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焼きソバナポリタン


 これは、ご覧のようにナポリタンである。ところがナポリタンはナポリタンだがスパゲッティではない。
 ナポリタンのようでナポリタンでない。スパゲッティのようでスパゲッティでない。べんべん。それは何かとたずねたら、べんべん、あ、焼きソバナポリタン焼きソバナポリタン。
 ようするにスパゲッティナポリタンの麺をスパゲッティから焼きソバ麺に替えたもの。調味料、他の材料は同じ。
 この焼きソバナポリタンがいいところは麺をゆでなくてもいいところ。ナポリタンって、なんか、やもたてもたまらず、とつぜん食べたくなるときがある。この料理なら麺をゆでなくてもいいから、すぐ食べられる。
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巨人にAクラスチームの力を見せられる

これが、首位をうかがおかというチームと、5位のチームの差か。青柳、大竹、両先発との被安打3と同じ。でも、青柳は四球が多かった。
 青柳、三振もようとるけど四球も多い。だいたいが、こういうアバウトなピッチャーの相方を新人のキャッチャーにさせたんがあかんのんとちゃうかしら。
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とつぜん上方落語 第3回 軒づけ

 
 上方落語には浄瑠璃の噺がようある。浄瑠璃、こんなんゆうても知らん人が多いやろ。歌舞伎や文楽のファンならともかく、この21世紀の日本で好んで浄瑠璃を聞く人は少ないのちゃうやろか。ましてや、好きで浄瑠璃を語る素人さんなんておるやろか。ワシは上方落語ファンやから、噺によう出てくるから浄瑠璃ってしっとうけど、なんてエラそうなことゆうてるけど、ナマの浄瑠璃は聞いたことはない。ワシがしっとうのは高座で噺家さんがやるネタとしての浄瑠璃や。
 この「軒づけ」も浄瑠璃の噺や。素人の浄瑠璃好きが集まってる。浄瑠璃上達のいちばんの方法が軒づけちゅうこった。軒づけ。路上で浄瑠璃を語るんや。家々を回って、外の玄関口に立ち、そこから、オガオガオガオガと語る。えらい迷惑な話や。ま、たいてい「お通り」といわれて追っ払われてしまう。
 考えてもみてみいや。風呂上りでメシ食ってビール飲んで、ええ調子で阪神の試合みとる。2対1で負けとって、ツーアウト満塁バッター福留フルカウント。ピッチャーふりかぶった、つうとこで、とつぜん外で、テンツテンテン、トテチントテチン、チリトテチンチリトテチン、オガオガオガ、ウワッファ、ウォッフォ、なんて怒鳴りはじめたら、そらだれだって怒りまっせ。
 これが、うんとうまい浄瑠璃やったら、感激して、ま、お上がり、ちゅうて家に上げてもらって、鰻のお茶漬けをごっそうしてもらえるちゅうすんぽうや。鰻のお茶漬け、うまいでっせ。高いけど奮発して国産の鰻買って、ワシもお茶漬けにして食うたで。来年はナマズの茶漬けにしたろかとおもうておる。
 これ日本やから浄瑠璃やけど、イタリアやったらオペラやな。オペラの軒づけや。浄瑠璃やったら三味線の紙くず屋のてんさん一人連れて行ったらええけど、オペラやったらフルオーケストラ連れてあるかなあきまへん。
 サッカーでも見とったら、とつぜん、おもてでジャジャーンとオーケストラが鳴り出し、おおおおおおおおおお、とオペラをうなりだす。こっちの方が迷惑やな。けど、うまいオペラやったら、茶漬けやのうて鰻のリゾットごっそうしてくれるんかな。
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セミの鳴く夏

