たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

芸術と国家

2005-12-28 16:36:17 | 時事
日曜のことですが,街へ出かけると赤と白の帽子やワンピースを着てる売り子が大量にいて,あぁー,ニッポンってすっかりコスプレが一般化してるのだなぁ…と:-)。というか昔はクリスマスのコスプレってサンタ(爺さん)じゃありませんでしたか?…。最近は女の子の方が遥かに多いです。しかもミニスカート。女の子にミニスカサンタの格好をさせる発想って,なんとなくエロオヤジというか…,まぁわかりやすくいうとバニーさんの格好をしてもらいたい発想…と近いものを感じていたのですが,なんか最近はその辺のケーキ屋でもやっていて,しかも女性も「かわいい」と喜んでやっているところ辺りに,この国のコスプレ好きという国民性が伺えます。あれって女性のセクシャリティをもろ売り物にしてる世界だと思うのですが,あんまりこういうのをお店で強要されてもセクハラ…と受け取る発想はないのだなぁ…。
…と書いているわたしは,こんなニホンが大好きです(笑)。あぁー,わたしも正月くらいは和服でも着てコスプレしたいのですが,持ってませんorz…。

…で,街中がなぜか赤白に彩られる中,TOCのICCへ。ちなみにTOCは良く週末広場でパフォーマンスやってるのですが,今日はやっぱり赤白のコスプレで演奏してる人多かったです。でも新宿駅の周辺程人が多くなくて,まぁいい感じでした。
ICCはリンクを見て頂ければわかるように来年からのスケジュールは真っ白…で,当面,今日が最後の展示でした。まぁ一応来年も存在してる…ていうふうには聞いてますが,その決定も結構遅れたので,予定が組まれてなかったのでしょう。そして今回の展示はこれまでのメディアアートの歴史を振り返るような展示でした。
最後だからかクリスマスだからかわかりませんが,人が多くて,「あぁ,もっと早い時期に見に行けば良かった…」と思ったりもしましたが,それでも並んで見るような感じではなく,単にパネルの文字を読んだり,ヘッドホンで音を聞くのにちょっと待たされる程度の混み具合い。やっぱりこの手の展示って,上野とかの企画展とかTV連動企画のように列をなして見てる展示と比べると非常に人が少ないし,またそういう風にしないとじっくり体験できない作品が多いです。
今回ICCの存続自体が議論になったとき,多くのファンが反対を表明しましたが,だからといって会場に人が溢れたわけでもなく,そもそも美術館存続のために寄付したり,毎日会場に通ったりする人間なんてそんなにいるわけじゃありません。だけど,芸術の記録(アーカイブ)や,それを人に見せる事業というのは,国家やある程度の規模を持った企業とかの責務だと思います。
…何をいいたいのか…というと最近は国立の美術館を民営化しようという議論が聴こえてきて,グーグルとかで「民営化 美術館」とかで引くと,わらわらヒットするのですが,こういうことを考えること自体,なんって馬鹿な発想か…と。
そもそも美術館とか博物館は権力者や金持ちが価値があるものを収集してそれをお互いに見せ合うという発想で生まれたものと思いますが,それを一般にも公開してるだけだ…と。つまり展示をして儲る…というものではなく,あくまでも芸術品の収集と保管に意味があるわけで,そこに採算制なんてあるわけが無いのです。従って美術館は金を持ってるところか権力を持ってるところが保持すべきで,それを民間にやらせるっていうのはおかしいと。売れるもの,もしくは投資目的だけで芸術品が判断されていたら,そこに本物を見きわめる目が曇ると思います。
最近何でも民営化…で短期的に金儲けをするような発想が世の中に蔓延していて…,日本人もずいぶん民度が下がってるな…と思います。単なる市場性だけで物事を判断せず,公共性や文化,潜在的な技術力を高めることが長期的に国家の価値をあげると思うのですが,そういう視点が徐々に薄れていっている感じにとても危機感を感じます。
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女性における小子化への立場

