たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

民主主義

2005-09-30 14:18:34 | 社会
先日感想をアップした「痛快!憲法学」には日本で民主主義が実は機能してない…という話が書かれていて,その理由は日本が契約社会でないこと,そして神の下の平等…の意識がないことだったりしました。著者の説が一般的なものなのかわからないので,それを丸のみするつもりもないのですが,本の中で指摘されていることで,事実であることはたくさんあります。
契約社会ではないっていうのは政治に限らず経済活動でも良く指摘されます。西洋はそもそもユダヤ系宗教(キリスト教とイスラム教)が神との契約です。日本は契約ではなく「信用」の方を大事にします。つまり相手を信じて「丸投げ」。というわけで,選挙も契約(公約を守ってもらう)とは理解しておらず,信頼している人に投票してしまうと…。
もう一つこれは以前から気になっているのですが,日本は司法の力(能力も含めて)が弱すぎます。行政や世論に屈してるように思われるところが多々あります。国の政策を無効にするような判決をなかなか出しませんし,そもそも刑事起訴された裁判がほとんど有罪になるという状況もおかしいです。そして上の本に書かれてたことですが,日本は既存の法律と矛盾した法律を作れないという決まり(?)があるそうで,それゆえに議員立法が極めて難しいと…。複雑な法律を理解するのは専門である官僚は可能でも選挙で選ばれた元一般人である議員にはなかなか難しいと…。それゆえに官僚の都合が良い法律が作られてしまうわけです。
本来は複数の法律が矛盾していれば司法がどっちが正しいかを判断すれば良いらしく,そこも司法が弱いゆえに,官僚社会になっているという構図なのだそうです。
議員が国を動かしていれば,我々が契約した人がやってることで,民が国を動かしていることになりますが,官僚は「お上」であり,我々はその人事に関与できません。というわけで,どうも日本は行政等が何かをすると,文句をいうだけ…という人が多いですね。自分達が何とかしなくてはいけないという意識が無く,単に行政は国民と対立するものだ…という意識が強い気がします。
…などとイキナリこういうことを書いているのは今回の国会は自民圧倒という国民の選択の結果を受けているわけで,なるべく民主主義であるように運用されて欲しいわけで,そのためには,そういう視点で見つめる目が必要に思ったのです。まぁ新人議員を取材するのはワイドショー的には良いのかも知れませんが,それは政治とは無関係です。…というわけで,そういう視点でTVも取材報道して欲しいです。
郵政民営化は良いとして,定率減税廃止が自民の公約違反かはちょっと微妙だなぁ…と思いつつ,しっかりチェックしましょうね。
司法改革も…国民に裁判させる…というより,もっと行政に左右されない司法になる方が先だと思うけどねぇ…。
ついでに余談ですが,じゃぁ本当に西洋で民主主義が根付いているのかはわたしはわかりません。特にアメリカとか貧富や教育の差が激しいわけで,一部の人はともかく全員がそうなのか?…と言われると少し疑問だったりするのですけど…。
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痛快!憲法学 (小室直樹著)

2005-09-28 11:25:30 | 書評
B5版の大きなサイズで表紙が江口寿史,本を開くと中には北斗の拳からのイラストがたくさん引用されて「おまえはすでに死んでいる」等と書かれているので,大変不真面目…な本かと思いきや内容はかなりまじめ。ただし,おそらく高校生とかが読んでも大丈夫なようにわかりやすい書き方になってます。著者である小室氏が編集者島地氏に講義するという形式で書かれているため,口語体で会話的に進んでいくために読みやすいというのもあります。島地氏の素朴な呆けなどもあり読んでいて飽きません。
しかしここに書かれていることは決してお気楽なことや楽しいことじゃありません。現在の日本において憲法が死んでいる(正しく機能してない)事や,そもそも日本人が民主主義や議会制度等を理解していないことが書き連なれています。小室氏は本の中でいろんな問いかけをし,それに対し島地氏が答え,その答えが間違っていると小室氏は怒るのですが,ほとんどの日本人は島地氏と同じような認識を持っていると思います。
