時代から現代へ、そして昭和、次に現代のベトナムへと移り変わる。
始めと途中でロマンチックなピアノ曲が流れる。ドビュッシーか?
田中裕子の声は少し鼻にかかっていて独特の美しさがある、と改めて思った。この年代で、彼女ほど「可憐さ」を表現できる女優が他にいるだろうか。しかもその表情は、瞬時に潔さ、凄みへと変化するのだ。
実は彼女を生で観るのはこれが初めて。大竹しのぶと田中裕子、この二人は私が最も高く評価する演技派女優だが、大竹さんの方はもう何度も観ているのに、田中さんは蜷川「ペリクリーズ」のタイーサ姫そしてその娘マリーナを演じているところをテレビで観たくらいだ。あの時も可憐で美しかった。
源頼政、火の用心の男、「村上さん」と呼ばれる元商社員を演じるたかお鷹が安定した演技を見せる。
美術(堀尾幸男)がいい。舞台奥から近づいてきて、また遠ざかる小舟が印象深い。
世阿弥の謡曲「鵺」をもとにした3部からなるオムニバス劇で、脚本は言葉のセンスがいい。平家物語に出てくる妖怪から東南アジアでの臓器売買へとつながっていく流れは少々強引とも思えるが、時代を超える普遍的なものを捉えようとする作者の目は確かだ。
舞台は源平合戦の時代から現代へ、そして昭和、次に現代のベトナムへと移り変わる。
始めと途中でロマンチックなピアノ曲が流れる。ドビュッシーか?
田中裕子の声は少し鼻にかかっていて独特の美しさがある、と改めて思った。この年代で、彼女ほど「可憐さ」を表現できる女優が他にいるだろうか。しかもその表情は、瞬時に潔さ、凄みへと変化するのだ。
実は彼女を生で観るのはこれが初めて。大竹しのぶと田中裕子、この二人は私が最も高く評価する演技派女優だが、大竹さんの方はもう何度も観ているのに、田中さんは蜷川「ペリクリーズ」のタイーサ姫そしてその娘マリーナを演じているところをテレビで観たくらいだ。あの時も可憐で美しかった。
源頼政、火の用心の男、「村上さん」と呼ばれる元商社員を演じるたかお鷹が安定した演技を見せる。
美術(堀尾幸男)がいい。舞台奥から近づいてきて、また遠ざかる小舟が印象深い。
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