ウマさんの気ままな行動日記(その2)

ウォーキング、ハイキング、釣り、ドライブ、100名城巡りなどをレポートします。

スリル満点過ぎ! 湯沢峡ハイキング下見

2012年10月21日 | ウマさんの「健康ウォーキングの会」
2012年10月21日(日)


「健康ウォーキング同好会」の例会として、11月3日に予定されている、
今年度第24回「湯沢峡ハイキング」の現地下見に出かけた。
昨年会員から貰った大子町お奨めハイキングのパンフレットから選んだものだったが、
最近になって”健脚レベル”に指定されていることに気が付いた。
一昨年・昨年と実施した「月居山・袋田ハイキング」が”初心者レベル”ということなので、
”一般レベル”のさらに上のレベルとはどういう程度のものなのか? 一度下見をした方が良いだろう、
ということで、この日の下見になった次第である。

11月3日のスケジュールに合せ、週末の同じ列車に乗ることにした。
荒川沖6時8分の電車に乗り、水戸駅には7時7分頃到着。
水戸駅の6番ホームには7時27分発、郡山行きの列車が止っていた。


4両編成の車内はガラガラというより、我々だけである。
列車を間違ったかと思ったほどである。
それでも出発時には半分ほど座席が埋まる乗客が乗り合せてきた。


ハイキングコースの出発地、西金駅には8時34分に到着。
西金駅に降りたのは我々の他に数人だけであった。
あまり人気がないようであるが、未だ紅葉の時期には少し早すぎるからだろう。


駅前の奥久慈湯沢峡谷のハイキングコース図でルートを確認する。
この日のコースもしっかりと紹介されている。


体調を整え、8時45分、元気良く出発!


国道118号の信号を渡ると・・・


道路の左わきに”茨城百選 奥久慈渓谷”の碑が建っていた。
どんなコースが待ち構えているのだろうか、期待と不安が入り混じる。


この日の予想最高気温は24度。
まだ9時前のためか、幾分空気はひんやりとして清々しい。


県道322号は生活道路のため、意外に車が通るので、気を付けたい。


17分ほどで、分岐点の湯沢温泉に到着。
ここを右に曲がる。日帰り温泉「三太の湯」へ通じる道でもある。


のどかな道をのんびりと進む。


途中で道は二手に分かれている。道標に従って左に進む。
「三太の湯」は右になる。


一段とのどかな道になり、車は殆ど通らなくなった。
こういう風景は見るだけでも心が癒される感じだ。
自分が育った田舎(大分)の風景と重なるところがある。


小さな祠にお地蔵様が祀られていた。
どこか懐かしさを覚える。


地図を確認しながら進む。
『もうすぐ分岐する筈なんだけどなぁ・・・』


目当ての分岐点に到着した。
不動滝・つつじヶ丘・本覚寺・湯沢峡ハイキングコースは右になっている。


西金駅を出発して約50分、ここらで一休みしていこう。
この日は気温がやや高めの予報、かなり汗をかいてきた。
『思ったより暑いねぇ』
『朝冷え込んでたから、厚着して来ちゃった』


分岐点からしばらく進むと、右側に本覚寺へ通じる階段があった。
しかし、あまり人が通った形跡は見られない。草ぼうぼうである。
本覚寺には帰りに寄ることにして、そのまま真直ぐ進む。


”湯沢峡・篭岩・不動滝は直進”、”つつじヶ丘は右”の道標が。
つつじヶ丘から戻るため、ここは真直ぐに進む。


谷合いの田んぼの先に篭岩山と思しき山が見える。
両側を山に挟まれて田んぼが奥へ続く、ちょっとした絵になる構図である。


杉の大木の傍らに石灯籠があり、「沼野山八大竜王大権現」と書かれていた。
どのような云われがあるのかは知る由もない。


しばらくは舗装された平坦な道を進む。


10時ちょうど、奥久慈林道に突き当った。ここまで1時間15分だ。
林道の先は民家が1軒だけ建っていた。
ここが篭岩への登り口の筈なのだが・・・


湯沢川の袂の道標を見ると、左が不動滝・篭岩・竜神峡と記されている。
間違いなく篭岩への登り口である。


よく見ると、民家の庭の右端に湯沢川に沿って細い路があった。
これがハイキングコースのようだ。
道は草が茂っている。朝露で濡れている感じだ。


皆さん、早速スパッツを付けて準備万端である。


細い路を進むと、次第に大きな岩が現れて来だした。


湯沢川に架かる林道の橋からは7分ほどで、「不動滝」に到着した。


不動滝の瀧壺


滝の正面に鳥居が建てられている。


滝の右側の一段高いところに不動明王の像が。
不動滝と云われる由縁なのであろう。


高さ10m余り、滝の水量はさほど多くない、というより少ない。
最近雨が降っていないからなのだろうか?