例えば,法律は誰かに対して書かれているのですが,憲法は誰のために書かれているのか?,刑法は誰に対して書かれているのか?…等…。ちょっと回答を書くと刑法は犯罪者や被告人に対して書かれているのではなく,裁判官に対して書かれています。刑法には犯罪するな…とは書いておらず,量刑が書かれているだけだからです。そういう意味で言うと憲法は国民に対して書かれているわけではなく国家(権力者)を縛るために書かれているものだそうです。
この本では西洋で民主主義が成立するまでの歴史が丁寧に書かれており,そもそも議会制も憲法も民主主義とは無縁のところから生まれており,いろんな歴史があり徐々に民主主義へ変わっていったが,民主主義が悪いイメージだった時代もあったり,また平和主義が独裁者を産み出した時代もあったりで,我々があまり認識していない歴史がたくさん書かれていて,ショックを受けます。そしてその中で述べられているのが,現在の日本では憲法も死んでいるし,そもそも民主主義がうまく機能していないことに対してきつい警告を出しています。
たしかにそうで,日本では為政者が公約違反をすることに対して,国民が諦めているところがあります(西洋だと暴動が起きても仕方がない)。官僚が政治家(選挙で選ばれた人)の判断をあおがずかってに通達をだしたりしても,特に問題になりません。極めつけは裁判が時の世論や行政側の意見に大きく引っ張られ正当に行われていない。西洋では違法捜査があった時点で裁判は白紙に戻るそうなのですが,日本ではそのまま進んでしまう。
言われてみればその通りです。日本人は民主主義が国民(選挙民)と政治家(議員)の契約(選挙)であることを理解してません。だから契約(公約)を破ってもすぐに諦めてしまいます。本来は政治家は国民が作るものですが,日本人は「お上」は国民の言うことを聞いてくれないもの…と諦めて無責任にただ文句を言うだけです。日本においては国家はお上であり,我々の代表が動かしているという意識がないのです。
これは結局のところ西洋における契約社会という概念が日本に無いことが一番大きな原因で,西洋でそれが形成されるまでの歴史を考えると無理もないのですが,やはり少なくとも頭ではそれを理解していかないと,ますます国家の暴走,つまり憲法が機能していない状況は悪化していくように思いました。
というわけで,かなり読みやすくしかも知らないことが書いてあって新鮮な本でお勧めです。ただし,小室氏が日本の法律学者はダメだ…と書いているのであれば,逆に言うとここに書かれていることが定説なのかはわかりません。でも読みやすいし,西洋史も詳しく書かれているので,そっち方面に興味がある方にもお勧めします。
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新生プラン読んでますか?

2005-09-25 17:19:53 | 時事
週末の報道バラエティを見ていてNHK新生プランの件がどうも意図的に曲げられて報道されている気がしたので,ちょっと書いてみます。
そもそもNHK以外の民放はNHKの商売敵なので,その報道をうのみにするのは危険です。NHKが良い番組をつくれなくなったら視聴率を上げられるのは民放ですからね。この問題に関してはTVはすべて利害関係者なので本来はTVからの情報だけでは判断できません。主要報道機関もTV局と資本関係があるところばかりだし…。この事は意識してこの関連ニュースを読まないといけません。
個人的には受信料徴収を法的手段を持ち出すのは,やりすぎというか,実際の運用上どのようにやるのだろう?…という疑問はあるのですが,「最後の手段」と言っている様だし,必ず行うかどうかは良くわからないようです。
というかわたしの不満はNHKの新生プランでこの法的手段だけが取り上げられて問題視されているってこと。街頭インタビューで「NHKが変わらないと払わない」とか言ってる人いましたが,その人新生プランを最初から最後まで読んで言ってますか?。どうも読まないで言ってるような気がしますけど:-p。インタビューで文句をいうのは良いけど,同じことを投書やメイルでNHKに伝えてますか?…。どうも払わないのを正当化するために口先だけで言っている人も結構いるように思いますが…。
