わたしは茂木氏の著作はそれなりに読んでいて,たしか5月に「脳の中の小さな神々」を読んだばかりなので結構筆が早いなぁ…という印象。まぁ前のはインタビューですけど。
で,今回の本。大変すばらしい。というか読んでいて痛快でした。
茂木氏というとバリバリの脳科学者でかつ物理系の人(違ってたらごめんなさい)なんですが,この本はタイトル通り「創造性」について書かれてます。コンピュータが発達してきて人間には単純作業ではなく創造性が求められる…という話から始まってその創造性とはなにか?…という話をあくまでも脳科学者からの視点で書いているのですが,トータルなメッセージは啓蒙書というか哲学書というか生き方というか…そういう風に私は捕らえました。つまり私が自然科学と別の方向として好んで読む「ココロ」の話の本のメッセージとメッセージ的にはだぶるわけです。
しかし痛快なのはそれがあくまでも脳科学の視点で説明されている。例えば人を愛するときに値踏みをする時に用いられる前頭葉の活動が低下する。つまり愛するときは物事を値踏みせず受け入れるという事,創造は批判することから生まれないということから愛と創造の間には関連がある…なんて書いてます。
これは宗教家や思想家が述べる愛の重要性とは全く違った説得力を持っており,データがないものは信じない…と言うような堅物な人でも「そうかも…」と思わせるような説得力があります。
他にも「一回性」について語られていて,人間は初めての体験というのはそれ以降とは全く異なる。なので一回性というのは大事なのだけど,個人レベルではなく大衆レベルに一回性を起こさせられるのが天才だとか,一回性ゆえにオリジナリティというのは高く評価されるというような話が書いてます。これも人間に初めての体験があると脳構造に変化があるという話から始まっていて,あくまでも科学です。
そして重要なのは創造というのはどんな人間にも可能で,いろんなレベルでの創造が人間の中では起きている…,そしてより良い創造が起きるために,人や物に多く触れた方がいいと言うような事も書いてます。
この様にこの本は一見脳科学の読めますがメッセージがかなり強い本です。その伝えてくるメッセージはわたしにも大きく共感するのですが,その説得性が脳科学からきているというのが実に新鮮でした。うーん,やっぱり科学も宗教も哲学も目指しているところは同じなんだなぁ…と。そして茂木氏はこれで自然科学を一歩上に引き上げてるんだな…という事を強く感じた本でした。
お見事。
で,今回の本。大変すばらしい。というか読んでいて痛快でした。
茂木氏というとバリバリの脳科学者でかつ物理系の人(違ってたらごめんなさい)なんですが,この本はタイトル通り「創造性」について書かれてます。コンピュータが発達してきて人間には単純作業ではなく創造性が求められる…という話から始まってその創造性とはなにか?…という話をあくまでも脳科学者からの視点で書いているのですが,トータルなメッセージは啓蒙書というか哲学書というか生き方というか…そういう風に私は捕らえました。つまり私が自然科学と別の方向として好んで読む「ココロ」の話の本のメッセージとメッセージ的にはだぶるわけです。
しかし痛快なのはそれがあくまでも脳科学の視点で説明されている。例えば人を愛するときに値踏みをする時に用いられる前頭葉の活動が低下する。つまり愛するときは物事を値踏みせず受け入れるという事,創造は批判することから生まれないということから愛と創造の間には関連がある…なんて書いてます。
これは宗教家や思想家が述べる愛の重要性とは全く違った説得力を持っており,データがないものは信じない…と言うような堅物な人でも「そうかも…」と思わせるような説得力があります。
他にも「一回性」について語られていて,人間は初めての体験というのはそれ以降とは全く異なる。なので一回性というのは大事なのだけど,個人レベルではなく大衆レベルに一回性を起こさせられるのが天才だとか,一回性ゆえにオリジナリティというのは高く評価されるというような話が書いてます。これも人間に初めての体験があると脳構造に変化があるという話から始まっていて,あくまでも科学です。
そして重要なのは創造というのはどんな人間にも可能で,いろんなレベルでの創造が人間の中では起きている…,そしてより良い創造が起きるために,人や物に多く触れた方がいいと言うような事も書いてます。
この様にこの本は一見脳科学の読めますがメッセージがかなり強い本です。その伝えてくるメッセージはわたしにも大きく共感するのですが,その説得性が脳科学からきているというのが実に新鮮でした。うーん,やっぱり科学も宗教も哲学も目指しているところは同じなんだなぁ…と。そして茂木氏はこれで自然科学を一歩上に引き上げてるんだな…という事を強く感じた本でした。
お見事。