tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

米中の覇権争い、GDPの先を考えると(改題)

2020年09月10日 15時43分12秒 | 文化社会
人類の持つ2種類の文化の検討が必要なのでは
前回と同じグラフをまず入れておきます。

 このグラフでは中国がアメリカを抜くのは2031年という事になります。従来からあと10年ほどで、という見方が一般的なようですが、最近はコロナの影響でアメリカのマイナスが大きく、状態の時期はもっと早まるという見方も多いようです。

 いずれにしても、特に何もなくこもまま行けば米中のGDP逆転は数年から10年の内には起きると思われます。

 勿論アメリアの人口3.3億、中国14億ですから、GDPが同じになっても1人当たりでは中国はアメリカの4.2分の1ですが、軍事力(国防予算)という事になれば共産党独裁の中国の方が有利となる可能性は十分ありそうです。

 いずれにしても、GDPでも国防予算でも、ここ10年以内に中国がアメリカを凌駕することが確実視されることになれば、さて、覇権の行方はどうなるのでしょうか。
 トランプ戦略では、経済制裁で中国の経済成長を止めることに注力しているようですが、多分それでは両者ともに傷つき、無駄な努力に終わるのではないでしょうか。

 という事になれば、中国がその望み通り、世界の覇権国になる可能性は、ますます現実味を帯びてきます。

 ところで、中国は、今や共産党1党独裁の全体主義国家です。そして習近平さんは終身中國の主席の座にあるのです。
 現実問題として、独裁国、全体主義国が覇権国になるという世界が、如何なるものになるか想像すらつきかねるのではないでしょうか。

 今、香港では三権分立があったのかなかったのかが論争になっているようです。共産党一党独裁の国にはもちろん三権分立はあり得ません。
 その国が覇権国になった時、世界はどうなるのでしょうか。やはり地球人類全体についても独裁制による統治が理想という事になるのでしょうか。
 そこでは「 リベラル」などという人の心の在り方は存在できないでしょう。

  地球上の国々が、現在の香港やベラルーシのようになるのでしょうか。これはいずれにしても大変なことのようです。
 
 こうした想定をするのも、歴史の実証するところによれば、共産主義は一党独裁を目指し、独裁国は「 争いの文化」に則り、「共生」ではなく「支配」を選ぶことが明らかだからです。
人類が時間をかけて克服してきたファシズムも「争いの文化」を信奉し、思想としては右と左に分けられていますが、行動の基本原理は左右共通なのです。

 つまり、地球上に、自由主義国と共産主義国があり、それが平和共存して人類の安定と発展に協力するといったことは現実には起こりえないというのが歴史の現実なのです。

 「争いの文化」から脱却し、「競いの文化」を地球人類の共通の文化とすることが、地球社会の平和、安定、協力、発展といった望ましい状態を創るためには必要なのでしょう。

 米中の覇権争いについての議論は盛んですが、最も大事なのは、地球上の国々が、すべて、その行動原理を「競いの文化」に置かなければ地球人類の安定と発展は実現しないというところにあるのではないでしょうか。
 この数年か10年の間に、人類の持つ文化として「争いの文化」と「競いの文化」についての本格的な論議が必要なようです。

 因みに、アインシュタインが「第5次世界大戦」は、石と棍棒で行われることになるでしょう」といったという話を聞きましたが、さて、人類の知恵は・・・。

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