新生プランを読んでわたしが感心したのは「単身赴任者や学生の料金割引制の新設」が提案されていること。実を言うとわたしは学生時代受信料を払ってませんでしたが,やっぱり学生一名の世帯と家族数人で暮しているのが同じ値段というのは…ちょっと学生的には辛いのではないか?…と思います。ちょっと前まで住んでいた会社の寮では寮でまとめて徴収してましたが,寮の住人が増えても減っても毎年同じ料金が引かれるのもちょっと納得しがたい点があったりしましたが,単身者が安くなるのであれば個別に契約する気になるかも知れません。
この文脈で読むと,じゃぁきちんと払っている立場からすると,払わない人に対して「なんであっちから取らないの?」という意見が出るはずで,その時に「民事手続き」というのもそう唐突な感じもしません。でも民放はそこだけ取り上げるので唐突になるのです。
まぁ個人的には報道の独立性が保たれるのであれば,わたしは税金でNHKまかなってもいいかと思うんですが,その場合公務員になるのですかね?…。だったらそれはそれで問題なんですけど…。
というわけで,NHK寄りの文章を書きすぎたので,少し苦言も。新生プランの発表時,会長がTVに出てましたが,画面映えしない人ですね:-p。放送局のトップがあれなのはちょっとクビを傾げます。あと新生プランの出し方で受信料徴収法についてはどうせ「検討します」なんだからもっとグレーに書くとか第二段で書くとかでも良かったんではないかなぁ…とか思いますが。なんか性急すぎるという感じはしました。
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脳と創造性~「この私」というクオリアへ(茂木健一郎著)

2005-09-20 18:10:19 | 書評
わたしは茂木氏の著作はそれなりに読んでいて,たしか5月に「脳の中の小さな神々」を読んだばかりなので結構筆が早いなぁ…という印象。まぁ前のはインタビューですけど。
で,今回の本。大変すばらしい。というか読んでいて痛快でした。
茂木氏というとバリバリの脳科学者でかつ物理系の人(違ってたらごめんなさい)なんですが,この本はタイトル通り「創造性」について書かれてます。コンピュータが発達してきて人間には単純作業ではなく創造性が求められる…という話から始まってその創造性とはなにか?…という話をあくまでも脳科学者からの視点で書いているのですが,トータルなメッセージは啓蒙書というか哲学書というか生き方というか…そういう風に私は捕らえました。つまり私が自然科学と別の方向として好んで読む「ココロ」の話の本のメッセージとメッセージ的にはだぶるわけです。
しかし痛快なのはそれがあくまでも脳科学の視点で説明されている。例えば人を愛するときに値踏みをする時に用いられる前頭葉の活動が低下する。つまり愛するときは物事を値踏みせず受け入れるという事,創造は批判することから生まれないということから愛と創造の間には関連がある…なんて書いてます。
これは宗教家や思想家が述べる愛の重要性とは全く違った説得力を持っており,データがないものは信じない…と言うような堅物な人でも「そうかも…」と思わせるような説得力があります。
他にも「一回性」について語られていて,人間は初めての体験というのはそれ以降とは全く異なる。なので一回性というのは大事なのだけど,個人レベルではなく大衆レベルに一回性を起こさせられるのが天才だとか,一回性ゆえにオリジナリティというのは高く評価されるというような話が書いてます。これも人間に初めての体験があると脳構造に変化があるという話から始まっていて,あくまでも科学です。
そして重要なのは創造というのはどんな人間にも可能で,いろんなレベルでの創造が人間の中では起きている…,そしてより良い創造が起きるために,人や物に多く触れた方がいいと言うような事も書いてます。
この様にこの本は一見脳科学の読めますがメッセージがかなり強い本です。その伝えてくるメッセージはわたしにも大きく共感するのですが,その説得性が脳科学からきているというのが実に新鮮でした。うーん,やっぱり科学も宗教も哲学も目指しているところは同じなんだなぁ…と。そして茂木氏はこれで自然科学を一歩上に引き上げてるんだな…という事を強く感じた本でした。