2005-12-27 10:00:46 | 社会
土曜の事ですが,朝から例によってTVを観てましたが,ウェイクアップ+で小子化の話をしていて,女性の出演者が3名+1名いたのですが,話している内容がバラバラ。まぁ確かに問題は多様なのでしょうが,こういうまとまらない感じが,男性たるわたしからみても,これじゃー全然話が進まないよなぁ…とか思ってしまいました。特に自民党から来た新人女性議員が暴走していてこういう人が女性の代表になっちゃうの?…悲惨だなぁとか思ったり。まぁ蓮舫と金美齢の意見はそれぞれ納得出来るところありましたが…。蓮舫は実際に子供がいるし,そして議員らしく制度の整備をいろいろ訴えていて,これはこれでそうだと思いました。で金美齢は「愛」と書いて,精神面を強調してましたが,これも単に綺麗事を言ってるわけではなくて,世論の意識を変えていきたいという話。というかマスコミに対する警告。つまりマスコミが「子供を育てるのは大変」というミームを出しすぎていると…,それじゃだれでも尻込みしてしまう…ということだったらしい。まぁ制度が未整備で実際大変なのに「子育ては幸せだ」というメッセージばかり流すのも問題もあるんですが,だからといってネガティブな面ばかり強調するのもどうかと思いました。

で,レギュラーの女性である香山リカが…,そういう子供をつくるのがいいことだ…という風潮が流れると独身の人が肩身が狭い思いをする…ということで水を刺してましたが,これはどうかなぁー…と。だって逆に今まで,社会での成功こそがいいこと…という風潮をつくって,主婦や子育てをすることに対して,価値を認めず,そして個人の問題に押し込んでしまったというのはいいことなの?…と問い詰めたく…。どっちかを極端にいい悪い…というのは確かに問題がありますが,だいたい社会で成功することを良しとする考え方は,その喜びに感じられるのは一部の人間だけで,結婚せずに働いている女性がすべてそういう思いができるわけじゃない…というかむしろその考え方に突き動かされた挙げ句何者にもなれなかった人がどれだけいることか…。まぁこれは男性もそうですけど…。でも家庭を作り子供を育てることが幸せなことだ…というのは女性も男性も全員とは言いませんが,比較的多くの人が経験できる幸せだったりするわけで,一部の人しか達成できない目標より,多くの人が達成できる目標を世間に流布する方が,わたしは建設的だと思います。

というか,独身を追い詰めないで…っていうのは香山女史自身の立場なんでしょう…。つまり結局多くの人が自分の経験だけで意見を言ってるわけで,立場が違う人の気持ちを思いやれないのだなぁ…という辺りにも女性問題を建設的に議論できるようなコメンテータがなかなかいないのだな…と言うことを感じました。まぁ女性の家庭問題が社会化されておらず,密室の状態になってるってことなんでしょうけど…。
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意味

