<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



首都圏・京阪神ともに鉄道の終電繰り上げが相次いで発表されている。
午前様で電車があったのに、最終列車はその日のうちになくなるよ、というところが少なくないというわけだ。

私も30代までは終電の時間をチェックしながら梅田やなんばで飲んでいることが少なくなかった。
で、最終列車を乗り過ごしたら、そのまま朝まで飲むことも少なくなかったのだが、それでは身体が持たないのでタクシーで帰るというのがパターン。
仕事で飲んでいたら色々理由をつけて領収書を取るのだが、そうではないと自腹になるので結構懐に響いたものだ。

今ではそんなことをしていると懐も持たないが、カミさんが赦すはずはなく、どちらかというと後者が厄介なので日付が変わらないうちに帰宅することにしている。

以前から終電がなくなったらどうするの、というのは問題だった。
実際に飲んで遅くならなくても仕事で午前様になるときはタクシーということもあるのだが、やはり公共交通が欲しいところだった。

東南アジアへバックパック旅行をしていたとき、タイの首都バンコク都内の交通網が深夜の利用客にも配慮したシステムになっていることに驚いたことがあった。

バンコクではよくバスを利用して移動していた。
紀伊国屋や東京堂といった日系の書店で「バンコクバスマップ」というガイドブックを買い求め、それを頼りに南バスターミナルや北バスターミナル、ホアランポーン駅などにでかけたものだ。
間違えて乗っても気軽な旅行だったので乗り換えればいいし、意外にも親切な車掌さんや他の乗客が「こっちに乗りなよ」てな感じで分からないタイ語と身振り手振りで教えてくれるので、楽しいということもあった。
やがてスカイトレインが走り出し、数年後に地下鉄もできるとバスに乗る機会が減ったものの、それでもバスターミナルには一部を除いて通じていないのでバスを利用することはなくならなかった。

バンコクのバス網は複数の会社が競合していて、どれがどれか正直今もって分からないのだが、その本数などは多分東京都バスや京都市バス、大阪シティバスの比ではない多さだと思う。
その中でも特筆すべきは深夜のバス網が発達していることだ。

もともと20年ほど前まで市内交通網がバスか渡し船しかなかったためかバスが充実していて深夜でも深夜料金を設定したバスが結構走っていたのだ。
だからタクシーを使わずとも慣れた人は仕事や飲んで遅くなってもバスを利用することが可能になっている。
これは便利だと思ったものだ。

翻って日本は、というと深夜バスは一時期もてはやされたがバブルが弾けると電車のある間に帰ることが普通になり、バスも疲れるのでやがて路線の多くは廃止された。

終電の繰り上げが発表されて深夜バスが復活するか。
リモート仕事も増えているので、変わらないかも知れないが、どうか。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )