寿栄小学校のブロック塀を倒した波について検討した。
地震波は、K-NET高槻(OSK002)で観測されたものを用いた。
K-NET高槻は、寿栄小学校の6km北にある高槻第市立二中学校の校庭に設置されている。
6km程度の距離ならば寿栄小学校の波とK-NET高槻の波は同じものと考えてよいだろう。
寿栄小学校の配置図を示す。
ブロック塀は、東西軸に平行に建てられている。
地震動の水平軌跡を示す。
揺れは東西軸が卓越しているが、南北方向に飛び出した波がひとつある。
ブロック塀はこのパルス状の波にやられた。
パルス波の周期は0.3秒、固有周期0.3秒の構造物の加速度応答は1150galである。
ブロック塀の固有周期はおそらくこの周期帯にあるだろう。
そうであるなら相当な衝撃力だ。
ブロック塀はパルス波によって一撃で破壊されたと考えられる。
このパルス波がなければ倒れていなかったはずだ。
しかし、起きてしまったことを悔やんでも仕方ない。
高槻市には同じ構造のブロック造目隠し塀が多数ある。
悲惨な事故が二度と起きないよう、大至急軽量な目隠しフェンスに取り換えるべきだ。
そうすることが亡くなった児童への供養になるだろう。