ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

東京ミステリ25年/総論編

2021年09月04日 | 東京ミステリ25年
きょう4日はパラ五輪のカヌー女子の準決勝・決勝がある。
このエントリーが出るころには結果が判明しているだろうが、
「4号の先輩」瀬立モニカ選手の健闘を祈ってやまない。

さて本題。8月中に終えるつもりが、9月にずれ込んだのは想定外。
めげずに「東京人」東京ミステリ特集の読み比べ企画を続ける。
きょうは96年版と21年版の総論を比較する。

まず96年版の総論。こちらは東京を舞台にした秀作25編を列挙。
その25編は以下の通り。
  • 傑作ミステリ25選(文・日下三蔵)
蜘蛛男(江戸川乱歩)新宿少年探偵団(太田忠司)
「新宿鮫」シリーズ(大沢在昌)新宿のありふれた夜(佐々木譲)
下町探偵局(半村良)
魔術はささやく/今夜は眠れない/東京下町殺人暮色(宮部みゆき)
向島物語(小杉健治)
殺人現場へ二十八歩毎日が13日の金曜日/東京夢幻図絵(都筑道夫)
マイナス・ゼロ/エロス(広瀬正)
東亰異聞(小野不由美)火刑都市(島田荘司)
虚無への供物(中井英夫)からくり富(泡坂妻夫)
魔都(久生十蘭)魔都(栗本薫)
明治断頭台(山田風太郎)ハイカラ右京探偵暦(日影丈吉)
蒼ざめた街(藤田宜永)行きずりの街(志水辰夫)
古本屋探偵の事件簿(紀田順一郎)

続いて21年版。こちらの総論は、
  1. 江戸を舞台にした捕物帳
  2. 戦前から昭和30年代の探偵小説
  3. 「清張」以後の推理小説
という三部構成で、作品の舞台の切絵図・古地図・古写真を
ふんだんに盛り込んでいる。紹介作品は以下の通り。
  • 切絵図で歩く江戸の探偵(文・末國善己)
半七捕物帳(岡本綺堂)人形佐七捕物帳(横溝正史)
ぼんくら(宮部みゆき)彫師伊之助捕物覚え(藤沢周平)
鬼平犯科帳(池波正太郎)明治断頭台(山田風太郎)
  • 名探偵たちが闊歩した帝都東京→戦後東京(文・日下三蔵)
D坂の殺人事件(江戸川乱歩)聖アレキセイ寺院の惨劇(小栗虫太郎)
奇蹟のボレロ(角田喜久雄)貸しボート十三号(横溝正史)
刺青殺人事件(高木彬光)十三角関係(山田風太郎)
猫は知っていた(仁木悦子)
  • ミステリで読む都市東京(文・川本三郎)
張込み/砂の器(松本清張)
火刑都市(島田荘司)理由(宮部みゆき)
凍える牙(乃南アサ)新宿のありふれた夜(佐々木譲)

太字は双方の総論に登場した作品。
赤字は96年版の総論&21年版のエリア論に登場した作品。
96年版が紹介した作品を、21年版がかなり下敷きにしたことが
うかがえる。いずれにしても、太字赤字の作品は、秀作の中でも
四半世紀の年月に耐えた読み継ぐべき「東京ミステリ」と言えるのでは。
当ブログも取り扱った「火刑都市」が双方の総論に登場していて少しうれしい

  • ホークス
首位オリックス3連戦の初戦を1対2で落とす。6ゲーム差再び。
マルティノスが7回1失点・被安打2。山本が8回1失点・被安打3。
両先発が息詰まる投手戦を展開したが、
9回にまたも救援陣が崩れて致命的な1点を失った。

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