tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

基金とは何でしょう

2023年11月14日 13時37分46秒 | 政治
マスコミによりますと、この臨時国会で決まった補正予算13兆円余の内4.3兆円が基金に充てられているという事です。

政府が作っている基金と言いうのは150ぐらいあって、そこに積んである基金の昨年度末の残高は16兆円余りもあるそうです。

この基金の残高というのはコロナ以降急拡大してきたのだそうで、コロナ対策にカネがかかるので関連する基金が増えたのかもしれません。

一寸聞きますと基金の残高が16兆円もあるのは、財政が豊かで結構なことではないかなどと感じてしまいます。
ですが、補正予算の中から4.3兆円も基金に積み増すという話や, 補正予算の財源のうち7兆円は赤字国債だなどと聞きますと、何かおかしいなという感じになります。

基金というのは、何か有意義な事業を行うために、余裕資金を積み立てたり、篤志家の寄付を得たりして、その活動のための基金を作り、その基金を運用して果実(利子などの運用収益)を得で、それを使って目的の事業を行うというものでしょう。

基金は、自力で稼いで果実を生み出し、それが活動の資金になるというのが常識ですから、基金が潤沢な額を保有しているというのは結構だと思うのですが、今はゼロ金利時代で、何処の基金も大変なのに、政府の基金は成り立つのかな(GPIFは頑張っているようですが)と思っていました。

そしたら、何のことはない、政府の経常支出をどんどん基金に注ぎこんで、それが基金の収入源だというのです。

それなら経常支出として予算を組めばいいのではないかと思いましたら、基金にすれば予算の様に厳密に支出をチェックされることがないようで、使い残してもいいことになっているので、種々便利なために、纏めて基金という形で支出して、使い勝手を良くしているという事のようです。

これはこのブログの憶測ですが、全体のカネの流れを素直に見れば、そうしか考えられないというのが、常識だと思うので、やっぱり多分そうなのだろうとなってしまうのです。

だとすると使い残している16兆円というのは、もともとは赤字国債ですから、もし日本がゼロ金利でなかったら、ムダ金に利息が付いて、将来の国民負担が増すという事になります。
そんな心配はいらないよ、今はゼロ金利だから借金は増えないから大丈夫というのかもしれませんが、日銀は金利政策を変えようとしていますから、何時までそれで済むか解りませんよと思っていましたら、河野デジタル大臣が、少しキチンとすべきだと言いだしました。

何か、コロナ以来日本の政府はMMTが正しいと信じ切ってしまったように感じられますが、MMTが駄目というのは、「将来、日本の国債が紙屑になるよ」という批判だけでなく、「今日只今の国家財政がいい加減なものになりますよ」という直近の問題にもつながるのです。

端的な問題である、政府(野党も)のバラマキ財政、補助金・給付金では日本経済の自家製デフレは治りません、という事も含めて、実効のある経済政策を日本学術会議から建策してもらったら良いのではないでしょうか。

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