2005-12-22 11:14:34 | ココロ
結構目の付け所が良くておもしろい文章を書く「Simple 憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向日記」さん,おもしろいんだけど,書いてる内容にはいつも非常に疑問を感じることが多い(じゃぁなんでおもしろいか?…というとまぁそれはそれ)んですが,今回の「意味よりも、リズムが大事」という文章は内容的に同意してしまって意外でした(^^;)…。
というか,この方普段はもっと冷めてるというか,シニカルすぎるというか,夢無さ過ぎ…というかそういうところで「書きすぎ」の感があったので,こういう「意味の肥大」を指摘する文章を書くなんて思いませんでした。しばらく更新なさってませんでしたが,なにかありました?:-)…。
もっとも実際は他の方の文章を引用されているので,その引用元の方に共感をおぼえる…という感じなのかも知れません。
…とにかく,どうも最近は「意味」や「自己」が肥大してそれに潰されそうになっている状況を良くみます。これまで散々メディアや教育が「自己」や「意味」を強調してきたから無理もない…と思いますが,それは一部の成功者を作り出すために多くの失敗者…というより平凡な人を虐げているという現実を産み出していると思います。だいたい「ナンバーワン」にならなくても良くても「オンリーワン」になるのもとても大変なことで:-p,実はあの歌も結構きびしいです(笑)。
普通の人が普通に生きている,誰でもできるけど,誰かがやらなくてはいけないことをやって生きている事だって,そんなに悪くないし,卑屈になる必要もないと思うのだけど,どうもなかなかそういうことを口にする人が少ないと思います。だいたいTVに出て喋ってたり,本を書く人間というのは決して一般の人ではないわけで,メディアに登場する人間(アイドルとか文化人)は50年前に比べて,いまはずいぶん「その辺の人」ぽく振る舞ってますが,それは親しみを持てる一方で「じゃぁ自分はなぜそうなれないのか?」という残酷な問いかけをしているようにも思います。
…話が膨らみすぎている(^^;)…。「自己」っていうのも「意味」の一種なのでくるめちゃいますが,要は「意味」っていうのはそういう弊害があるって意味です。そもそも文章にしちゃう時点で「無意味」が「意味」に勝つのは結構難しいんですが,実際の世界には意味はなく(因果はあるけどね),意味をつくっているのは人間ですから,本当はそんなことに捕らわれていては馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しい。日本…というか東洋には「無」という概念があって,本来「意味」という概念は西洋の方が強いので,現在は明治以来輸入され肥大を続けてきた意味がそろそろ社会に弊害を与えているって事でしょう。でも本来西洋も意味はあってもその前に神の前には平等という無意味さがくっついているんですけどね。
リンクの更に引用元の文で,うまいなぁ…と思ったのはいきなり無意味にしちゃうとみんななにしていいかわからなくなるので,「リズム」つまり普通に暮すことを勧めていることです。
個人的にはわたしも結構物事を考える質ですが,すでに考えてもしょうがない…という結論が出てます(笑)。考えるのは物事をうまく相対化出来ないと,結構辛いと思います。そういう意味じゃいろんな意味を問いかける今の世の中は結構暴力的だと思います。
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サンデーモーニング

2005-12-20 21:25:16 | 時事
朝TVでサンデーモーニング(TBSのやつ)を観ていたら,民主党の前原さんが中国批判をした件とか,民主党の党内がゴタゴタしてる件とかの話から「民主党は対案なんて作る必要はなく,自民党をしっかり監視すべき」みたいな意見が出て驚いた…。いや,コメンテータの意見を一人一人追ってるわけじゃないので,それを言った人達が以前なんって言っていたかわからないのですが,半年くらい前は「民主党はしっかり対案を示すべきだ」って話になってませんでしたっけ?。
…わたしは週末の午前中は報道系のバラエティ(あれを報道番組というには抵抗があるので:-p)を結構長い時間観ていて,土曜は朝の5時過ぎからみのもんたの番組を見て,その後日テレのウェークアップ見て,その後気が向いたらフジを見て…と。そしてに日曜はサンデーモーニング,サンデープロジェクトか…。
それぞれカラーが違うのは,いいことだと思うのですが,コメンテーターの話で一番「はぁ?」と思うのはサンデーモーニング。まぁ全員のコメンテータが妙なことをいってるというわけではなく,2,3人そういう人がいるだけなんですが…。
今の前原さんは民主党を政権を取れる党にするためにいろいろ四苦八苦してるようにわたしは思いますが,「自民党を監視」とかいうのはそれは野党としての役割を果たせ,非現実でもなんでもいいからとにかく文句を言え…ってことで,それって社民党と共産党の役割ですってば(笑)。もっともそういうことをやっていたら支持者がどうなったか?…というのは社民党を見れば特に明らか。国民が何を求めているかは如実に表われていると思います。
後ろ向きな批判なんって聞きたくなくて,権力にとにかく文句を言っていれば知的とかかっこいいとかそんな勘違いをしてるのは古い世代だけです…というかまぁ古い人がそういうんですけどね。
…ただ個人的には民主党にわたしが期待するのはいまの前原さんの政策とも違っていて,本当は大きな政府系のモデルを立てて欲しいというのは以前から書いている通り…。まぁ世間の風潮が小さな政府こそ望ましい…と言う風になってるので,難しいとは思いますが,小泉さんが思いっ切り政府を小さくした後に,あとで必要な部分を膨らましていく…って手もあり,そういう意味じゃデストロイヤーとして小泉さんはうまく機能してると思います:-p。
現在の政治って首相自身が旧来体制を壊し続けてるから,評論家って批判しにくいんですよね:-p。だから上記のようなちんぷんかんぷんなことを言う人が出るかも知れません。
……で,番組がつまらないなら観なきゃいいじゃん…という事を言われるかも知れませんが,この番組スポーツコーナーだけは週末午前中の番組の中じゃ一番おもしろいんだよなぁ(笑)。だから観てしまうという(^^;)…。実際スポーツコーナーの時間は結構長いので,まぁそうい番組と言えばそうなんでしょうけど:-p。
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S60チルドレン (川畑聡一郎先生のご冥福を祈ります)

