<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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経済誌 東洋経済の記事を読んでいるとJR本州三社のうちでJR東海だけが突出して預金をもっているようだ。
大雑把に言うとJR東日本が3年、JR西日本が2年に対してJR東海が7年以上。
これはいったいなんなのよ。
首都圏よりも京阪神よりも中京圏の方が財政豊かというのは有りえず、この原因は明らかに東海道新幹線。
JR東海は新幹線での預貯金が凄まじく、リニアは建設できるはコロナは屁でもないわで、余裕のよっちゃんなのだ。

その証拠に先々週、久しぶりに新幹線に乗って横浜に向かうと朝の新大阪はお客がそんなにいるわけでもないのに、10分より短い間隔で東京方面行きが発車しているのだ。

それだけ多くの本数が走っているので、きっと利用者が多いんだろうと思って乗ってみると、相変わらずガラガラ。
隣に座る人がいないことはもちろんのこと前後もいない。
で、よくよく数えてみると贔屓目に見ても2割も乗っていない。
こんな新幹線走らせて意味あるのか。

もしかすると東京〜大阪間の電気代は特別価格で100円ぐらいなのかも知れない、なんて疑ってしまうくらいだった。

このように客がいなくても通勤電車並みに大阪〜東京間に16両編成の列車を走らせるJR東海はすでに感覚が倒壊しているのではないか。
もしもこのままの営業を続けて乗車率が回復せず、ドル箱がドル箱でなくなりJR東西のように人口の多い都市圏での稼ぎが重要になったら、どうするつもりだろう。
銀行や国は、「JR東海はようやっている」なんて評価するとは思えない。

リニアに邁進するJR東海。
財政優位にあぐらをかいていると、何が起こるか。
JR東海に対する日本全土の視線が静岡県のそれと同じになるかもしれない。

そんなことを感じた経済記事なのであった。


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首都圏・京阪神ともに鉄道の終電繰り上げが相次いで発表されている。
午前様で電車があったのに、最終列車はその日のうちになくなるよ、というところが少なくないというわけだ。

私も30代までは終電の時間をチェックしながら梅田やなんばで飲んでいることが少なくなかった。
で、最終列車を乗り過ごしたら、そのまま朝まで飲むことも少なくなかったのだが、それでは身体が持たないのでタクシーで帰るというのがパターン。
仕事で飲んでいたら色々理由をつけて領収書を取るのだが、そうではないと自腹になるので結構懐に響いたものだ。

今ではそんなことをしていると懐も持たないが、カミさんが赦すはずはなく、どちらかというと後者が厄介なので日付が変わらないうちに帰宅することにしている。

以前から終電がなくなったらどうするの、というのは問題だった。
実際に飲んで遅くならなくても仕事で午前様になるときはタクシーということもあるのだが、やはり公共交通が欲しいところだった。

東南アジアへバックパック旅行をしていたとき、タイの首都バンコク都内の交通網が深夜の利用客にも配慮したシステムになっていることに驚いたことがあった。

バンコクではよくバスを利用して移動していた。
紀伊国屋や東京堂といった日系の書店で「バンコクバスマップ」というガイドブックを買い求め、それを頼りに南バスターミナルや北バスターミナル、ホアランポーン駅などにでかけたものだ。
間違えて乗っても気軽な旅行だったので乗り換えればいいし、意外にも親切な車掌さんや他の乗客が「こっちに乗りなよ」てな感じで分からないタイ語と身振り手振りで教えてくれるので、楽しいということもあった。
やがてスカイトレインが走り出し、数年後に地下鉄もできるとバスに乗る機会が減ったものの、それでもバスターミナルには一部を除いて通じていないのでバスを利用することはなくならなかった。

バンコクのバス網は複数の会社が競合していて、どれがどれか正直今もって分からないのだが、その本数などは多分東京都バスや京都市バス、大阪シティバスの比ではない多さだと思う。
その中でも特筆すべきは深夜のバス網が発達していることだ。

もともと20年ほど前まで市内交通網がバスか渡し船しかなかったためかバスが充実していて深夜でも深夜料金を設定したバスが結構走っていたのだ。
だからタクシーを使わずとも慣れた人は仕事や飲んで遅くなってもバスを利用することが可能になっている。
これは便利だと思ったものだ。

