走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

紅ショウガのスイーツ

2010年08月11日 23時10分56秒 | ちょっといい話
日曜日の「情熱大陸」を観た。
主人公は料理人・目黒浩敬(めぐろ ひろたか)。

彼は、食材の持つ本来の味を大切にする。
でも、その生き方は気負っていない。
彼が仙台でやっているお店の名前は「アル フィオーレ」。

その中で地元温泉旅館を経営するご婦人にピンク色の綺麗なスイーツを出した。
その食材は紅ショウガだった。
彼女は感動した。
なぜなら、彼女には紅ショウガにまつわるちょっと悲しい思い出があったからである。
彼女の少女時代にさかのぼる。
宿で働く母親に甘えたくとも甘えられなかったという。
そんなある日、蔵の中の蓋の開いた樽を見つけた。
その樽の中に手を突っ込むと赤い紅ショウガが出てきた。
それを口に含み、噛んでみると「カリカリ」という音ともに、なんともいえぬ味あったことのない感覚を覚えたという。
その味は、寂しかった彼女の心を忘れさせる味だったというのである。
そして、それから毎日、夕方六時頃になると蔵に忍び込み、その紅ショウガを食べたという。
気がつくと、樽の中の紅ショウガを食べつくしてしまったというのである。
その話を料理人目黒に語り、彼はその話を覚えていた。
そして、彼女は今、その母親の介護に追われていることも知っていた。

目黒はそれを覚えていて、一週間前から下ごしらえをし、彼なりの技法で彼女の食後のスイーツとして出したのである。

ナレーションは、「忘れないことは、優しさだ」と語りかける。
その優しさがデザートに注がれる。
手間隙をかけた「パンナコッタ」
その紅ショウガのほのかな酸味が50年前の思い出を呼び起こしてくれる。
彼女の感激はひとしおだった。

料理を通して人を喜ばせること。
それが料理人目黒の喜びだという。


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