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阪神 千船


 阪神電車の千船駅である。いまでは、とんと無縁の駅だが、昔は毎日のようにこの駅で乗り降りしていた。
 小生をリストラしたK電気には27年いた。リストラされる直前は機工課で板金の外注管理をしていたが、K電気在籍中のほとんどを資材部で過ごした。電子部品の購買仕入れが主な仕事で、工程管理生産管理の仕事をした。
 ところが、K電気に入社直後はプリント基板の仕事をしていた。プリント基板。テレビやパソコンの裏ブタを開けると、プラスチックの板にハンダの線が引いてあって、コンデンサーやトランジスター、ダイオード、ICなんか小さな電子部品がくっつけてある板があるだろう。あれがプリント基板である。
 設計が回路設計をする。その設計図をもとにアートワークというものを作る。これはいわば印刷の版下のようなモノで、特殊なフィルムにテープとシールで回路が描いてある。このアートワークは専門の人に外注していた。この仕事が小生の仕事。アートワークが出来上がると、設計にチェックしてもらう。手直しが出ることもある。これはアートワーク制作のミスではなく、ほとんどが、客先の回路変更指示ということ。設計の設計ミスもあるかと思うが、彼らの言によれば客先の変更指示だそうだ。ほんとかな。
 大きな手直しだと外注の人にやってもらうが、簡単なものならば、小生が手直ししていた。そのうち簡単なアートワークなら小生が作っていた。そのまま技術を磨いていくと、フリーのアートワーク職人として独立することもできたかもしれない。小生が外注に出していた人は1人でフリーでやっている人だった。
 で、アートワークが完成すると、それを元にプリント基板を製作しなければならない。そのプリント基板製作会社が、この駅の近くにあった。車で行くこともあったが、電車で行くことの方が多かった。
 この駅で降りて、完成したアートワークをかかえて、神崎川の橋を渡って、よくその基板屋へ通ったものだ。
 
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