2005-12-19 14:57:42 | 書評
現在発売中の週刊イブニンブの416ページを観て驚きました。今年の夏までに「S60チルドレン」という連載を行っていた川畑聡一郎先生が亡くなられたそうです。31才。桝田道也氏のところに訃報があります
正直に書くとわたしは川畑先生については「S60チルドレン」しかしりません。というかおそらくこの作品が初めての長期連載だったのではないでしょうか?。わたしは熱狂的なファンではありませんが,妙な味があるこのマンガを気に入り,一応単行本(全4巻)はそろえております。なので,作者のことはわからないので,マンガのことなどを。本来ここはマンガの感想を書くところじゃない(マンガの感想を書くところは別にある)のですが。

S60チルドレンという作品は昭和60年頃に鹿児島で小学生低学年を過ごしている少年少女達の日常の物語りです。なぜ鹿児島か?…というと作者がそこの出身だからだそうです。ですので,この物語りには当時の流行なども合わせて非常にその空気を持ち込んでいます。
このお話の秀逸なところは子供を人種として描いている,つまり大人とは別の生き物として描いている。もちろんSFじゃないので普通に親や先生と生活してますが,子供は子供の社会があり,そこの原理で動いているということです。そして主人公の男の子は,妙に物事に冷静な視点を持っているものの,クラスメイトの誘いに流されたり,変な虚栄心があったり…と実にその心情を丁寧に描いています。例えば馬鹿馬鹿しいと思っていても,友達とお菓子やそのおまけを買ったりとか,遠足にいくとなぜか周りになじまない自分を感じるもののどうしようもないと思ったりとか…。
いきなり自分の話をしますが,わたしは子供の頃自分は正しく(大人でいうところの論理的に)思考できてると思ってました。そしてそれが現在まで続いているところからして,現在のわたしの記憶では当時の自分はきちんと物事を考えていたと思ってます。しかし実際に例えば小学3年の子供と接したり,当時のとある行動面だけを思い出すと,やっぱり突拍子もない行動をしたり,変な顔とかをしたりとか…そういうことはやっていたように思います。つまり自分は過去の自分はちゃんとしていたと思っていても,実際はそうでないことが多いのではないか?…と思います。広げると人は自分の過去を過大に正しかったという記憶に書き換えてしまうのではないか?…と思います。
話がそれましたが,この作品でも主人公はおそらく大人になって思い返した作者の記憶が元になってると思います。しかし秀逸なのはそれでても子供故の大人とは違う思考をうまく表現できていて,それが大人である我々が当時の自分にうまく入っていける事になってるのだと思います。
この作品はギャグというよりは妙なノスタルジーがある作品で,おかしなことをやっていても笑うというよりは,どこか懐かしく寂しいい感覚をわたしはおぼえます。そしてその中にある子供の社会のシビアさ,ある人はクラスになじめず不良のグループに入ったり,ある人は塾に通って勉強するも頭がいい友人に勝てず,それでも自分のプライドを何とか保つとか,そういう子供なりの社会をうまく描いていると思います。
S60チルドレンはおそらく読む人によって胸に込み上げてくるものが違う作品だと思います。それゆえに良い作品だとわたしはおもいます。
そして,この私小説的な作品からどのように世界を広げていくのか?,これからが楽しみであった川畑先生が亡くなられたことをとても残念に思いました。ご冥福をお祈りします。
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マナーを教えるということ