 電話が鳴った。妻からだ。涼しいうちに買物をすませるといって、朝7時から開いてるスーパーへ行った。
「あなた、迎えに来て」
 ひどくしんどそうな声。しゃべるのがやっとという感じだ。
「どうした」
「なんだか判らないの。急に首筋が痛くなって」
「どこだ。すぐ行く」
「栄公園の横のコンビニいるわ」
 急いで車で駆けつけると、妻はコンビニの事務所で横たわっていた。買物をすませて公園を横切っている時、首筋に針を刺されたような感じがした。暴漢に襲われたかと、後ろを振り向くとだれもいない。公園の木々からジャージャーというセミの声が激しく聞こえるばかりだった。
「でね、首を手でさわると血がついてるの」
 急に身体の力が抜け、はうようにしてこのコンビニまでたどりついて、店長に頼んで事務室で横にさせてもらったというわけだ。
「いやあ、びっくりしましたよ。奥さん、真っ青な顔で首のまわり血だらけで」
「どうもお世話になりました」
「いえ。救急車呼びましょうか」
「いや、とりあえずかかりつけの医者に連れて行きます」
 店長の手も借りて、妻を車に乗せた。医院は幸い先客はおらず、すぐ先生に診てもらえた。
「貧血です。それに首すじに浅い刺し傷が数ヶ所あります」
「貧血?どういうことです」
「判りません。何者かに首から血を吸われたようです」
「ええ、まさか吸血鬼?」
「さあ、私も長年医者やってますが、こんな症例はじめてです。とりあえず造血剤を出しておきますので、安静にしておいてください」
「はい。ありがとうございます」
「おだいじに。あ、それから造血剤を飲むと便が黒くなります」


「警部補、これで5件目です」
「で、変質者のリストはできたか」
「どうも変質者のしわざではないようです。見てください。3件目、4件目はまったく同時刻です。1件目と5件目はかなり距離があります」
「だったらなんだ。ほんとに吸血鬼か」
 電話が鳴った。
「はい。こちら警察。はい。判りました」
「6件目です。被害者は35歳女性現場は2丁目の栄公園。貧血を起こしてます」
「6件の事件。なんか共通点はないのか」
「6ヶ所の現場、いずれも樹木の多いところです。被害者は襲われる前にセミがたくさん飛んでいるのを見てます」
「セミのかっこした吸血鬼か」

 先生にもらった造血剤で貧血は治ったが。急に発熱。40度近くある。針で刺された痕が化膿した。また、刺し傷のところばかりではなく、何かが体内にはいったらしく肝臓が肥大している。急激に肝臓全体が炎症を起こしている。
 入院している妻を見舞った。主治医の話。肝臓が壊死を起こしている。もう手の施しようがない。あと1週間もてばいい。
 栄公園の横で車を止めた。コンビニでアイスクリームを買う。顔なじみになった店長が聞く。
「どうです。奥さん」
 首を横に振ることしかできない。
 公園のベンチに座ってアイスクリームを食べる。ジャージャーと激しくセミが鳴いている。横の木にとまっているセミを見る。手のひらを広げたぐらいの大きさのセミだ。セミってこんな大きな虫だったのか。
 病気とは縁のない妻であった。健康保険料取られ損ね、と、いつもいっていた。そんな妻が余命1週間。すべてはこの公園で何者かに首筋を刺されてからだ。あれから警察からはなにもいってこない。彼らは人間の犯行とは考えてないのだろう。
 手のひら大のセミが飛んだ。顔が塗れた。セミのおしっこだ。でかいせみだから、おしっこの量も多い。顔がびちゃびちゃになった。そのセミがこちらに向かって飛んでくる。手のひら大のセミがこちらに飛んでくるのだ。恐怖。大あわてで逃げる。追いつかれた。首筋に激痛が走った。

「7時のニュースです。K市H区内で、この夏頻発している、いわゆる『K吸血鬼』事件ですが、犯人が判りました。外国のセミと日本のクマゼミが交配してできた新種のセミが犯人です。では、昆虫学が専門のO大学飯田教授にお話をうかがいます」
「セミは普通、樹木の汁を吸うのですが、この新種のセミは動物の血液を吸うのです。それに吸血のさい、セミ自身が持っている不明の成分が吸血された動物の体内に入り肝臓を破壊することが判りました」
「どうしたらいいんですか」
「セミに刺されないようにしてください」

 8月7日午前9時。太陽がようしゃなく照りつける。夏休みの日曜の午前中だ。いつの夏ならば、夜、この栄公園で行われる盆踊りの準備をする人がいるはずだが、いまはだれもいない。木漏れ日の下にはひからびた犬の死体があるだけ。
 よこのコンビニは閉店のお知らせの張り紙。近くの朝7時から開いてるスーパーも閉店した。スーパーの前には私鉄の駅があるのだが。電車が止まらなくなって久しい。と、いうより電車が走ってない。線路はうすく錆が浮いてきている。
 だれもいない街で、ジャージャーとセミの鳴き声ばかり聞こえる。
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アステロイド・ツリーの彼方へ