翻って日本は、というと深夜バスは一時期もてはやされたがバブルが弾けると電車のある間に帰ることが普通になり、バスも疲れるのでやがて路線の多くは廃止された。

終電の繰り上げが発表されて深夜バスが復活するか。
リモート仕事も増えているので、変わらないかも知れないが、どうか。


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ファッションデザイナーの高田賢三氏が亡くなった。
享年81歳。
日本のデザインブランドを引っ張ってきた重鎮の一人だったが、二月ほど前に山本寛斎が亡くなっているので、わずか数ヶ月の間に優れたデザイナーを二人失ったことは仕方がないとはいえ衝撃は少なくない。

ところで、このデザイナー稼業。
どんな有名人であってもだいたいは1代商売なのは仕方ないのだろうか。
誰かが事業継続できるというものでもないし、それがたとえ血のつながった子孫であったとしても難しい。
同様のことは建築士にも言えることかも知れないがファッションの世界はより個人の個性が鮮明に主張される世界のように思われるのだ。

落語家、漫才師、スポーツ選手、など特別な才能を必要とする仕事は容易に引き継ぐことができない。
そういう意味ではデザイナーもその一つなのだろう。

時代は移り、人も変わる。


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携帯電話の料金が高いので値下げするようにという動きが菅政権になってから活発化。
確かに資料を見ていると先進国でも日本の携帯利用料が突出して高いようだ。

でも、これってどういう基準で比較しているのかがいまいちよくわからない。

なんでも海外の携帯電話は日本みたいに国中どこでもほとんどエリアというところはないそうで、
「遭難したから助けてください」
と山の中から携帯電話で救助を呼べるのは日本ぐらいなものだという。
この事実。
本当かどうかはわからないが、日本の通信網は旧電電公社の時代からNTTが基幹を握っていて、例えば超過疎地域でも光ケーブルが走っていたりするそうだから、全国ほとんどサービスエリア、というのも理解できなくはない。

そういえば飛行機に乗っていてスイッチをOFFにするのを忘れてた時に木更津上空や和歌山市上空で着信があったことがある。
空の上も圏内なので山の上も圏内なのだろう。

ところで携帯電話料金よりも値下げしてほしいのが東海道新幹線の運賃。
新大阪〜東京間約15000円はちと高すぎやしないか。

普段出張でこの区間を移動するときは飛行機を利用しているのだが、飛行機の特割チケットが片道だいたい12000円から16000円。
朝早くとか最終近くは12000円ぐらいなので新幹線より安いことが多い。
さらに近年はLCCが飛んでいたりするので大阪〜成田だと3000円〜8000円ぐらいが片道料金なので成田〜都内の運賃を入れても新幹線よりダントツで安いということができる。
この価格差。
一体なんなのよ。
というところだ。

飛行機は空を飛んでいるので路線のメンテをする必要がないし固定資産税を払うこともない。
その一方、飛行機の機体は新幹線車両よりも圧倒的に高価格だし、空港使用料も決して安くないのであるから飛行機が有利だ、ということもできないはずだ。

同じ地上を走る高速バスで2000円台から14000円程度。
JRの在来線で移動すると8910円で所要時間は約8時間。
飛行機LCCと同じような金額で8時間もかかるのだから、対時間効果としてはもっと安くてもいいものを。

GO TO トラベルの一環としてJR東海に東海道新幹線を半値にさせたらどうだろう。
たぶん、それでも赤字にならないんじゃないかと思うのだが、どうだろうか。


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「ジュンで〜す」
「長作で〜す」
「三波春夫でございます」

の三波春夫ことレツゴー正児が亡くなった。
享年80歳。
すでに他の二人は他界しているので、これでレツゴー三匹のメンバー全員があちらへ行ってしまったということになる。

それにしても昨日、あの面白くもない爆笑問題・太田光のニュース記事から超面白かった人生幸朗 生恵幸子を思い出していたところに、これも非常に楽しく面白かったレツゴー三匹の最後の一人が亡くなったニュースが出てくると、もう寂しいことこの上ないものがある。

Youtubeの方がテレビよりも面白いのはこっちもそれなりの年齢になってしまっている証拠なのかもしれない。


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爆笑問題の太田光が出廷して新潮社が報じた日大裏口入学疑惑に対する名誉毀損について「事実無根」と主張したそうな。
まあ、日大芸術学部というとこの人に限らずなんかと噂があったりするので気にする必要なし。
新潮社もつまらない記事を書いたもんだと思わないこともないが、大田本人もお笑い芸人の端くれならば日頃ネタにしている時事問題と同じように笑いで返せば良いものをと思うのだが........無理か。

