植物によるがん治療のお手伝い 聡哲鍼灸院日記

植物で心身を癒す施術の日々。そこから感じたこと、学んだことなど。。。

『表の体育 裏の体育』から食養生について

2005年06月02日 21時33分45秒 | 食養生、マクロビ、玄米菜食、スローフード
 甲野善紀著、PHP文庫を読んだ。いつもの僕の読書ジャンルからは外れるのだが、前から「巨人の桑田投手が身体観や鍛錬法を師事していた武術家」ということで甲野氏は知っていたし、患者さんからもこの人の書いた本が面白いと言われていたので、伊勢市駅前の本屋でバスを待つ時間で買った。

 “表”を科学的、西洋的、論理的であり、“裏”は非科学的、東洋的、非論理的と捉えて頂いていいと思う。甲野氏は武術による体の鍛錬はウエイトトレーニング等による筋肉のパワーアップなどに代表される科学的な表の体育ではなく、丹田といった非科学的な存在を体感してそれを活用する点を持つ裏の体育と表現している。

 医療の世界で見てみれば西洋医学は表の医学であり、各種民間療法、健康法、鍛錬法は裏の医学と言える。

 甲野氏は書く。「裏の体育である民間健康法と表の体育である医学との大きな相違は、裏の体育では精神心理作用を最大限に活かして使おうとするのに対し、表のほうではこうした精神心理作用はあまり積極的に研究しようとはしていないように見受けられるということである」

 また裏の体育のルーツとして「霊術」という言葉を出している。この言葉は今でこそ聞かれないが戦前、特に大正時代と昭和初期には今のヨガや太極拳ほどに知れ渡っていた言葉らしい。
 霊術と呼ばれたものには加持祈祷、催眠療法、気合術、自律調整法、静座法、座禅、呼吸法、暗示、テレパシー、鎮魂帰神法、手かざしなどが含まれるようだ。
 僕のしている治療法はまさにここでいう裏の体育、医学というわけだ。

 本はまた、肥田春充がつくった肥田式強健術と肥田の思想といういわば表と裏の体育の間をつないだ身体観・鍛錬法を詳しく解説しておりそれも興味深かった。また地球環境のことや私達の便利な生活への批判、自然保護の重要性、ブナ林の重要性なども説いており、武術家だから自分とはまったく関わりがないだろうと思っていた甲野氏の思想がほとんど僕と似ているところに驚きもした。

 癌の食養生の姿勢に参考になる文を挙げてみる。
 「裏の体育の本質は技芸、芸術の領域にはいっており、その人の生きるセンスの日常化、生活化とでもいうことに本領があるのであって決して単なる表面的、物理的健康を追求しているのではないということを頭に入れておく必要がある」

 「したがってたとえば食物の場合、頭の知識で体に良いか悪いかを判断して、まずいのを我慢して食べているようではあまり意味が無いのであって、体にとって有益なものが食べたくて食べるようになるのでなければ、本来の体育の意味は無い」

 体を治すために玄米菜食をするというだけは治りきらない、玄米菜食というスローフード、自然に、環境に、霊的に負担の軽い食事スタイルを積極的に、嬉しがって選択しない限り本来の治療に結びつかない、と言っていると捉えたい。
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2 コメント

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読書ジャンル (オリーブ)
2005-06-03 23:55:30
聡哲先生が先日ご紹介していました「ひふみ新世紀」を読んでみました。

食事は自然の恵み、仏様などに感謝しながらいただくもの。。

まずは作法よりも大切なことですよね。忘れていました。すると自然にお行儀もよくなり間食もなくなりました。

ご紹介されていた「甲野善紀著」の本も、読んでみようかと思います。

いろいろと勉強になります。また是非ご紹介下さい。

また先日の治療では、私が疑問に思っていました「リンパの流れ」について説明していただき、大変勉強になりました。

少しむくみもとれてきました。聡哲先生ありがとうございます。またよろしくお願い致します。

日月神示、何度も読んでください (聡哲)
2005-06-04 21:12:38
 オリーブさん、お久しぶり。

 日月神示、読んだんですね。ぜひ声を出して読んでください。僕は伊勢神宮の勾玉池の水辺のベンチで人気の無い時に声を出して読んでいました。家でも夜、寝る前に声を出して読むこともあります。



 難解ですが「読書百遍意自ずから通ず」ですからね。シルバーバーチの霊訓も良く寝る前に読んでいました。寝る直前に精神を澄ましておくことはとても大事だと思っています。



 『表の体育 裏の体育』も試しに読んでみてください。武術家の話だから貴女の日常からは遠い話のようだけど参考になるところもあるかもしれません。

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