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遠すぎた橋


監督 リチャード・アッテンボロー
出演 ロバート・レッドフォード、ショーン、コネリー、ジーン・ハックマン

 意志決定者がアホだと現場の人間がいかに苦労するかを描いた映画である。上がアホだと下が苦労するとは書きたくない。組織で仕事をしていて上も下もない。組織として動くために「長」と「員」に分類されるが「長」が上で「員」が下ではない。それぞれの立場でやるべきこと、やってはいけないことがあるだけで、「仕事」を行ううえにおいて上下はない。平等である。社長は社長の仕事、ヒラはヒラの仕事。どっちが上でどっちが下ではないと考える。
 第二次世界大戦。ヨーロッパ。ノルマンジー上陸を果たした連合軍は、オランダを解放し、勢いを駆ってそのままドイツ本国に殴りこみ、一気に戦争を終わらせようと「マーケット・ガーデン作戦」を立案し実行する。
 ドイツまでの主要な橋五つを、大量の空挺師団を動員。降下して橋を確保、陸上部隊を通そうという作戦。この作戦で大切なことはスピード。迅速に部隊を動かして敵を殲滅。ドイツ本国に突入すること。
 ところがドイツの戦車が橋の横に隠れている情報がもたらされた。ある将校がそのことを司令部に報告。作戦中止を申し入れた。ところがこの作戦は決定済み。中止はできないと断られる。その将校は左遷。
 作戦開始。敵の抵抗は頑強でさんざん苦戦する。部隊の到着の大幅な遅延。通信機の故障で現場と司令部が連絡不能。通信機用の部品が到着。違う部品で役に立たない。行き違い。くい違い。かん違い。間抜け。甘すぎる現場認識。希望的観測。その他いろいろ。もたもたしているうちに現場の兵士はどんどん戦死していく。
 アホは連合国側だけではない。橋を爆破しましょうと部下がいっているのに、ドイツが盛り返して反撃する時に必要だから、爆破するなという司令官。こやつは本気でドイツが反撃できると思っているのだろうか。
 意志決定者がアホだと現場が苦労する。これは小生が身を持って経験した。
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