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マダムと泥棒


監督 アレクサンダー・マッケンドリック
出演 ケイティ・ジョンソン、アレック・ギネス、ピーター・セラーズ

 ウィルバーフォース夫人は、ロンドンはキング・クロス駅が見えるお屋敷に住んでいる。夫とは死別。もう老婆といっていい年齢。大きなお屋敷に一人住まい。3羽のオウムを飼っている。空き部屋がもったいないからだれか借りてくれる人はいないだろうかと思っていたら、マーカス教授なる人物が2階の部屋を貸してくれと来る。なんでも音楽仲間と練習用の部屋にするとか。あとから仲間が4人、チェロやバイオリンをもってやって来る。
 マーカスたち5人はさっそく弦楽五重奏の練習を始めた。ものすごく上手い。夫人は感心する。うまいはず。2階から聞こえてくるのはレコードなのだ。彼らは音楽の練習などはやってない。彼らは強盗なのだ。
 まず、この老婦人ウィルバーフォースのキャラがいい。上流階級の人らしく上品でお人よし。しかし、おせっかいで、おしゃべり好き。ヒマができると地元の警察へ行ってムダ話し。署長がお相手をするが、正直、迷惑。でも善意の人ウィルバーフォース夫人をだれもじゃけんにはしない。果物をつまみ食いする馬を果物屋がいじめていると夫人は見た。馬がかわいそう。で、果物屋に文句をいって大騒ぎをおこす。
 マーカスたち強盗団も、犯罪者にしてはお人よし。犯罪が夫人にばれた。夫人の口をふさぐ必要がある。だれも夫人を殺したくない/殺せない。くじびきで決めるが、そいつは逃げる。
 秀逸なブラックユーモアの犯罪コメディである。か弱い老婦人と屈強な強盗団である。どう結末をつけるのか?う~む。こう決着するか。なるほど。このウィルバーフォース夫人、ぜんぜんか弱くない。
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