不動滝に向って左側の大きな岩の間が登山路になっている。


岩を過ぎると次は急斜面の岩壁が立ちはだかっている。
斜面に沿って鎖が付いているが、ところどころ留め金が外れていたりする。
岩は濡れて苔が生えているところもある。滑り易く危険だ。


スリルが味わえる、なんて呑気なことは言ってられない。
足を滑らせると、大けが間違いなしである。


滝から7分ほどで、滝の真上に出た。
眼下にちらりと鳥居が見えるが、これ以上先は危険を感じたため覗き込むことは出来なかった。


滝の真上辺りから上流は大きな岩ばかりの沢になる。


『いやぁ こりゃぁ大変だわ』
本格的な沢登りコースといった感じだ。


先頭が立ち止った。
正面に腰ぐらいまでの水たまりがあり、左右どちらに進むか迷っているところだと言う。


左側に鎖があるのを見ると、こちらを進むしかないようだが、留め金が一か所外れてしまっている。
鎖に掴まらなければ進めないのではないか?
『ここを行くしかねえなっ』
Oさんが先陣を切って無事渡りきった。


続いてT子さんがゆっくりとだがしっかりと後に続く。
足を滑らせたりすると、全身水の中である。
スリルがあり過ぎる。


次々に大きな岩が現れる。
『これって、ハイキングコースじゃないよねっ』
登山コースと云った方が正しいだろう。
2度も岩で滑って膝を擦りむいてしまった。


岩の次は倒木が横たわっている。
これがまた一苦労。
『どっこいしょっと』


朽ちかけた道標があることからすると、道は合っている。
鎖の留め金が抜けているのがあちこちに見られたが、補修しておいて欲しいものだ。
掴まった鎖の留め金が抜けたりしたら事故に繋がる。
ハイキングコースとして紹介しているのだから、もう少しこまめに整備しておいて欲しい。


岩場を過ぎると、急登の坂道になった。


先日登った「関東ふれあいの道」(鍾乳洞と滝のみち)よりも急坂である。
鎖がないと登るのは困難だ。


この付近では留め金が外れた鎖よりも、木の根っこの方が頼りになる。


やっとのことで急登の坂道を登ったところ、目の前に崖が。
鎖とワイヤーロープぶら下がっているだけだ。他に路は見当たらない。
崖崩れが起きて、とりあえず鎖だけ付けた、という感じである。
『え~っ、ここを登るしかないの?』
先頭のOさん、しばらく思案中。
『ここで引き返すのは難しいし、行くっきゃないねっ』


鎖とワイヤーロープを伝って登り始めたOさん。
『こりゃ例会じゃ無理だね』 これで下見の結論は決まりである。
『気をつけて下さいねっ』 『頑張って!!』


一人づつ時間をかけて登る。
『こんな厳しいコースだったかなぁ』
5年ほど前に登ったことがあると言うMさんも首を傾げるばかりである。


11時20分、篭岩手前の洞窟に到着した。
『何とか登ってこれたねぇ』


ここで、一休みだ。
『このカステラ、とても美味しいわっ』
空きっ腹には有難い差し入れである。


5分間の休憩を取り、洞窟の先の篭岩を目指した。


海底火山が隆起して出来たと云われる集塊岩の岸壁には、風化によって篭の目のような穴がたくさん出来ている。
篭岩と呼ばれる由縁だ。


洞窟から10分で、本来の”篭岩”に到着した。
岩窟には石仏が並んでいた。


一番奥には大日如来と思しき像が安置されていた。
無事登れたことに感謝を込めて、合掌!


この岩窟の上に登る階段は立入禁止となっていた。垂直に近い角度の長い階段である。
ここを登るのにはかなりの勇気がいることだろう。
禁止の札がなくても登るのはちょっと敬遠したい階段である。


岩窟から篭岩を見上げたところ。
登ってみたい気はするが・・・


止めておいた方が無難だ。


道はここで行き止まりになっているので、いったん登山路へ降りて先へ進むと・・・
突然目の前に鉄製の展望台が現れた。


Mさんによると、紅葉の時期は県内でも最高のビューポイントとのこと。


『いやぁ、素晴らしい眺めだねぇ』
今までの苦労もどこか吹き飛んだ感じだ。
紅葉していれば最高なのだが、もうしばらくかかりそうだ。


揃って記念撮影をしよう。


『絶景を眺めながら弁当にしよう』
ということで、展望台のベンチで弁当を広げた。
(いつもは昼食場面を撮るところだが、この日は弁当に気を取られて写真は撮っていない)

12時12分、つつじヶ丘を目指して下山開始。
展望台のすぐ近くの東屋が篭岩山(501m)への分岐点になっている。
篭岩山はこの日の目的地ではないため、つつじヶ丘を目指すことにした。


