ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

邦画2本の感想(ネタバレご容赦)

2023年12月12日 | 漫画・アニメ・特撮
CBの玉突き移籍の気配が漂いつつあるが、
きょうはサッカーからいったん離れ、この師走に見た邦画2本の感想を語る。
奇しくも2本とも「先の大戦からの帰還兵」を主人公にしていた。
  • 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
先に見た3号に「絶対に好みだと思う」と薦められた。
3号はワタシの好みを良く理解しているとしか言い様がない
横溝正史もの大好き&鬼太郎原作大好き そんなワタシのための映画だった。

昭和31年。日本の政財界を牛耳る龍賀製薬の当主・龍賀時貞が死去し、
同社の血液製剤「M」の謎を突き止めるべく、帝国血液銀行の水木が
龍賀一族が暮らす哭倉村(なぐらむら)を訪れ、その屋敷で遺言状の公開に立ち会う。
遺言状の内容に一族大混乱。さらに新当主に就いた長男・時麿が惨殺される。
そこに失踪した妻を捜しに来た謎の男(鬼太郎父・作中でゲゲ郎と呼ばれる)が
現れて・・・という筋立て。
  1. 製薬会社の当主の遺言状を大広間で公開=「犬神家の一族」
  2. 屋敷と村の風景&地下に鍾乳洞のからくり=「八つ墓村」
  3. 旧家の淀んだ血脈=「悪魔が来りて笛を吹く」
一連の横溝正史作品へのリスペクトにあふれる設定にまず満足。
大野雄二作曲「愛のバラード」が流れても受け入れたかもwww
この映画ではその設定下で、龍賀一族含む哭倉村の人々が
とことん醜悪な存在として描かれる。水木を慕う時貞の孫娘の沙代も
あまりに際立った清楚さに「実は彼女が最も深い闇を抱えているのでは」
と邪推したら案の定だったし。ワタシの中で「滅びてほしい村」1位は
長くドラクエ7のレブレサックだったが、この哭倉村は余裕で上回った。
まあ、その望みは終盤にかなったが・・・

そんな映画の中で、妻との再会と子孫が生きる未来を信じて戦い続ける
鬼太郎父はささやかな救い。妖怪たちも癒やしの存在だった。
つるべ火ってタバコに火を着けられるんだ・・・熱くないと思っていた
南方の戦場のPTSDに苦しみながらも、鬼太郎父と「友」になっていく
水木もまたささやかな救いになっていた。

なおエンドロールでは、鬼太郎原作に沿った絵柄で、
ミイラ男の風体になった鬼太郎父と水木の再会や
鬼太郎と水木の出会いが流れるが、これは「墓場鬼太郎」第1話ではなく
鬼太郎6期の第1話につながる、と個人的に解釈している。
「墓場」第1話の鬼太郎父子の水木親子への仕打ちは酷いからなあ・・・
  • ゴジラ-1.0
こちらの主人公は「機体故障を装って特攻を回避した帰還兵」
乱暴に言えばヘタレ。でも悪運が強い
そしてヒロインは「主人公に無理やりパラサイトするしたたかな女」
良く言えば芯が強い。そして悪運が強い あんな目に遭って生きているとは・・・

まあ、「生きて、抗え。」のうたい文句通りに、
特攻礼賛を否定した物語には好感を持った。
一歩間違えると、ゴジラを道連れに海の藻屑と消えた
第1作の芹沢博士を全否定することにもなりかねないが。
あれはオキシジェン・デストロイヤーの存在や製法を封印する意味もあったので

幻の局地戦闘機「震電」の登場とか、熱線を吐くゴジラが尾の先から
青く光る「カウントダウン」のギミックとか、かっこよいシーンも多かった。
ただ、シン・ゴジラの「無人在来線爆弾」ほどのカタルシスはなかったかなあ。

なお、この映画のゴジラは「人間への直接攻撃をいとわない」という点で
過去のゴジラとは大きく異なる。具体的には、踏みつける、尾ではね飛ばす、
そしてくわえて投げ捨てる ジュラシック・パークでは見慣れたシーンだが、
それをやってのけるゴジラにショックを受けたファンも多かったのでは。

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