お見事。
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民主党代表選

2005-09-20 18:07:30 | 時事
土曜日,朝からTVを観ていたら民主党党首選に河村たかし氏が出馬したいと言っていて,少しは話がおもしろくなるか?…と思ったんですが,結局推薦人を集められず…。まぁでも管さんが通らなくて良かったですが。
今回の民主党代表選出の話を当初ニュースで観ていたときは,どうしてそんなに早々に決めるのだろう?…と思っていたのですが,国会が始まるのでそれまでに決めないといけないと言うことですね。でも,今回議員による選挙で新しい前原氏が党代表となりましたが,ちょっともったいない事したなぁ…という気がします。
小泉さんが総裁に初めてなった時は,その総裁選の過程をつぶさにマスコミは報道し,その報道の中で小泉氏は国民の人気を得て,そして総裁になったと記憶してます。今回新しい民主党代表として若い前原氏がなりましたが,「誰?」と思った人も多いでしょう。そして一応古い管さんとの戦いはあったとしてもほんの一日の争いで,全然普通の国民にはそこにどういう争点があったのか判りません。小泉さんがなぜここまで強権を得て,なおかつ選挙でも支持されたのかというと,党内の支持よりも国民からの人気をバックにしているからでしょう。民主党は同じことをやろうと思ったら出来たはずなのに,国民不在で党代表を変えてしまった…。なんかもったいない…というかまたしばらく民主党はダメなのか…と思ってしまいました。どうせしばらくは死に体なんだから,今期国会だけ岡田さんで乗りきって,その後に一般党員を含めた党首選をやれば良かったのになぁ…と,無関係ながら思ってしまいました。岡田さんのまま国会に入るといろいろ突っ込まれると言うことなんでしょうけど…,そんなの党首選挙の日程を発表すれば,一応変えるつもりと主張できるし。
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性風俗は普通のお仕事?

2005-09-19 08:18:33 | ココロ
中村うさぎ今度はデリヘル嬢挑戦」という記事を読んで少し引っ掛かる…。こういうことを書くと融通の効かない人間のように思われてしまうかも知れませんが…。中村うさぎのようなメジャーな作家がデリヘルを自ら経験してそれをメジャー誌(?)に発表する,またその事自体をメジャーサイトが取り上げる…という現象はそれまでデリヘルとか性風俗の仕事に無縁だった人が「わたしもやってみてもいいかも」と思う事を助長しないか?,性風俗も普通の人がやるしごとなのではないか?という認識になっていかないか?…という懸念が浮かびます。
もちろんそれならそれでいいという考えもあります。性風俗は普通の人がやっていい仕事だという認識にするという考え方もあります。でも,そうなのか?…という考えもあって,自分の中にダブルスタンダードが出来てしまって悩むわけです。
昔は風俗どころか水商売で働くだけで普通の幸せな結婚が出来なくなる…という様な考え方があり,その業界で働く人と普通の人との間には線がありました。今は水商売はともかく性風俗は好きでやってる人もいるでしょうが,借金に困っている人や生活に困っている人等がやっているというわたしの勝手なイメージがあります。それゆえにその世界にはいるのにはそれなりのリスクが感じられ,だれでもやるしごとになって無い気がするのですが,その障壁を下げることはいいのでしょうか?。
一方,男の場合,合法で,だけど世間から白い目で観られたり,幸せな結婚が出来ないかも知れないけど,大金を稼げる仕事ってあるんでしょうか?。マグロ漁船?…。ちょっと違うよう気がしますが…。「女の武器=体」,「男の武器=体力」ならそうとも言えるけど…,もう少し恥も外聞も捨てれば金稼げる仕事ってないのでしょうか?。
ちなみに風俗が楽な仕事と言うつもりもないし,実は給料もそんなに良くない…とかいう話も聞きます。でもやっぱりあの手の仕事は体力というよりはリスクを負ってるから稼げるのだと思います。