大森望・日下三蔵 編       東京創元社

 毎年吉例、この年刊日本SF傑作選も9冊目となった。20編の作品が収録されている。短編集としては、かなりの大量の作品が収録されているわけ。当然、ページ数も増え、今回は610ページ。今までいちばん分厚くなったのではないか。
 で、満腹したのかと問われれば、まったく満腹しなかった。このシリーズ、年々SFっ気が少なくなっている。編者の大森は「SFの多様性が実感できるはずだ」といっとるが、あれもSFこれもSFとSFの定義を拡大解釈すれば、この本のような水ぶくれアンソロジーができるのだ。
 あれもコーヒーこれもコーヒーといって、コーヒーゼリーやコーヒーキャンディー、コーヒーぜんざい、コーヒーフロートなどといったコーヒー味のモノばかり集めて、これが年刊コーヒー傑作選だといってるくせに、肝心のレギュラーコーヒーが選ばれていない。そういう感じなのだ。
 20編もあるが、小生が読んでSFを感じたのは表題作の上田早夕里の「アステロイド・ツリーの彼方へ」だけ。
 これが、本当に昨年度の日本SFの頂上ならば、大森、日下両名が豊作と喜んでいるのは、まったく検討違いというべきだろう。それともこのお二人が知らない傑作がどっかに埋もれているのか。小生はそう思う。大森望氏、日下三蔵氏、それに東京創元社編集部の小浜徹也氏。お三方の、よりいっそうのがんばりに期待する。
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ちょっとぐらい先取点取っても安心できんわい

1985年の阪神タイガースは安心して観れた。2点や3点取られても、すぐひっくりかえしてくれる。今年の広島相手やったら、それとはまったく逆やな。
 いちおう、2点先取点とったけど、こりゃあ2点ぐらいやったらあかんな、と思うとったら、あんのじょう、同点、あっという間に逆転、あれよあれよという間に大差をつけられて結局7対2のぼろ負け。きょうは休みや思うとったアライ兄が代打で出てきてホームラン打ちよるし。でも、まあ、3連敗はないんやから良しとするか。
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弱きをくじき強きを助ける

新井のお兄ちゃんにきっちり恩返しされてもた。中日あいてにゃ強いけど、広島あいてにゃ弱いな。弱きをくじき強きを助ける。それでええんちゃうん。上位の広島巨人DeNAにゃ負けてもええやん。そのかわりヤクルト中日にはこのあと全勝や。
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超大型連休も終わった

夏休みも終わって、きょうから仕事や。けんどまだ休みのところが多いらしく、通勤電車はガラガラやった。
 14日15日の二日間の夏休みであった。2連休という超大型連休であった。会社への行き方をおぼえておるか心配であったが、長年の習慣とはえらいもんで、今朝はちゃんと会社へたどり着けた。サラリーマンはハトやイヌ並みの帰巣本能を持っているのだ。会社が巣だとするのならな。
 二日間もの休み。ものすごく久しぶりである。どう有意義に過ごしてやろうぞと考えてはいた。
 14日。家から一歩も外へ出ず、一日中こもっていた。霧が峰くんの下で、ずっと昼寝をしていたのである。この日は日曜日であるから、週末料理人たる小生が三食作るはず。朝食と昼食は作った。夕食は鶏の唐揚げをする予定であった。中華料理である。ウチの台所は霧が峰くんのご威光がおよばない。暑いのである。そんな暑い台所でこんなもん調理する気にならず、かといって、それに代わるメニューを考えるのもめんどう。出前のピザを取った。久しぶりだ。たまにはああいうピザもいいか。小生のピッツァには負けるけどね。
 15日は朝から外出。「シン・ゴジラ」を観にいった。三宮のOSシネマズミント神戸の9時40分の回を観た。映画はたいへんな傑作であった。大満足である。ところで映画館で本編の映画が始まる前にやるCM。あれは止めるべき。雑誌の広告のページなら飛ばして読める。DVDなら早送りできる。ところが映画館のCMは飛ばしも早送りもできない。イヤでも観なくてはいけない。無料で映画をみせてもらっているのならCMもしかたがない。金はらって映画を観に来てるんだぞ。なんで観たくもないCMを観なければいかん。どうしてもCMを入れたければ本編が終わってからにすべし。なんとしてもCMを見せたいのなら、金払っても観たいようなクオリティの高いCMを放映すべし。
 話はがらっと変わるが、小生、医者から禁酒をいいわたされていてアルコールを飲めない。でも、夏にビールを飲めないのはいささかつらい。そこでノンアルコールビールを飲んでおる。各社いろいろ出ておるが、ひととおり試してみた。結果、サントリーのオールフリーがいちばんビールを飲んでる気分になる。これ飲むと、身体が妙な反応をする。「おや、ビールだな」「酔わなあかんな」「おかしいないっこも酔わんな」という反応だ。
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シン・ゴジラ


