tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

石破新総理の何が一番問題か

2024年10月02日 14時43分48秒 | 国際関係

石破新総理が誕生しました。

自民党総裁に決まってから、テレビのニュースのたびに、石破さんの映像が映るのですが、些か奇異に感じたのは、その表情でした。

これまでの石破さんは、テレビに映っても、何かを語るような場合には、常に慎重で、極めて思慮深い顔をし、問題の難しさを真に認識しているという口調で、理論的に事を述べるという印象でした。

ところが、自民党総裁に決まってからの石破さんの表情は全く違って、何か子供の様な無邪気な笑顔が多く、総裁選任が心から嬉しそうな映像が見られました。

個人的にはこうした表情が見られるのは楽しいのですが、この自民党の半崩壊状態の中で、総裁になり、当然すぐに難問の山積する日本の総理大臣に就任という事になるのですから、その重責を考えれば、あの思慮深い顔にさらに額のタテ皺、真一文字に結んだ口といった厳しい表情が刻まれるだろうとの予感は霧消してしまいました。

昨日、組閣を終え総理大臣に就任したわけですが、10月27日の総選挙日程の発言も考え方も、現実の行動も、自民党の在り方を厳しく正そうとする姿勢もどこかへ行ってしまったようで、「随分変わった」という驚きや批判の声が、野党だけでなく与党の一部からも聞こえて来たようです。

組閣の人選についても、多様な問題があちこちから指摘され、ついには、石破さんは総裁就任から違う石破さんになった、などという揶揄発言すら出ているようです。

9日の衆院解散まで、石破さんがどちらの顔でテレビに映るのか、これからはっきりすると思いますが、どうなのでしょうか。

ところで、安倍政権の後半から菅さん岸田さんと迷走を重ねた日本の政治を、迷走責任者の自民・公明連立政権で立て直すのは「至難」か「不可能」かと思いながらこれからニュースを見ることになるのでしょうが、石破さんが前から言っていることで、大変重要で大きな懸念となることがあります。

それは、石破さんの持論だそうですが、「アジア版NATO」という構想です。

裏金問題や経済政策といった問題は、いずれも国内の問題であり、政治が国民とともに真面目に考える様になれば、正される問題です。

しかし「アジア版NATO」になりますと、これは、アジア諸国を巻き込んだ問題です。

これに対しては、ネットは冷ややかで、「アジアの国々の状況をみれば、そんなもは出来るはずがない」 といった見方が多いようですが、真の問題は「平和憲法を持ち、非戦を掲げる日本が、そんなことを言い出したら、世界にとんだ誤解を与える」という事ではないでしょうか。

「アジア版」という事は、誰が考えてもそれは「アジア諸国と中国の対立」を意識したものという理解になりましょう。

それは本来の日中関係とは駆け離れた、まさに「平地に乱を起こす」構想以外のなにものでもありません。

中国と日本は、千数百年の長い相互依存の関係を持ち隣人であり友好国でなければならい間柄の国です。

戦後は「周恩来=田中会談」以来の友好関係で、故石橋湛山首相が予言したように、経済もそしてスポーツも、ともに発展してきた間柄ではなかったでしょうか。

ここで下手に間違えると、悔いを千載に残すことになるでしょう。石破総理に、何をおいても、歴史観を誤らないようにして頂かなければならないと思っています。 


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