<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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時々「これってなんやろ?」というアートに出会うことがある。
観ていてちっともその価値がわからない。
その作家が世界的に有名な人であればあるほど、何がなんだかわからなくなるのだ。

大阪中之島にある国立国際美術館で開催されていた「ボイス+パレルモ」展はまさにそういうアートの一つだった。
観ていて「凄い」と感じないこともないのだが、その何が凄いのか、自分自身でもちっともわからないというのが正直なところだ。

「おお、何の展覧会かわからないままあなたについてきたけど『ボイス』とは!パレルモって知らんけど」

とカミさん。
カミさんはフランスで学生だった頃、このボイスが頻繁に出てきて今の私と同じように、なぜフランスの教官がボイスをとりあげ学生に教鞭するのかよくわからなかったという。
フランスだけではなくヨーロッパではボイスは注目される存在だった。
本国ドイツも含めて彼は著名であり斬新であり刺激的でもあった。
今回の作品の中には彼が公衆の面前で演じるパフォーマンスのフィルムも上映されていた。
柱状のものと脂肪を使った組み立て風景のようなもの。
檻の中でコヨーテと同居(?)している様子など。
でもカミさんはコヨーテとのパフォーマンスを観て「なんで?」と感じたのだという。

作品の多くはインスタレーション、あるいは金属や木箱などを使った抽象的な作品で解説書が無いと何を言いたいのかがわからないものがほとんどなのであった。
もしかすると作品の中に書き込まれているドイツ語を読むことができる、あるいはドイツやその周辺地域の文化習慣に通じている、というのであれば理解ができやすかったのかも知れない。

「ん〜〜、学生の時に悩んだ作品群に対する総まとめ、みたいな展覧会やったかな〜。良かった。すごく。」

とカミさんは喜んでくれたのだが最も印象に残った展覧会なのであった。


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