監督 庵野秀明、樋口真嗣
出演 長谷川博巳、竹野内豊、石原さとみ、大杉漣、柄本明、余貴美子

 そうだ、これだ、こんなゴジラ映画が観たかったのだ。小生が今まで観てきたゴジラ映画の最高傑作といっていい。(第1作かこれか迷うところだが)やっぱりゴジラは日本の東宝産に限る。
 小生は今までハリウッド産ゴジラ映画を2本観た。1998年ローランド・エメリッヒのゴジラ。あれはただのでかい爬虫類だ。そして2年前ギャレス・エドワーズの「GODZLLIA」を観た。ものすごく不満であった。小生はこんなことをいっている。それからわずか2年後に本家本元東宝産ゴジラを観られるとは思わなんだ。長生きはするもんじゃて。ゴホゴホ。
 だいたいが一神教が基本の西欧人に本物のゴジラ映画はムリなのだ。神はひとつ、それ以外のモノは人類が制御制圧できると思っている西欧人にゴジラはできん。「ヒックとドラゴン」はできてもゴジラはできんのだ。八百万の神の国で森羅万象あらゆるものに神が宿る国日本でこそ「荒ぶる神ゴジラ」の映画ができるのだ。そう映画の中で登場人物が何度も口にしていたが、ゴジラは「荒ぶる神」なのだ。台風や地震といった自然災害と同じく人智を超えた自然現象なのである。
 この映画はゴジラを徹底的に自然災害として描いていた。速報を伝えるテレビの画面も東日本大震災の時の津波をゴジラに代入した画面なのだ。地震や台風にキャラはない。だからこの映画もゴジラに徹底的にキャラクターを付与しなかった。映画の前半まで「巨大不明生物」と呼ばれ名前さえつけられてなかった。後半になってやっと「ゴジラ」と命名されたのだ。
 映画の構造はシンプルである。自然災害ゴジラに対応する官僚政治家関係各機関の動き。それだけである。だから、この映画の画面に映るモノはゴジラとその被災地。自衛隊、首相官邸、霞が関、対策本部だけ。
 映画や小説の登場人物は球である。この映画の主人公(というか主になって動く人物)は内閣官房副長官の矢口である。矢口にも妻子や両親もいるだろう。官房副長官以外の顔も持っているだろう。この矢口を球として描いていない。内閣官房副長官としての矢口すらまともに描かず、巨大不明生物特設災害対策本部副本部長としての面だけを描いている。矢口を球としてでなく、半球として描いている。これは他の登場人物も同じ。非常に潔い。だからゴジラに妻を殺された男の執念とかいう、余計な愁嘆場が一切ない。
 ゴジラが初上陸初めて全身があらわになって、ちょっとがっかりするかもしれないがご心配無用。あとでちゃんとゴジラになるから。石原さとみがうっとうしいが、この映画傑作である。強くお勧め。エンドロールで伊福部昭の音楽が聴けたのも大満足。
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越前おろしそば


おろしそばでございます。そばの上に大根おろしをのっけていただくのです。越前は福井県の郷土料理なのです。そばはもともと救荒食物。大根も質素な食べ物でございます。
 江戸時代、この地の領主が、飢饉のさいの非常食としてそばの栽培を領民に命じ、おろした大根と出汁をそばにかける食べ方が推奨されだのがはじまりとされております。
 まず、大根をおろしましょう。普通の大根でもいいですが、私は辛味大根をつかいました。あと、ネギを刻んでおきます。青ネギではなく長ネギです。そして忘れてならないのがつゆの用意でございます。ぶっかけにします。ですから、ざるそばのつけつゆでは濃いすぎます。出汁で薄めます。この出汁は出汁パックや出汁の素ではなく、ちゃんと昆布と鰹節で出汁をとりましょう。確かに出汁パックや出汁の素はいちおう味は出ますが、香りがでません。和風のめん料理は出汁がなにより大切ですから、ここは手抜きせずちゃんと本式に出汁をとりましょう。
 さて、そばをゆで、ゆであがったら水洗いして、鉢にもります。つゆをはり、大根おろし、ネギをのっけます。かつおぶしもそえましょう。
 おいしいです。ほんというとそばは夏は一番まずい時期です。新そばは晩秋に収穫されるのです。ですから11月ごろに食べるそばが一番おいしいのです。私は11月の声を聞くと新そばを食べに出かけます。昔は愛車ホンダ・インテグラを駆って、出石まで出かけておりました。今はマイカーを持ってません。もっぱら阪急御影駅近くの「ふくあかり」という店を行っております。
 とはいいつつも晩秋以外にも自宅でそばを食べたいです。そのため乾めんを常備してます。いろいろ試しましたが、三輪そうめんの「京そば」が一番私の口にあいます。
 そういうことですが、このそばは暑い夏に食べるにはぴったりでございます。鉢もつゆも大根おろしも十分に冷やしていただきましょう。辛味大根の爽快な辛さが、たいへんに心地よいです。
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ずんだもち


 ずんだもちである。東北を代表するデザートだ。少し前の「真田丸」で、伊達政宗がみずからつくって豊臣秀吉にごちそうしてた。
 まず、枝豆をゆでる。ビールのアテにするときより、長くゆでて軟らかめにゆでよう。ゆであがったらさまして、豆の皮をむく。すこしめんどうだが、薄皮もきれいに取ろう。
 で、次はすり鉢でゴリゴリする。ていねいにきれいに細かく、豆がなめらかになるまでゴリゴリ。砂糖を加えて甘みをつける。
 つぎにもち。もちといってるが、これはもちではない。白玉でつくった団子である。白玉粉に水を加えて耳たぶぐらいのかたさに練る。これを丸めて熱湯でゆでる。そのうち団子が浮き上がってくる。それから1分ほどゆでて鍋からあげる。ゆであがった団子は氷水に入れて急冷。あとは皿に団子を盛って、枝豆のあんをかければできあがり。冷やして食べるとおいしい。白玉団子がかたくなるので、本日中におめしあがりください。
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とつぜん対談 第91回 幽霊との対談

 たしか、このあたりのはずです。このカーブを曲がったところ、ガードレールが1ヶ所だけ新しくなっている所があるでしょう。そこは交通事故があったところです。ガードレールを突き破って自動車が転落。ドライバーが死亡。そのドライバーが化けて出るそうです。

ひゅー。どろどろどろ。もやが、ぽっ、青火が、ぱっ。

幽霊
 うらめしや~。

雫石
 うわっ。出た。なんまいだぶ、なんまいだぶ。

幽霊
 ワシを呼んだのはあんたか。

雫石
 あ、そやった。ほんまに幽霊が出たんで、つい。

幽霊
 で、なんの用や。

雫石
 べつだん、これという用はありませんが、わたし、いろんな方と対談するのが仕事なもんで。

幽霊
 うらめしや。

雫石
 なにがそんなにうらめしいのですか。わたしはあなたにうらまれるようなことはしてませんが。

幽霊
 気にすんな。これはワシらのあいさつや。こんにちは、とか、こんばんわ、とかゆうのんと同じや。

雫石
 あなた幽霊でしょ。

幽霊
 そや。ようわかったな。

雫石
 まるでダイマル・ラケットの漫才のような出囃子。額の三角巾、ずだ袋、白い着物、足もとがぼやけてて見えない。これぞ幽霊というか、絵に描いたような幽霊ですね。

幽霊
 わしらは人間に怖がってもろてなんぼや。だから、いかにも幽霊というようなかっこで出るんや。子猫やパンダ、バンビみたいなかっこで出てもこわないやろ。

雫石
 そうですね。そしたらどんなかっこにもなれるんですか。

幽霊
 そや。ほんまは生前のかっこで出るんがいちばん楽やねんけど。

雫石
 そしたら、それでお願いします。

幽霊
 手たたいて合図してくれ。

雫石
 それじゃ、いくで、たーちゃん。ひいふうみっつ。

幽霊
 なんや狸賽かいな。ワシは狸とちゃうで。くるりんぱっ。

雫石
 うわ、なんや普通のおっさんや。足もあるし。

幽霊
 どや、いっこも怖くないやろ。幽霊でも足はあるで。円山応挙が足のない幽霊描いたさかい、足のない幽霊がはやったんや。

雫石
 あなたはここで死んだんですか。

幽霊
 そや。

雫石
 やっぱり死んだ場所で化けてでるんですな。それやったらちょっと判らんことがあるんですが。

幽霊
 なんや。

雫石
 わたしは神戸の人間です。21年前、阪神大震災にあいました。わたしの住いおる神戸市東灘区は震度7の激震でした。わたしの家のまわりでいっぱい人が死にました。でも、わたしの地区で幽霊がでたという話は聞いたことがありません。

