トチの娘、ほたるの飼い主の清美さんから、旧知の犬仲間の愛犬が亡くなり「そのお別れがあまりに良いお別れだった」との報告がありました。
以前、私もその方とは一緒に犬連れキャンプに出かけたことがあるので、亡くなったゴールデンのエマとも面識があります。以下、清美さん談、
「彼女はずいぶん前から、クラシックギターを習っていて(先生に来てもらう在宅スタイルで)、ご主人も退職後、一緒にレッスンを受けているのですが、エマが亡くなった翌日がそのレッスン日だったそうです。エマは生前このレッスンをおとなしく聞いていたそうで、だったら、ギターで送ってあげようと音楽葬になりました。最期のお別れの日がレッスン日というのも嬉しい偶然。先生とお父さん、お母さんがいつもエマが聞いていた曲で送ってあげて、何とも感動的でした。他には、結婚して独立した双子のお嬢さん二人と私だけのささやかなものでしたが、心がこもって暖かいものでした。」
私の見送りもこのようなシンプルで温かいものがいいなぁとぼんやり考えていましたが、さて、そのあとの火葬等々、犬の葬儀もかなり擬人化されてきたようで…。
私が見送った犬2頭、猫4匹はいずれも東京都板橋区舟渡にある東京家畜博愛院で火葬しました。ここは、1968年に警視庁警察犬の慰霊碑が建立されて以降、毎年春秋の彼岸に合わせて、警察犬供養の慰霊祭が行われているペット霊園です。
亡骸はダンボールに納めて火葬するのですが、そういうものだと思っていたのです。ところが、世間では人間並みの葬儀が用意されていることを清美さんに教えられ、驚いてしまいました。
窓付きの桐の棺や布製の純白の棺、棺に納める三途の川の渡し賃の六文銭、魔よけの護身刀や護符なども準備されていて、ビックリ。そっか、犬も三途の川を渡るんだ。そのとき渡し賃も必要なんだ。牛骨とかじゃダメなのかしら。
日本人に限ったことではありませんが、葬送の文化、死生観の考察は非常に興味深いテーマだと改めて思った次第です。