ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

ゴルゴも大変

2020年04月18日 | 新型コロナウイルスがにくい
そうか、参拝は観光旅行じゃないのか・・・
伊勢参りにかこつけた「ええじゃないか」再びにまた一歩(独り言)。

さて本題。新型コロナが席巻する世界を生きていて、
無性に読みたくなった劇画があり、きのう再読した。

ゴルゴ13「病原体・レベル4」

第343話・単行本114巻・アンソロジーや文庫版にも収録

アフリカから密輸したミドリ猿が原因で、クルーズ船内に
新型エボラがまん延してしまい、乗船していたゴルゴも罹患する。
発病から死までのタイムリミットは4日間・・・

ゴルゴがこの危機をいかに脱するかのネタバレは避けるが、
高熱と頭痛に苦しみながらも錯乱せずに、
盗んだ救命ボートをおとりにパラセーリングでクルーズ船から脱出したり、
空港に向かうと見せかけて港湾に向かったりと、ゴルゴの冷静さが光る。
その一方で、クルーズ船の寄港先の米国において、
陸軍が一時、乗員・乗客1240人の船上抹殺を決定する描写もある。
ダイヤモンド・プリンセス号の乗客には絶対に読ませたくない作品だ

なお、ゴルゴ13と言えば、福島第一原発事故はおろか
チェルノブイリ原発事故に先立つ1984年に原発に警鐘を鳴らし、
「圧力弁」「水素爆発」などの用語を並べた「2万5千年の荒野」という
名作がある<第213話・単行本64巻
「病原体・レベル4」も1995年の作品。四半世紀前の作品とは思えぬほど
「RNA型」「エアロゾル感染」といった現在よく聞く用語が並ぶ。

さいとうプロ おそるべし

この2作品に共通するのは「ゴルゴの活躍で一件落着してよかったね」では
終わらず、終幕のシーンが読者への問題提起になっているところだろう。
「病原体・レベル4」の場合、米陸軍微生物研究所主任のギャレット博士が、
開発が急速に進むアフリカの密林地帯を眺めながら、
「私たちはいずれ自然に滅ぼされるのだろう・・・」とつぶやいて幕となる。

なお、この作品をきっかけとした、さいとう・たかを先生の雑誌インタビューを
最近読んだが、新型コロナがまん延する世界について
「ゴルゴが出る話にならない。いまはゴルゴもお手上げ」
「自己管理を徹底するしかない状況ですね」と語っていた。そうかもしれない。

よくよく考えると、ゴルゴの習慣は
  • 利き手を預ける握手をしない=濃厚接触の回避
  • 背中をさらさずに壁や柱を背にする=依頼人とのソーシャル・ディスタンス
と感染防止の理にもかなっている。
さすがは「プロの条件」として、才能・努力よりも「臆病さ」を重んじる漢だ。
いまは自前の診療船(第163話・単行本46巻のPRIVATE・TIMEに登場)に
じっと身を潜めているのではないか。
レベル4の新型エボラから生き延びたゴルゴゆえ、
レベル3(国立感染症研究所の扱いに基づく)の新型コロナは大丈夫とみる。
同時に、現在83歳のさいとう・たかを先生の末永い健康を祈っている。

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