2005-12-16 15:16:04 | 社会
某SNS経由でわたしも行ったキースジャレットのコンサートに関する意見を知りました。
これを書いた人は20日もしくは21日のコンサートで鯉沼ミュージックがお願いをしたことに対して不快感を発してますが,14日のコンサートを見たわたしからすると,14日のコンサートを見ずに良くもそんなことが言えるな」と…。
これを書いた人を鯉沼の呼び掛けを「強要」と書いてますが違います。これは「教育」です。演奏が良ければ結果として静寂が訪れる…みたいなことを書いてますが,本当でしょうか?。わたしはそうは思いません。観客にはいろんな人がいるからです。
キースジャレットは現在最高のピアニストの一人ですが,そのおかげでジャズファン以外のリスナーもかなりコンサートに来るようになってます。もちろん,その中にはジャズよりもきびしい視聴態度を要求されるクラシックのファンもいて,ジャズよりもかえって静寂な観客空間を形成できていると思いますが,一方で有名だからこそ一度観てみたいくらいの気持ちで普段コンサートを観ない人も増えていると思います。そういうコンサート自体に不馴れな人が自主的にコンサートのマナーを守れるとは限りません。ジャズのライブですら音楽の内容により声をかけた方が盛り上がる音楽,だまって聴く音楽など一意に決まりません。その時の状況に応じて観客が判断するのですが,それをコンサート初心者が自分で判断するのは困難です。ですから,注意書をわたし,演奏が完全に終わってから拍手をしてくれ…と書くのはいいことだと思います。
それに14日のコンサートは…いえ聴いたところでは21日のコンサートでも携帯電話をならす人がいました。携帯電話については,どんなコンサートでも開演前に電源を切るようにとのアナウンスが流れます。なのにかならず守らない人がいます。今回はアナウンスに加えて,件のビラ,そして会場でスタッフが生声で叫んで注意を促すというシーンがありました。そこまでしてようやく電源を切る人もいたのです。これは単にうっかりかも知れません。しかしコンサートが始まる前に電源を切るなりマナーモードにするのを気づくことができないような人に観客の自主的なマナーを期待するのはかなり困難です。
さらに書くと14日で問題になったのは「咳」もありました。咳は生理現象…という意見もあるでしょうが,一人が始めるとみんなが始めるというのは明らかにガマンの問題です。または咳をしてもいいという雰囲気かもしれません。ですから,そういうことは極力注意しなければならないと教えるのはいいことです。
この文を書いた人は張り紙を「芳香剤」と書いてます。でもわたしは14日に雑音を出した人に対してはもっと強い悪臭を感じました。悪臭を出さないための芳香剤ならそれはそれでしかたないかと思います。
こういう文章書く人って大衆の善意を訴えるくせに,いざ現実で問題が起きたら「自分は違うが残念な人がいた」みたいなことを書くんじゃないか?…,そんな気がします:-p。
それから…「録音していることは聴衆と無関係」と書いてますが,キースジャレットはここ数年,ソロコンサートを日本でしか行ってません。文章を書く人ならばこの事実の意味を考えて,それでもそういうことを書くか…考えて欲しいです。
ということで反対意見を表明しておこう…ということで,あえて苦言をいいました。どうしてルールを教えることが強要になるのかわかりません。ルールを教えるのはむしろ善意だと思います。ルールを教えず誰かが不具合をしたら一斉に「非常識」とか言って責める文化に最近なってませんか?…,ちょっと最後は脱線してますが,最近そういうことを感じます。自由にさせていればすくすくいい人に育つ…わけないじゃない…。
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ブエノス・ディアス,ニッポン~外国人が生きる「もうひとつの日本」(ななころびやおき著)