個人的にはこういうなしくずし的にその辺の認識が変わっていくのはちょっと気持ち悪いです。あと過激なことというか裏社会を表に持ってくるだけで話題を集めて作品を売る…っていうやり方もちょっと抵抗があったりします。まぁ実際はそういう話題だけじゃなくて内容がつまんなかったら評判は落ちるだけでしょうから,そんなことはないのでしょうけど…。
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経済格差と「食い物」

2005-09-16 13:23:28 | 社会
圏外からの一言さんのところに日本が外国を食い物にしているという発言をした人の話。正確には更にリンク先を直接リンクすべきなんでしょうけど,ごめんなさい。
この文章に引っ掛かったのは,日本人って外国を食い物にしている事に無自覚な人が多いんだ…と意外に思ったからです。ちょっとここからはわたしの拡大解釈というか,むしろ曲解なのかもしれませんが,こういう投資の話じゃなくて,為替レートに基づいた不等な部分というのはたくさんあると思います。例えば良く知り合いに「老後は東南アジアで暮すと貯金だけでも結構暮せる」とかいう話をされるんですが,わたしはどうもこれが為替レートに乗じた何とも不等な贅沢な気がして気持ち悪いのです。同じことは東南アジアに行って買い物したり美味しいものを食べる場合でもそうです。
もちろん,これは全然不等な話ではないとも言えます。でもその国で優秀な人が一生懸命に働いて得る収入より日本で普通に労働して得る収入が遥かに多くて,それでその優秀な人よりも贅沢出来てるっていうのは,どうも気持ち悪いと言えば気持ち悪いのです。そういう気持ちがあるからか,わたしはヨーロッパを旅行したことはありますが,アジア旅行はしたことありません。
もちろん,日本人がそういう国にいって当地としては割高な買い物することによりその国の人が潤っている事はあるでしょう。老後を過ごす日本人が雇う使用人の給料は現地で他の仕事をしている人よりも割がいいかもしれません。
ちょっと外国という話とは違いますが,こういう物価と賃金の違いによる贅沢…みたいな話は日本の国内でもあります。例えば東京の物価と沖縄の物価を考えると東京で普通に食事するくらいの金額で沖縄ではすごく美味しいものを食べられるし,東京のアパートの家賃で沖縄では広い家に住めるかも知れません。
ただ一方でわたしはこれまで「東京は地方の植民地だ」と何度も書いてきてます。なぜなら東京の山の手線の中で働いているようなサラリーマンは往復4時間程の通勤時間を使い,会社では残業を何時間もやっているのがある種当たり前なのに対し,沖縄は良く知りませんが(^^;),例えば九州とかだと通勤片道1時間以上というのはあまりない時間で,夜遅くまで働く職場は東京に比べると遥かに割合が少ないと思います。給料は額としてはやすいのですが,物価は安いし,しかも東京で払われた多くの税金が地方へ流れているというのもあります。また都会が少子化なのに対し,地方ではたくさん子供を持つ夫婦もあります。この現実を観るに東京は地方に搾取されている…という事も言えます。さっきの「食い物」とは逆の話です。
「食い物」も「搾取」も同じ話なのに双方向にそれが成り立ってしまうのは,実は一方があるものを一方に与えることにより一方から別のあるものを得ているからではないでしょうか?。この場合何でしょうか?。外国の話はひとまず置いておいて,東京と九州(九州を例に挙げるのはわたしが九州出身だからで,それ以上の他意はありません)の関係で観ると,東京の人は九州の人より辛い思いをして働いてますが,額面的には多くのお金を得てます。また多くの遊びを知ってます。九州の人は都会の人に憧れますが,実際は楽にある程度の水準の生活が出来るのは九州の方かもしれません。都会の人間が田舎の人間に比べプライドを持っているか…というのは厳密な都会人ではないわたしには良くわからないのですが。
この事を日本と発展途上国に広げると,日本人は当地にいって贅沢な暮らしが出来き,王様気分かもしれませんが,実は当地の人も日本人を単に楽に収入を得られるカモと思ってる気がします。どうもプライドと楽して儲る…というのを交換してる気がしないでもありません。
