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るろうに剣心

監督 大友啓史
出演 佐藤健、武井咲、吉川晃司、蒼井優、江口洋介、香川照之

 面白かった。チャンバラ映画の醍醐味をたっぷりと味あわせてもらった。こんなにチャンバラで楽しませてもらったのは2010年版十三人の刺客以来である。
 幕末期「人斬り抜刀斎」としてさんざん人を切り殺してきた緋村剣心。明治となり人殺しが嫌になった剣心は「殺さずの誓い」をたて、斬れない刀「逆刃刀」を持って、行くあてのない流浪人として彷徨っていた。
 と、まあ、主人公はこんなヤツである。こいつが剣術家の父を亡くし、たった一人残った少年の門弟と二人で道場を守る娘と知り合う。そこに阿片を密造する悪者から逃げ出した若い女医も来る。剣心と女医は道場に居候。ニセ抜刀斎も現る。
 で、女医が悪者に拉致される。剣心は警察の牢屋で知り合った豪傑とたった二人で悪者の館に殴りこむ。
 少人数で多数の敵に殴りこむ。小生の大好きなパターンである。名作ワイルドバンチはたった4人で200人に挑む。また、高倉健の昭和残侠伝シリーズは高倉の花田秀次郎と池部良の風間重吉が男同士のあいあい傘で、肩を並べて長ドスぶら下げて殴りこむ。いいなあ。だからこの映画もいいなあと思いたい。確かに出来の悪い映画ではない。チャンバラアクション映画としては非常に良かった。主役の佐藤の殺陣も良かった。スターウォーズのへっぴり腰殺陣よりよっぽど良い。ところが不満な点がいくつかある。
 まず、断わっておくが小生は原作を読んでいない。だから原作の設定と異なることをいうが、ご容赦願いたい。
 主人公の緋村剣心が若い。がきんちょといってもいい。やっぱり殴り込みはおじさんでないと様にならない。ワイルドバンチ=ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン。昭和残侠伝=高倉健、池部良。十三人の刺客=役所広司、松方弘樹。いずれもおじさんだ。佐藤では若すぎ。
 イケメンのヒーローが助ける可憐なヒロイン。これは一人でないといかん。ルーク・スカイウォーカー+レイア・オーガナ、ジョン・カーター+デジャー・ソリス。ところがこの映画では道場主の娘と女医の二人の女性を助けている。ヒロインは二人もいらない。女医の役を蒼井優がやっていた。武井咲と蒼井優じゃキャラがダブってないか。女医役は30過ぎぐらいのお姉さんキャラの女優がやった方が良かったのではないか。それに、道場主の娘、とても剣術使いには見えなかった。
 と、まあ、不満はあったが面白い映画であった。
 

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