きのうはJの2ステージ制の修正案をあれこれダメ出し考察したが、
この世のあらゆる「制度」に、完璧なモノはありえない。
過去のJを見ても、「負け得」ならぬ「分け得」が生じかけたことがあった。
記憶に新しいのは、11年J2のラスマエ第37節。2~4位は以下の状況だった。
2位:鳥栖(勝ち点65)、3位:徳島(勝ち点65)、4位:札幌(勝ち点62)
当時は3位までがJ1に自動昇格。
そのうえ、11月26日に札幌が湘南戦、翌27日に徳島×鳥栖という日程だった。
この時は幸い札幌が湘南を下して、勝ち点を65に伸ばしたが、
もし札幌が敗れていたら、翌日の徳島×鳥栖は90分間の球回しに終わり、
仲よく勝ち点1を上積み&J1昇格決定という「分け得」の茶番になったかもしれない。
あれから約2年。実は今季のJ2にも「分け得」の可能性が生じつつある。
今季ラスマエの17日の第41節。「松本&徳島が白星」の場合、
長崎と徳島がPO圏内で勝ち点66で並ぶ
そして、最終節の長崎×徳島が引き分けの場合、双方とも6位以内が確定する
ちなみに、長崎の高木監督も徳島の小林監督も、長崎出身の小嶺チルドレン&大商大の先輩・後輩の間柄である
ただし、この想定では、最終節は4位か5位かのPOホーム開催争いになりうる。
また、長崎・徳島と松本は得失点差に開きがあるため、
松本が勝ち点3を加えても、それほどの重圧にはならないだろう。
そこで、「札幌&千葉も白星」という想定も加える。
すべて1点差で決着した場合、最終節前の4~8位は以下のようになる。
- 4位千葉:勝ち点67&得失20
- 5位長崎:勝ち点66&得失9
- 6位徳島:勝ち点66&得失5
- 7位札幌:勝ち点63&得失9
- 8位松本:勝ち点63&得失-1
長崎も徳島も4位浮上=POホーム開催の可能性は残る。
だが、千葉の最終節の相手は、17日に最下位確定もありうる鳥取で
千葉が落とす望みは薄い。そして何よりも札幌の猛追による重圧がハンパない
ワタシが長崎or徳島の監督で、相手の監督が旧知の間柄だったとしたら、
「何も言わんが、ここはひとつ、空気読んでね」という祈りを抱くかも。
ただし、暗黙の了解が通じて、まんまと引き分けたとしても、
かなり上手な試合運びをしないと、社会問題になる危険をはらむ。
長崎×徳島は最終節開催のBIG・ノーマル双方のtotoの対象試合のうえ、
このBIGには最高賞金10億円がかかっているからだ。
これだけの大金がかかるtotoで「わざと引き分け」疑惑は世間でも騒がれるだろう。
札幌の白星は、J2最終盤に一大カオスをもたらす要素になった。どんどん面白くしよう。