最後に,元々リンク文章は投資の話なので少し触れると,要は外国が日本に投資しようが,日本がどこかの国に投資しようが,一方的にどちらかが美味しい思いをする…というのは無いように思います。投資されることによって楽にお金を得て,働く人の生活が良くなる部分もあるかも知れないわけで。
ただしだからといってわたしは「お互い様だ」と言いたいわけではありません。冒頭にわたしが東南アジアに観光旅行することに躊躇しているようにこういう依存関係はお互いが立場を選べるわけではなく経済格差で一方的に役割が決まるわけでしょう。そうであれば,そこになりたい自分になることに制限があるわけで,それゆえに自分の大切な何か(プライドだったり,決定権だったり,美味しい食べ物だったり,住まいだったり)が得られないのであれば,その部分については持っていかれていると言えるかも知れません。
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科学と道具

2005-09-15 15:44:50 | 所感
先週ディスカバリーチャネルでやっていた人体シリーズは,おもしろかったのですが,どういう内容かというと,要はfMRIを使ってスポーツにおける人体機能の男女差,妊娠から出産まで,セックス…をイメージ表現したものでした。fMRIは脳とかの研究にはさかんに使われてますが,病気とは無縁の妊娠やセックスについてイメージ化したものは観たことがなかったので,おもしろかったです。
まぁでも観ていてちょっと引っ掛かるところがありました。fMRIを使って撮影しているチームのリーダが「科学者兼芸術家」みたいな表現になっていたことです。まぁ確かにfMRIのデータを元に綺麗なイメージに加工するのは単なる機械作業ではなく,美術的センスが必要で,実際できあがったものは観賞に耐えうるものなので芸術作品と呼んでもいいと思います。
じゃぁ科学なのか?…。fMRIを使える人間は通常医療機関か研究機関の人間なのでそういう意味では科学者なのかもしれません。でも,単にfMRIという道具を使って人体を撮影することが科学なのかと言われると疑問です。番組中「セックス中の様子をはじめてMRIで撮影,3D化した」と言うような事を,この人は言っていたのですが,確かに誰もやってないことをやったという意味での新規性はあるかと思いますが,それが科学かというと疑問です。
まぁ正直その映像はエロかったりグロかったりで楽しめたのですが(ォィ),それじゃー単なるエンターティメントじゃ?…と。
科学というのは単に新しいデータを得た…というだけじゃ駄目で,そのデータを元に法則性を見つけるとか,新しいものをつくるアイディアを出すとか…そういうものが必要です。新しい測定法,計算法が提案され,それを徹底的にいろんなものに適用する…という事は実際科学では多くやられてますが,でも単にデータをとった…ということが科学なのか?…と言われると…ちょっとどうかなぁーと。
一方芸術はカメラや楽器の発明で新しい作品がうまれるように新しい道具を使いこなし,そこにその人の作家性を入れ込むことが出来れば芸術作品だと言えます。
まぁ今回出てきた「科学者兼芸術家」という肩書きは,今回TVでやったことを指していってるわけじゃなく,その人のいろんな業績からそういってるのでしょうから,今回のわたしの突っ込みは要らぬ妄想だといえばそうなのですが…。
正直いうと,実は以前ポルノ映画監督の山本監督とタモリが「ファイバースコープで女性の性器の内部を撮ろう」とかいうのを,TVで冗談混じりで言っていたのを思い出して(^^;),fMRIでセックスシーンを3D化しているのと,それと一方がポルノで一方が科学なの?…という疑問が生じたのでした。実際AVの様なジャンルって新しい試みがどんどんされていると聞くし,そういうエンターティメントの中には悪趣味だろうが高承だろうが驚くべきほどの新規性が詰まっているわけで…。…なんというか科学と芸術の関係は難しいなぁ…とおもうわけです。
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メディアと議員

2005-09-14 08:18:29 | 時事
