tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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輸入物価、企業物価、消費者物価の動向

2023年02月11日 14時30分52秒 | 経済
昨日、日本銀行から、今年1月の企業物価指数が発表され、見出しでは「高止まり」などと書かれていました。

日銀発表の物価指数は「輸入物価指数」「輸出物価指数」「企業物価指数」の3指数ですが、このブログでは、輸入物価が上がればそれは企業物価を押し上げ、更にそれは消費者物価を押し上げるという関連を見るために、輸出物価を除き、消費者物価を加えて標記3物価を毎月グラフにして、それぞれの動きを見てきました。

という事で、今回は、1月までの物価の推移が見られることになりました。
まず、輸入物価、企業物価、消費者物価の原指数の動きをグラフにしたのが下図です。(消費者物価は東京都区部1月速報)

3物価指数とも2020年平均が100で、2021年の1月には殆ど同じ水準にありましたが、その後はご覧のとおりです。

主要3物価指数の動き

            資料:日本銀行、総務省

まず輸入物価が上がりそれが企業物価に波及、更に消費者物価にという動きが見られますす。

但し、輸入品は国内で流通する物資の1~2割ですから平均すれば、輸入物価の値上りは国内では5分の1から10分の1に薄められます。
消費者物価になると半分ほどが国内の人件費ですから、またそれが半分以下に薄められます。

更にこうした関係は時間をかけて波及するものですし、その他の多様な要因の影響を受けますから、月々の動きなどの予想は不可能ですが、長い目で見れば、大体そんなところに落ち着くといった感じのものでしょう。

そうした目で見ますと輸入物価の上昇が10月あたりで頭打ちになった影響が今年の1月に入って企業物価の頭打ち状態の原因かなといった感じになります。

ただ消費者物価の方は、まだ上昇傾向が続くようで、下の「対前年同月上昇率」のグラフで見ますと1月の4.4%上昇はこの所の最高値です。

    主要3指数の対前年同月上昇率
 
             資料:上に同じ

消費者物価は、消費不振でなかなか値上げできなかったとか、政府の政策で動く公共料金などがありますから動きが査あらに遅れる傾向があるようです。

それでも、輸入物価、企業物価が頭打ちから下がってくれば、早晩ピークを迎え次第に落ち着いてくると思われます。

春闘でどれだけ賃金が上がるかも関係してくるというこの所見られなかった動きも今年あたりは予想されますが、日本の場合大きな影響にはならないと思っています。

これからは、物価の動きも、ここ2年のような異常なものでなくなることを願いながら、もう少し今後も動きを追ってみようと思っています。

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