ネットを見ていたら「世界で勝てないのは「日本人サラリーマンのライフスタイル」が原因だ」という文章を見かけた。何の話?と思ったら,ははぁ,iPhoneとかが世界的に売れて,日本の大手家電メーカが赤字だからこういう事を書いたみたいです。内容的には,日本のメーカがスペック重視であること,そして何がライフスタイルか?と思ったら,サラリーマンが芸術や文化に無関心だからだそうです。
ちょっと,「ぷっ」ってなりそうでした;-p。
いや,一理はあるんだけど,日本のメーカがスペック偏重で良いユーザエクスペリエンスを提供できてないとかいうのはもう10年くらい前から言われてますよ。私も散々仕事の上でこういう話はしてきました。もう周知。だからそういう指摘じゃなくて,どうしてそうなったか,どうしたらそうならないかを論じてくれないと意味がありません。で,この文章は日本のエンジニアが技術以外の能力を伸ばしてないとかサラリーマンが文化を解さないからと言ってるわけです。なんとも雲をつかむような話ですね。
日本のメーカがユーザが感じないような高スペックな製品を作ってしまうジレンマはずいぶん昔から言われてます。だけどそれがなおらないのは,文化を解さないとかじゃなくて,商品開発の意思決定のプロセスの問題じゃないか?と私は思いますよ。一番大きいのは,現在メーカはユーザを見て商品を作ってるのではなく,販売員(売り子),もっというと量販店を向いて商品を作っているかではないでしょうか?。ユーザは自分が使いたいものを欲しがりますが,販売員は「売りやすいもの」を求めるのです。つまり売り文句を作りやすいものってことになります。それがカタログスペックになるわけです。デザインのよさや使い勝手は,それが説明しやすい形ならいいのですが,実際の生活の場に入らないとわからないようなものは,販売員はなかなか説明できません。だから,スペック重視になるのでしょう。これはメーカのトップや開発責任者のプロモーションの問題もあるのですが,やっぱりメーカが販売員の方を直接コントロールできないことが大きな原因だと思います。
ですから文化を解さないのが問題だとすれば,むしろ販売員の方のセンスかもしれません。
あと,この「文化」というものが曲者で,文化を解さないのは技術者やサラリーマンというよりは日本人全体の問題かもしれません。というか,日本人の文化と世界(西洋)の文化の違いの様なものの差もあるでしょう。工業デザインはどうしても西洋の感性を基盤として作られてます。だからどうしても世界的に受けるデザインを作ろうとすると西洋の後追いになってしまいます。
でも日本人サラリーマンが文化を解さないというとそうだろうか?と思います。日本人のサラリーマンって大人になっても漫画を読んだりアニメを見たり,ぬいぐるみやマスコットを机の上に置いたりって,ずいぶん文化的だと思いますけどね(笑)。ただそれが工業製品に生かされてないだけでしょう。実際に「萌え」のセンスだったら日本人は世界最先端です。むしろ西洋の方が日本の後追いをやってます。
ただ現在はそういうのがキャラクターやゲームでは生かされているけど,電化製品とかに落ちてきてないというだけです。この辺をうまく展開できる,つまり萌えの感性で工業デザインが出来ると,ある意味世界をリード出来るように思うんですけどね。ニッチかも知れませんが(笑)。
西洋が自分たちの文化を世界に広げようと長年やっているのは,別にコンテンツを売りたいとか,思想を広げたいとかいうだけではありません。自国の文化が世界標準になれば,それに基づく感性でも世界一になれるからです。日本が世界でトップになろうと思ったら世界の文化を真似してもしょうがありません。日本の文化を世界に広げるところからはじめるのが現実的だと思います。
ちょっと,「ぷっ」ってなりそうでした;-p。
いや,一理はあるんだけど,日本のメーカがスペック偏重で良いユーザエクスペリエンスを提供できてないとかいうのはもう10年くらい前から言われてますよ。私も散々仕事の上でこういう話はしてきました。もう周知。だからそういう指摘じゃなくて,どうしてそうなったか,どうしたらそうならないかを論じてくれないと意味がありません。で,この文章は日本のエンジニアが技術以外の能力を伸ばしてないとかサラリーマンが文化を解さないからと言ってるわけです。なんとも雲をつかむような話ですね。
日本のメーカがユーザが感じないような高スペックな製品を作ってしまうジレンマはずいぶん昔から言われてます。だけどそれがなおらないのは,文化を解さないとかじゃなくて,商品開発の意思決定のプロセスの問題じゃないか?と私は思いますよ。一番大きいのは,現在メーカはユーザを見て商品を作ってるのではなく,販売員(売り子),もっというと量販店を向いて商品を作っているかではないでしょうか?。ユーザは自分が使いたいものを欲しがりますが,販売員は「売りやすいもの」を求めるのです。つまり売り文句を作りやすいものってことになります。それがカタログスペックになるわけです。デザインのよさや使い勝手は,それが説明しやすい形ならいいのですが,実際の生活の場に入らないとわからないようなものは,販売員はなかなか説明できません。だから,スペック重視になるのでしょう。これはメーカのトップや開発責任者のプロモーションの問題もあるのですが,やっぱりメーカが販売員の方を直接コントロールできないことが大きな原因だと思います。
ですから文化を解さないのが問題だとすれば,むしろ販売員の方のセンスかもしれません。
あと,この「文化」というものが曲者で,文化を解さないのは技術者やサラリーマンというよりは日本人全体の問題かもしれません。というか,日本人の文化と世界(西洋)の文化の違いの様なものの差もあるでしょう。工業デザインはどうしても西洋の感性を基盤として作られてます。だからどうしても世界的に受けるデザインを作ろうとすると西洋の後追いになってしまいます。
でも日本人サラリーマンが文化を解さないというとそうだろうか?と思います。日本人のサラリーマンって大人になっても漫画を読んだりアニメを見たり,ぬいぐるみやマスコットを机の上に置いたりって,ずいぶん文化的だと思いますけどね(笑)。ただそれが工業製品に生かされてないだけでしょう。実際に「萌え」のセンスだったら日本人は世界最先端です。むしろ西洋の方が日本の後追いをやってます。
ただ現在はそういうのがキャラクターやゲームでは生かされているけど,電化製品とかに落ちてきてないというだけです。この辺をうまく展開できる,つまり萌えの感性で工業デザインが出来ると,ある意味世界をリード出来るように思うんですけどね。ニッチかも知れませんが(笑)。
西洋が自分たちの文化を世界に広げようと長年やっているのは,別にコンテンツを売りたいとか,思想を広げたいとかいうだけではありません。自国の文化が世界標準になれば,それに基づく感性でも世界一になれるからです。日本が世界でトップになろうと思ったら世界の文化を真似してもしょうがありません。日本の文化を世界に広げるところからはじめるのが現実的だと思います。