消費者物価際数については例月20日過ぎの全国消費者物価の発表のデータを使って動向の把握をしていますが、今月は発表の早い東京都区部の消費者物価指数の発表(昨日)の2023年12月の数字を全国の先行指標として取り上げました。
このブログでは消費者物価指数の上昇が問題になった2021年からの消費者物価の動きを例月チェックしていますが、長い間、黒田日銀の頃から日本銀行が待望していた消費者物価の沈静が実現の段階に入るかどうかが最近の注目点でした。
この所の動きを見ている中で、そろそろ消費者物価の上昇もピークを迎え沈静に向かうのではないかとこの2か月ほど指摘して来ていますが、11月の東京都の区部の発表を見てピークは越えたという感じを強くしましたんで、あえて都区部の速報値を取り上げました。
結果は、下図の通りです。
東京都区部消費者物価指数の対前年同月比の動き(%)
資料:総務省統計局「消費者物価統計
例月の全国指数の場合と同様「総合」、「生鮮食品を除く総合」、「生鮮食品とエネ絵ルギーを除く総合」の3指標を取り上げていますが、因みに原指数の動き見ますと1年前の昨年2022年12月は104.0でそれからもじりじり上昇を続け2023年10月の106.8がピークとなった感じです。その後は11月106..5、12月も同じく106.5です。
総合指数はあまり下がっていませんが、前年同月上昇率を見ますと上昇スピードの鈍化がはっきりしています。
特に注目していますのは、緑の線の「生鮮食品とエネルギーを除く総合」の動きです。一昨年来の消費者物価の高騰はこの指数の上昇によるところが大きいのです。
この中身は、いわゆるコアコア部分で、加工食品、調理食品、飲料、調味料などからトイレットペーパーなどの生活必需品で、嘗て消費不振で値上げ出来ずに苦しんだ部門の一斉値上げによるものです。この部分が9月頃を境に鎮静化して来た事が大きいのです。
海外物価の沈静、下落傾向を考えますと、日本の消費者物価上昇も、いよいよ終わるという感じになってきたと感じる理由です。
海外物価の高騰が無ければ、またこれ以上の円安がなければ物価も徐々に正常化し、迫る春闘の賃上げも確実ですから、日銀のゼロ金利脱出、いわゆる出口政策が動くでしょう。さてそうなると、それによる、円高、コストアップの可能性はどうなのか、日銀の舵取りが注目されるところです。