つつじヶ丘への道は、全く険しくない、緩い下り坂である。
篭岩への登山道とは比べものにならない。


小さな尾根を越えると、突然墓地が現れた。
『こんな山頂近くに墓地があるんだぁ』


意外に思いながら少し進むと、なんと舗装された道路に出た。
車が楽に通れる道路である。
『篭岩までの登山ルートはなんだったんだろうね』
なんだか拍子抜けしてしまった。


のどかな山あいの谷津田風景が広がる。
これまでの登山からは想像できない景色である。


舗装道の途中に西金駅・つつじヶ丘への道標があった。
左の細い畦道のような路がハイキングコースである。


民家の庭に向っているようだが・・・


道標は民家の前の小さな路を指していた。
『こりゃぁ 道標がないと迷っちゃうねっ』


しばらく熊笹が生い茂る山の中を進む。


雑木林や


杉の林が続く。


上りほど急坂ではないが次第につま先が痛くなってきた。


礫岩が敷き詰められたような道のため、足を踏むたびに小石が動く。
捻挫したりするので注意が必要だ。


下り始めて約40分、急な階段状の下に道路が見えてきた。


コンクリートで固められた崖の回りを奥久慈林道が走っていた。
左側の白い手摺りが今降りてきた路である。
左側の道路を下ると不動滝への登山口になる。


奥久慈林道を横断してつつじヶ丘へ向かう。


つつじヶ丘へ向かう途中、男体山周辺の山並みが見渡せる。
なかなかの絶景である。


つつじヶ丘駐車場から見た男体山(一番左側)


駐車場から少し上ったところにつつじヶ丘の展望台があった。
奥久慈の山々が一望できる。
つつじヶ丘の名のとおり、回りはたくさんのつつじの木に囲まれていた。


正面が男体山(654m)だ。


男体山の右側に岩でできた山、何という山なのだろう?


さらにその右側は篭岩山(501m)か?
紅葉に彩られたところを見たいものである。


動画で見るとこのような感じ。


つつじヶ丘を下っていくと、本覚寺の別院らしき建物が見えてきた。
門は堅く閉じられており、寺の回りは雑草が生い茂っていた。


さらに下ると、本覚寺の本堂らしき建物の屋根が見えた。
かなり大きな構えである。


本堂の向いの建物は、完全に草に覆われてしまっている。
まるで廃寺のようだ。


本覚寺からは、全く人の気配は感じられなかった。
廃寺になっているのか、放置されたままの状態である。
昨年の東日本大震災の影響もあるだろうが、それにしては何か変だ。
詳しいことは分からないが、以下のようなことがWebを検索して分かった。

本覚寺は、和歌山県の宗教法人明覚寺グループによる「霊視商法」で、解散命令を受けている。
元々は真言宗醍醐派の寺院だった明覚寺を中心としたグループで、「霊視鑑定」と称して鑑定後に
「水子の霊が憑いている」とか「このままでは不幸になってしまう」などと脅して高額の供養料や
仏像を販売したりする霊視商法を行っていた。1991年から被害が急増し社会問題に。
その後、グループの幹部や系列寺院の僧侶などが逮捕され、宗教法人明覚寺に解散命令が出された。
犯罪を理由にした宗教法人の解散命令としては、オウム真理教に次ぐ2番目の出来事だそうである。


入湯沢付近
実にのどかな風景である。


14時6分、湯沢温泉を通過。


前方に国道118号線が見えてきた。
西金駅は間もなくだ。


14時25分、西金駅に到着。約2時間10分下りに要したことになる。
14時5分の列車は出た後だった。
次の列車は15時52分、まだ1時間半以上も待たなければならない。


駅前には店のようなものは何も見当たらない。


駅から少し離れていたが、国道118号を袋田方面へ350mほど行ったところにコンビニがあった。
冷えたビールとつまみを買って駅に戻り、『かんぱ~いっ』『お疲れさまぁ』
乾いた喉に実に美味いビールであった。
駅舎の中でしばし談笑して時間を過ごす。


ビールの匂いに誘われてか、駅舎には蚊が出てきたので、堪らずホームで列車を待つことに。


こちらは水戸方面


15時56分、4分ほど遅れて水戸行きの列車が入ってきた。
この日は大子町の秋祭である。
帰りの観光客で列車が混んでいることも予想されたが、何とか座ることが出来て一安心。
水戸まで約1時間、しばらくの談笑の後眠気に襲われ、ぐっすりと眠ってしまった。


水戸には17時5分前に到着。
常磐線に乗り換え、荒川沖に着いたのは18時12分、既に辺りは真っ暗になっていた。
西金をもう一つ前の列車に乗るように努めるべき、と思った。

ところで、下見の結論であるが、文中でも触れたように、鎖を使っての沢登りは危険過ぎる。
当会の例会には少々無理があると判断せざるを得ない。
不動滝を見た後いったん引き返し、奥久慈林道をつつじヶ丘経由で登るのも一案かもしれない。
次の例会(10月26日)までに代替案を出すことにしたい。


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