tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

二階発言の怪

2021年01月05日 22時43分14秒 | 政治
緊急事態宣言は何のため
 今日テレビを見ていましたら、自民党の記者会見でしょうか。自民党の二階幹事長がこんな発言をしていました。

「事態を見極めたうえでの適切な判断だ。特に医療体制を守る意味で、緊急事態宣言の重要性は誰もが承知していることであり、しっかりと万全の態勢で臨んでいきたい。」(NHKのネット情報から転載)

  政府のコロナ対策が後手々々という世論を意識しての発言と思われますが、遅れていることの言い訳か正当化でしょうか。確り状況を見極めてやっているという主張も含め、緊急事態宣言で打撃を受ける人たちたちへの配慮も意識して、各方面への細心の注意の上の発言のようにも感じられました。

 しかし、聞いていて違和感を禁じ得なかったのは、(実は政権内部の方の発言でも、同じような違和感を感じたことがこれまでも多々ありましたが)何のために緊急事態宣言をするかの理由についてです。

 「緊急事態宣言」を出すのは何のためでしょうか。恐らく誰に聞いても、大抵は「そりゃあ、コロナのこれ以上の蔓延を食い止め、少しでも国民の不安を減らすためでしょう」とか「国民の生命と健康を守るためでしょう」と言われるのではないでしょうか。

 二階発言には、国民という言葉がありません。二階発言を素直に理解すれば、コロナ問題は、医療体制の問題だという事になります。緊急事態宣言は、医療体制が崩壊しないために出すという事になるのではないでしょうか。

 そういえば、第3波が来る前にも、「 未だ医療体制に余裕があるから、そんなに心配しなくてもいいのではないか」という趣旨の発言が閣僚などから何回かあったことを思い出します。

 なぜ「国民」という言葉が出なくて「医療体制」になってしまうのか、緊張して、いろいろなことに配慮していると、かえって本音が出てしまうのでしょうか。それとも本当に医療体制さえ余裕がれば、もっと感染者や重症者、死者が増えても構わないと考えているのでしょうか。

 自民党は、改憲やイージスアショアの議論で、いつも「国民の生命と財産を守る」と言っていましたが、今こそ「国民の健康と生命を守るために」といった欲しいものです。

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