アベノミクスの評価いろいろ
此の所、麻生財務相は「急激な円高は良くない。適切な措置を考える。」といった発言をよくしています。
麻生さんは、安倍さんを支える副総理として、アベノミクスを成功させなければならない立場ですし、これまでの経験から、「やっぱりアベノミクスでよかったのは$1=¥80から$1=¥120の円安の実現だけだということが解っているからかもしれません。
アベノミクスの功罪はいろいろ言われていますが、黒田日銀のサポートで行われた異次元金融緩和による円安の効果は明らかで、これによって、日本はプラザ合意の円高地獄から脱出できたことは否定の仕様はないでしょう。
しかしその後の財政出動や構造改革(投資環境整備)は、特に日本経済を押し上げるような効果を持つまでにはいかなかったようです。
財政出動は、消費増税で打ち消され、逆にマイナス効果が大きかったというのが現実でしょう。
構造改革の「特区構想」は確かに効果も持つようです。金を使わずに、「頭を使った経済政策」の一種で、結構なことと思いますが、日本経済を持ち上げるような力はありません。
安倍政権の言う出生率の向上は、確かに進んできているようです。しかしこれは安倍政権以前からの変化で、日本社会における人間の営みの自然的な変化のように思われます。
出生率が上昇したスウェーデンやフランスでも、その原因の説明には、はっきりしたものはないようです。
新3本の矢の、①強い経済、②子育て支援、③安心の社会保障(介護離職ゼロ)は単なる目的の羅列で、その実現のためにはまず強い経済が必要でしょう。
強い経済のためには、経済成長が必要で、そのためには消費拡大ということのようですが、賃上げ奨励は不発、消費増税不安、さらに最も大きな障害は、安倍政権自体の政策による「日本は貧富の格差が拡大する社会になってきた」という深刻な問題でしょう。
日銀の取った支援策、マイナス金利も市場に先を読まれて逆効果になったようですし、今後も国際投機資本相手に、日本が金融政策で大勝利というような状態は実現しそうもありません。
逆に、トランプ氏からは、日本は中国と並んで「為替操作国」など言われ(トランプ氏は米国の国民感情を読んでいっている)、状況は不利のようです。
もともと日本が長期不況に陥ったのは、プラザ合意で異常な円高を強いられたことによるのですが、G5の国々は、自分たちが為替操作国だとは言いません。
こうして見て来ますと、アベノミクスは、2回の異次元金融緩和(これもアメリカの真似)による40円幅の円安だけで、それによって生じた日本経済の環境条件の改善を国内政策で日本経済全体の自律的上昇に向かわせる政策ではほとんど見るべきものもがないということでしょう。麻生さんのが円高警戒、円高懸念も良く解ります。
アベノミクスなどと言わず、地道な経済政策に一歩一歩着実に進むのが、本来の日本らしいやり方なのではないでしょうか。
また余計なことを付け加えます。安倍さんは「アベノミクス、アベノミクス」といいますが、私には当初からすごい違和感です。
レーガンが「レーガノミックス」と言い、サッチャーが「サッチャリズム」と言い、グリーンスパンが「グリーンスパンマジック」と言って自分の業績を誇示したでしょうか。
こういう名称は、贈り名のようなもので、他人がその人の業績を讃えて言うところに意味があるのです。
此の所、麻生財務相は「急激な円高は良くない。適切な措置を考える。」といった発言をよくしています。
麻生さんは、安倍さんを支える副総理として、アベノミクスを成功させなければならない立場ですし、これまでの経験から、「やっぱりアベノミクスでよかったのは$1=¥80から$1=¥120の円安の実現だけだということが解っているからかもしれません。
アベノミクスの功罪はいろいろ言われていますが、黒田日銀のサポートで行われた異次元金融緩和による円安の効果は明らかで、これによって、日本はプラザ合意の円高地獄から脱出できたことは否定の仕様はないでしょう。
しかしその後の財政出動や構造改革(投資環境整備)は、特に日本経済を押し上げるような効果を持つまでにはいかなかったようです。
財政出動は、消費増税で打ち消され、逆にマイナス効果が大きかったというのが現実でしょう。
構造改革の「特区構想」は確かに効果も持つようです。金を使わずに、「頭を使った経済政策」の一種で、結構なことと思いますが、日本経済を持ち上げるような力はありません。
安倍政権の言う出生率の向上は、確かに進んできているようです。しかしこれは安倍政権以前からの変化で、日本社会における人間の営みの自然的な変化のように思われます。
出生率が上昇したスウェーデンやフランスでも、その原因の説明には、はっきりしたものはないようです。
新3本の矢の、①強い経済、②子育て支援、③安心の社会保障(介護離職ゼロ)は単なる目的の羅列で、その実現のためにはまず強い経済が必要でしょう。
強い経済のためには、経済成長が必要で、そのためには消費拡大ということのようですが、賃上げ奨励は不発、消費増税不安、さらに最も大きな障害は、安倍政権自体の政策による「日本は貧富の格差が拡大する社会になってきた」という深刻な問題でしょう。
日銀の取った支援策、マイナス金利も市場に先を読まれて逆効果になったようですし、今後も国際投機資本相手に、日本が金融政策で大勝利というような状態は実現しそうもありません。
逆に、トランプ氏からは、日本は中国と並んで「為替操作国」など言われ(トランプ氏は米国の国民感情を読んでいっている)、状況は不利のようです。
もともと日本が長期不況に陥ったのは、プラザ合意で異常な円高を強いられたことによるのですが、G5の国々は、自分たちが為替操作国だとは言いません。
こうして見て来ますと、アベノミクスは、2回の異次元金融緩和(これもアメリカの真似)による40円幅の円安だけで、それによって生じた日本経済の環境条件の改善を国内政策で日本経済全体の自律的上昇に向かわせる政策ではほとんど見るべきものもがないということでしょう。麻生さんのが円高警戒、円高懸念も良く解ります。
アベノミクスなどと言わず、地道な経済政策に一歩一歩着実に進むのが、本来の日本らしいやり方なのではないでしょうか。
また余計なことを付け加えます。安倍さんは「アベノミクス、アベノミクス」といいますが、私には当初からすごい違和感です。
レーガンが「レーガノミックス」と言い、サッチャーが「サッチャリズム」と言い、グリーンスパンが「グリーンスパンマジック」と言って自分の業績を誇示したでしょうか。
こういう名称は、贈り名のようなもので、他人がその人の業績を讃えて言うところに意味があるのです。