月曜の夜自宅に帰ってTVタックルを観るとたくさんの議員が出演。とりあえずみんな通った人ばかり。自民と民主がメインですが…。なぜ出演者が多いかというと,落ちたら出ないでしょうから,多めに声をかけたとの番組談。なるほどと…。
これは逆をいうとTVタックルに普段出てるような議員は落ちなかった…ということになります。まぁ小選挙区で落ちて比例区で復活したような人もいますけど:-p…。TVタックルに普段出てる…っていうのは,まぁこういう番組のつくり(わりと政治を小ばかにする)に耐えられる人…っていうのもあるんですが,番組がわからすると話がおもしろくて視聴者が注目してくれそうな人…ってこと。サービスだったり素だったりいろいろあるんですが,とにかくキャラが立ってるってことでしょう。
つまりTVタックルによく出てる議員が通ったって事は,やっぱりメディア映えする人が今回の選挙では強かったということで,地元のつながりを堅持するタイプの政治家よりマスメディアでわかりやすいメッセージを飛ばす人の方がこれからの日本の政治家となっていくのだろうと…。
まぁそういうことだと思いますよ。「劇場」なんって言ってる人の方が時代遅れなのでしょう。個人的には自民党が圧勝しすぎてちょっと不安なところもあるので,民主にも強力にキャラが立って人気を集めるような人が党首になって欲しいです。右派左派混合でまとまらないと言われている民主ですが,自民党だって変わり者で弱小だった小泉さんがマスコミに人気が出るにしたがって,「政策には反対だけど,ついていけば選挙に通るし」ってことで自民党首に祭り上げ,挙げ句の果てに政策まで小泉主義にされてしまったのが今回の選挙であり,民主だって人気先行で党をまとめることが出来るかも知れません。…とりあえず,そういうキャラがまだ民主には見当たりませんけどね:-p。まぁでも,いくつかの政策がぶつかり合わないとやっぱり不安なので,そういう人の台頭をお待ちしております。
そうそう…追記…。民主の次期代表…って話が出てますが,なんか話し合いぽいですね…。自民みたいに選挙にした方が,変な人が出てきていいのではないか?と思うのですが…。そういう古い人が新しい人を話し合いで選出するって事自体が,旧態というか…。
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選挙終了

2005-09-12 12:43:13 | 時事
なにも無い日曜日…じゃないですね。選挙:-)。結果はどこを見ても書いてるので特に書く必要感じないのですが,まぁここまでいろいろ語って来たので書きますか…。
投票日のせいもあってか午前中の報道バラエティはおとなし目。どちらかというと水害の方のニュースに力入れてました。夜TVを見ると出口調査の発表をカウントダウンしてるのに笑いました。これまで世論調査で散々どこどこ有利…とかやって来たのに,出口調査は投票が終わるまで出来ない…っていうのもなんか妙な気もしますけどね…。
で8時になって出口調査の結果を聞いたときは自民が300票を越えていて結構驚きましたが,結果的には296。だいたい誤差10票程度か200台と300台でずいぶん違う印象を受けることは受けるんですが,5%の誤差と思うと,まぁたいしたものか…。ちょっと傾向が極端に出るのはサンプル数の問題なんですかねぇ…。毎回出口調査って傾向が極端に出る気がするのですが…。
結果的に自民圧勝,しかも公明加えると三分の二確保…って事で,ちょっと勝ちすぎて怖い…って思う人も多いのでは?。ちょっとわたしは思いました。でもこれをきっかけに野党の方々にはどうやって国民に訴えるのか?…っていうのを真剣に考えて欲しい…。だって今回は自民支持…っていうより,自民が一番わかりやすいから…って事で,いれた人も多いと思いますよ。
いずれにせよ投票率が高かったのは当然と言えば当然ですが,良かったです。毎回こういう選挙だったら日本人の意識も変わった…って事なんでしょうけど…,どうですかね。今回の自民圧勝はそれを選んだ国民の責任もあるわけで,こういう形で国民が国政をしっかり監視するって事は良いかと思います。望むべきはちゃんと実現できる対案を出せる野党なんですけど…。
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