鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第172回】 営業の基本

2011年06月21日 | 住宅コンサルタントとして
営業手法について、いろんな本が出ていたり、いろんな研修が存在します。

私自身も、いろんな研修をクライアントのスタッフにさせていただいていますし、
勉強会のメンバーにもおこなっております。

研修というのは、あくまでも手法・やり方を学ぶことであり、とても大切なことですが、
どれだけ手法をマスターしても、それだけではお客様に買っていただけません。

商売、営業の基本とは、「お客様に可愛がっていただくこと」であり、
そもそもお客様に愛され、可愛がられなければ、モノは売れないのです。

今の若い方は、こうした部分を理解出来ていない人の比率が高いと個人的に思っています。

例えば、昔、私が住宅資材のメーカーで働いていた頃、お客様をおじゃまして、
すぐに事務所で社長様や営業さんに商品の売り込みなんてしたことがありませんでした。

朝、そのお客様が掃除をしている時間(要するに始業前)に行って、
一緒に掃除を手伝う。

倉庫に商品が入ってきたら、他社の商品であったとしても荷受けを手伝う。

「いつか、ウチの商品も買って下さいね!」

なんてことを言いながら、自分が出来る様々なお手伝いをして、
その上でお客様に可愛がってもらって、情で商品を買ってもらったものです。

その他にも、社長さんが飼っている犬の散歩、
社長の車のタイヤを冬タイヤに交換する際のお手伝い。
肩揉みやパソコンの設定など、何でもやりました。

まず、お客様に好かれなければ何も始まらないからです。

さらに、私が以前働いていた会社では、スーツは基本的に所長以外禁止。
深緑色のダサいジャンパーを着用することが義務化されていました。

「お客様と同じ目線でいることと同時に、何かお手伝い出来ることがあればすぐにしろ」

という風に先輩から教えてもらったのです。

お客様の専務が入院などした際、私はその方のキャラクターに合わせて
いろんなモノをおみやげに持っていきました。

本音でお話出来る方の場合、真面目な本の間にエッチな本を挟んでお届けしたり、
堅い会社の役員の場合は、ビジネス書やお花をお届けしたり・・・。

とにかく、今、ベストだと思うことを一所懸命やっていたように思います。

これは、昔の松下電器の営業スタイルとよく似ていると上甲晃さんの本を読んでいて感じました。

昔の松下電器は、販売の松下と言われるほど、販売力が強かったですが、
それは地域の電気屋さんと松下の人間関係が太かったからなのです。

松下の営業マンは、ライバルの電機メーカーの営業マンと比較して、
全く垢抜けしていなかったそうです。

カバンは大きい。
スーツは皆、ひざのところがテカッていたそうです。

これは、カバンの中にはたきや雑巾が入っていたからだそうで、
スーツのひざがテカッているのは、それだけしゃがんで
お客様のお店を掃除していたからなのだそうです。

人は、モノを買うときに、理屈やメリットだけでは買わないのです。

最近の若い方は、手法やテクニックの勉強などになると一所懸命おこなうのですが、
年齢も価値観も違うお客様に可愛がられるという意識があまり強くないと感じています。

手法もテクニックも大切ですが、まずはお客様に可愛がられる・・・。
基本を大切にしたいものです。
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