天然居士の独り言

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岩佐又兵衛・・・

2023年07月28日 18時14分39秒 | 日記
 岩佐又兵衛をどの位の方がご存知か分かりませんが、
 1578年(天正6年)に生まれ、
 1650 年(慶安3年)に没した江戸時代初期の絵師です。
 僕は2009年に読んだ小笠原京の歴史小説「爛漫の時代」で知りました。
 小笠原京は歴史学者の小笠原恭子のペンネームです。
 岩佐又兵衛は、戦国大名の荒木村重の子であると言われています。
 織田信長に村重が謀反を起こしたため、妻子や一族は殺害されています。
 生き残ったのは、村重と又兵衛だけなのかも知れません。

 又兵衛の作品を最初に観たのが2011年12月16日で、
 山種美術館が所蔵する「官女観菊図」でした。
 次に観たのが、2016年5月1日でした。
 この日は、上野の国立西洋美術館にカラバッジョ展を観に行って、
 その足で国立博物館に回り、
 新たに国宝になった「洛中洛外図屏風」が展示されていたので観ました。
 次に観たのが、その年の9月25日で、
 埼玉県歴史と民俗の博物館で川越の仙波東照宮の三十六歌仙絵額でした。
 仙波東照宮に行っても観られないので良い機会でした。
 その次が2017年3月19日で、熱海のMOA美術館が所蔵する
 「山中常盤物語絵巻」12巻を全巻公開するとの事なので行きました。
 その次は、2018年4月15日で、
 日本・東洋古美術研究誌『国華』の130周年を記念した
 「名作誕生 つながる日本美術」でした。
 「洛中洛外図屏風」の他「梓弓図」、「士庶花下遊楽図屏風」を観ました。
 2019年3月27日には、「奇想の系譜展」を東京都立美術館で観ました。
 伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪などと並んで
 岩佐又兵衛の絵も「自画像」など何点か出ていました。
 そして昨年11月23日、東京国立博物館が所蔵している展覧会で、
 やはり「洛中洛外図屏風」を観ました。
 どうも又兵衛の「洛中洛外図屏風」とは
 縁がある感じで何度も観ていますが、
 展覧会で観るのは混雑している事もあり、じっくり観た気がしていません。

 何故、岩佐又兵衛について書いて来たかと言うと、
 先日来、文春新書の辻惟雄さんの「岩佐又兵衛」を読んでいたからでした。
 この本、参考のために多数のカラー図版が載っていました。
 「洛中洛外図屏風」や「山中常盤物語」など
 場面を拡大して載せられていました。
 新書版なので図が小さいため、拡大鏡で観ながら読んだので、
 時間が掛かりましたが、
 体系的に岩佐又兵衛について述べていて勉強になりました。

 作者の辻惟雄さんは、日本美術史の専門家です。
 その著書『奇想の系譜』などで、
 従来の美術史ではあまり評価されていなかった
 岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳などを
 「奇想の画家たち」として取り上げたことで
 江戸絵画の再評価を促し、日本の美術史に大きな影響を与え、
 特に1990年代以降の若冲ブームの立役者となったとの事です。
 上記の2019年3月の「奇想の系譜展」は、
 辻さんの著作を踏まえたものだったのですね。
 それに驚いたのも、日記に書いた理由です。
 出来れば「奇想の系譜」も読んでみたいと思いました。

コメント
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