鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4419回】 若いうちに恵まれない環境で仕事した経験は、後々活きる

2023年02月04日 | 住宅コンサルタントとして

大学を卒業後、建築資材メーカーに入社した私は、

北海道の旭川営業所と北見営業所という2つの拠点で

仕事をさせていただいておりました。

 

旭川は北海道第二の都市であり、

旭川営業所にはたくさんの社員さんがいましたが、

北見市は人口が当時10万人程度、

しかもエリア内全部合わせても人口20万人に満たなかったため、

営業所には事務員さんを含めても8名しかいませんでした。

 

メーカーの営業マンの仕事は、

お客様を訪問して商品を売り込み、

見積をさせていただいて受注させていただき、

発注し、売上金の回収、というのが基本ですが、

北見営業所時代は、スタッフがいなかったため、

クレーム発生時の現場調査や不具合品の回収、

更には施主様宅まで行って事情を説明したり、

場合によっては施工までするなど、

本当に何でもやらなくてはならない環境でした。

 

札幌とか旭川だと、クレーム対応や施工部隊もあったのですが、

北見は全て自分がやらなくてはならなかったのです。

 

更に当時、購入していただける販売店様や工務店様の監督は、

面倒なことを全てメーカー側に丸投げしてくる方が多く、

私が勤めていた会社は、後発でシェアが低いため、

それを受けなければ、受注が非常に難しい状況だったのです。

 

不安定な足場をキッチンを担いで上がったりとか、

洗面化粧台が入らない現場では

自社の洗面を分解して搬入後、組み立てるなど、

何でもやっていました。

 

もちろん、見積や発注業務、請求書のチェックや

会議の資料作成などもやりながら、です。

 

なので朝7時30分~夜中1時過ぎまで仕事をしなければ、

仕事が終わらない環境の中で20代を過ごしました。

 

でもこの経験があったから、

コンサル転職してすぐの修業中の時に、

圧倒的な量をこなすことができました。

 

旭川や北見で、建築現場にほぼ毎日行っていて、

そこで大工さんたちにいろんなことを教えていただいたおかげで、

構造や断熱・気密、それから施工のことまで

いろいろと教えていただきました。

 

私が住宅の構造や断熱気密換気に詳しいのは、

この時の経験が非常に活きているのです。

 

いろんな業務をそれぞれの部署担当者に依頼すると

滞りなく業務が回るような、

恵まれた環境で若いうちに仕事をした場合、

現場の細かな知識であったり、泥臭くやり抜く力などが

自分のモノにならないかもしれない、と思ったりします。

 

若い頃に楽をすると、40代を超えた時、

それなりのポジションで仕事をしなくてはならない場合、

役職に対し、実力と経験や不足していることが露呈されるかもしれません。

 

昨日、お伺いしていたクライアント様の次期社長。

 

未経験で会社に入られ、一から建築を勉強し、

営業も現場管理も積算もクレーム対応も、

それからポスティングやチラシ作りなど、

本当にいろんなことをやらざるを得ない環境でしたが、

この2~3年で本当に力をつけられました。

 

スキルだけでなく、人としても成長され、

次のステージに移行できるレベルになられました。

 

任せられる優秀なスタッフがいなかった分、

全て自分でチェックしたりしなくてはなりませんでしたが、

その経験が今に成長につながっておられます。

 

若いうちに苦労したことは、後々活きるのです。

 

だから今、あまり恵まれていない環境で

もしあなたが仕事をしているとしら、

実はよい環境なのかもしれないのです。

 

今の環境の中で、ベストを尽くしたいものです。

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