ところで、このつまらない記事を読んで時事漫才で思い出したのが「人生幸朗・生恵幸子」のコンビ。
時事漫才の金字塔。
一般にはボヤキ漫才と呼ばれている。
少なくとも関西人の40代以上のほとんどはそう確信しているに違いない。

今でも時々嫌なことがあったらYoutubeでお笑い動画を見て心の回復を図ることにしている。
とりわけ好んで見るのが「いとしこいし」「チャンバラトリオ」「宮川左近ショー」などなのだが、もちろん「人生幸朗 生恵幸子」も定番中の定番だ。
このコンビのネタは有名でいつも一緒と言っても過言ではない。
「かもめはかもめ、あたりまえやないかい!」
とか、
「探しものはなんですか、ってほっとけ!」
とか、色々なネタがあるものの、大体はお客も知っているネタなのだが、これが何度聞いても笑ってしまうバカバカしさがあるのだ。

時事を扱うということは笑えないネタも当然あるわけで、それを笑わす二人の雰囲気は絶妙で人間国宝並であったことは間違いない。

爆笑問題の笑えないニュースを見るにつけ、このような芸人を記事に取り上げるその責任者に是非、お目にかかりたいと思ったのは私だけではあるまい。


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KYOTO GRAPHIE 2020の会場の一つとなっている京都府庁舎旧本館は明治37年建築の官公庁の建物としては現役最古で重要文化財。
京都は第二次大戦の空襲を免れた街なので町家や寺社仏閣はもちろんのこと御所もそのまま現存しているのは言うに及ばず。
当然、こういう明治時代建築の庁舎が残っていても不思議ではない。
KYOTO GRAPHIEというアートイベントではあるけれども写真のアート性はもとより会場となっている建物の芸術としての価値も計り知れないものがあった。

この会場では私は見る側よりも撮影する側に回ってしまったのは言うまでもない。

私は地元関西の大阪に住みながら葵祭も時代祭も見たことがなく、金閣寺、銀閣寺も訪れたことのない純粋無垢な灯台下暗しである。
だから京都府庁も訪れるのはこれが初めて。
これまでは丸太町通りを通る時に、
「お、あれは何や?」
とちょこっと見える府庁の建物をちょい見しては、
「何やらものすごい建物があるやんけ(←微妙に下品)」
と思っていたのだ。
そのうち訪れることもあるだろうと思いながら、今日まで一度も訪問したことがなかったのだ。



写真のアートイベントで訪れたこの日。
空は完璧な秋空で澄み渡る蒼。
雲がポッカリと浮かぶなんとも言えない雰囲気で、その蒼をバックに黄色い庁舎がどっしりと、そして美しく私とカミさんを出迎えてくれたのであった。

立派なエントランスをくぐると、正面に2階へ登る階段がある。
大理石で創られた階段はルネサンス様式の教科書になりそうな重厚でかつ繊細なフォルムなのであった。
窓から入ってくる淡い光にしばし見惚れる瞬間でもある。
写真展の一つの会場はこの階段を上がったところにあるのだが、この建物は現役でもあるのでイベント用ではなく生きた空気が漂っている。

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

烏丸御池から移動してきて用を足しに行きたかった私はここのトイレに入ってみると、なんと!洋式便器がなかったのであった。
今どき和式一辺倒。
洋風建築の建物なのに、なぜかトイレは和式なのであった。

建物はロの字になっていて中央に中庭がある。
この中庭から東の廊下に差し込む日差しが窓のシルエットを廊下と黄色い壁に映し出し、なんとも言えいない美しさだ。
もう庁舎というよりも美術館。
先日生まれ変わった京都市立美術館もとい京都市立京セラ美術館の味気なさちとは比べ物にならない暖かさが漂っていた。
たとえ補修が中途半端なところがあっても、たとえトイレが和式でも、この方が私の感覚にフィットする。
美しく愛らしい建築物なのだ。



クライマックスは京都府議会議場。
ここも今はアートイベントに使用されている。
だがいつもは現役の議場として使わているようで完璧な保存状態であることはもちろんのこと、最近建てられている近代的な庁舎と比較して、今は手に入れるのも難しいのではないかというシャンデリアを初めてとする各種照明器具や木製什器などが素晴らしい。
まるで映画の世界のようなのであった。

きっと日本映画の都でもある京都のこと、映画の撮影にも使われたりしているのではないかとも思ったのであった。

KYOTO GRAPHIEがなかったら訪れることはなかったかもしれない京都府庁旧庁舎。
改めてコロナ禍の中、万全の体制で開催してくださったその方々に感謝なのであった。




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