幽霊
 天災だからやろ。うらみを残さず亡くなったからやろ。

雫石
 東日本大震災の被災地では幽霊が出るとかいううわさですが。

幽霊
 阪神の教訓を生かしきれなかったからじゃないんかな。

雫石
 あなたは、こうして化けて出てるから、なんかうらみを残してるんですね。

幽霊
 べつにうらみはないな。

雫石
 だったらなんで化けて出たんですか。

幽霊
 いや、なに、お盆やからな。

雫石 
 お盆やったら自分の家にもどるんやないですか。

幽霊
 そやねん。あそこに数奇屋づくりの家があるやろ。あそこがワシの家やねん。

雫石
 うわっ。大きな家ですね。

幽霊
 家は大きいけど、子供らの欲はもっと大きい。ワシの遺産をめぐってケンカしとるんや。

雫石
 それはたいへんですね。

幽霊
 まったく。頭痛いわ。

雫石
 あんた金持ちやから化けて出たんでしょ。

幽霊
 そやねん。

雫石 
 金持っとると、おちおち死ねまへんな。

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ガタガタの中日に楽勝

広島には弱いけど、さすがにいまの中日には強いな。シーズン途中で監督がいのなってやる気なさげな中日打線をメッセンジャーがええようにあしらった。それでも最後の方はちょっとイライラしたりして2点取られらけど、きょうは極めて短時間の試合で楽勝やな。
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阪神自滅。逆転負け

 広島にしたら、まさに棚からぼた餅な勝ちやな。ちゅうか阪神の自滅やな。先発藤浪、ヒット2本におさえて松山のホームランの1点だけにおさえとったんが、とつじょ7回にくずれる。藤浪自身のバンド処理のミスに、ゴメスのエラーが追い打ち、4点も取られて逆転負け。
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ミッドナイト・ジャーナル


  本城雅人 講談社

 新聞記者モノである。新聞記者モノといえば横山秀夫さんが第一人者だと思うが、この作品もなかなかの力作である。
 さいたま支局の関口、本社遊軍の藤瀬、整理部の松本。この3人は7年前、新聞記者として致命的なミスを犯す。7年前連続女児誘拐事件発生。3人の女の子が誘拐された。二人の女児は殺された。3人の記者は、あと一人の被害者女児遺体で発見と報じる。女児は生きていた。大誤報である。3人は左遷。飛ばされた。
 あれから7年。同じような連続女児誘拐事件が起こる。二人の女児は車に連れ込まれる寸前に逃げて助かるが、3人目は殺される。助かった子の証言。車の中にもう一人いた。犯人は複数?関口は7年前の事件でも犯人複数説をつかんでいた。7年前の実行犯は死刑執行すみ。あの時もう一人いたとしたら、今回の事件と関連はあるのか。女性記者藤瀬は女子高校生になっている7年前の生き残り被害者に取材におもむく。
 この作品では、犯人の描写はほとんどされない。だから、幼い女の子を誘拐して「暴行」して殺すといった、ロリコン凶悪無残な特異な犯人像で読ませる話ではない。貴志祐介の「悪の経典」は特異な犯人像で読ませるが、この作品の犯人はあくまで、遠くのほうにいて、新聞記者たちがいかにそこのたどり着くかが描かれる。極端にいえば、この作品で描かれているのは、新聞記者と、それの取材を受ける警察だけである。それも警察が主語になることなく、この小説を構成している文章の主語はすべて新聞記者である。真実を報道する。そのことを追求する新聞記者の物語である。
 ところで、なにかコトを成すにおいて、メンツほど邪魔なモノはない。新聞記者も警察も他のセクション、他の県警ともメンツのはりあいをせずに、虚心坦懐にコトにあたれば、もっと早くコトが成るはず。

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