2005-12-13 17:47:47 | 書評
著者は現役の弁護士。主に…というわけではないらしいのですが,海外から日本に出稼ぎに来ている外国人からの依頼を受けることが多いそうです…といってもほとんど金にならないらしく稼いでいるのは別件だったりするそうで…。

ほとんどが著者担当した案件についてかかれています。主に海外から出稼ぎに来てビザが切れてオーバーステイになってという人があることで不具合を被る。それは法務局にばれて強制送還…という場合もありますが,事はもう少しややこしい場合が多いです。
…というかこれを読むまで実態がこうなっていることにわたしはあまりにも無関心というか知りませんでした。日本にラテンアメリカや東南アジアからの出稼ぎ労働者が多数いることは何となく把握してましたが,オーバーステイになってそのまま日本で数十年以上暮らし続けている人がかなりいるようです。数十年も暮すと当然結婚したり,子供ができて子供は日本語しか喋れなかったり…と,そういう状況で家族ともども強制送還になってしまったり,病気になっても保険に加入できなかったりとか…。
著者の案件は主にそういうものに永住許可を得るための裁判を担当したり…とかいうものが多いようです。
著者は本書のまえがきで以下の四つをこの問題の本質と言ってます。

「『専門知識,技術を持った外国人のみを受け入れる』という政府の方針は建前に過ぎず実際は外国人労働者の多くは単純労働者であり,実際は彼らから多くの恩恵を受けている」,
「漢字の文化が漢字圏以外の外国人の地位向上を阻んでいることへの 無自覚」,
「外国人が異なる存在であることを前提に,外国人管理をしようとし条件の違反に制裁を加えようとする」,
「在日外国人の問題を外国人を差別するのが当然という視点で管理していること」。

つまり我々の認識では海外から日本に働きに来てビザが切れても働いているのは彼らが悪い…,そしてそれで不利益を被り挙げ句の果てに非行や反抗に走るのは彼らが100%悪いとなっているように思います。というか申し訳ないけど,わたしにはそういう感覚がありました。しかし著者は海外から単純労働者を受け入れているという現実があるのに,彼らが被る不具合を解消していないため,彼らを追い詰めているのは国の方だと…。
実際に本の事例を読むと,そういう風に書いているからでしょうけど,かなり気の毒に思えるような部分があります。著者は弁護士だからそういうことに対してクレームをいいますし,それには「そうだよなぁ…」と感じます。
ただし一方でわたしの中には「そうは言ってもそういうルールなんだし,それを承知で入国してるのではないか」(もっとも法務局の運営基準も不透明らしい)とか,「外国人労働者が日本人なみに暮しやすくなることは,海外から大量の労働者の流入を招くことになり日本人の仕事を奪うことにならないか」とかいう感情もあります。正直わたしは著者がいうように実態に合わせて,いろいろ緩和することにすべて同意…いえ多分ほとんど同意出来ないように思います。もちろんそういう部分とは違って単純に改善すべき点で同意できるところもたくさんありますが…。
ただ著者に賛同していいか悩むところであはあるものの,わたしたちの目につきにくいところで,多くの人達が苦しんでいて,結果的に彼らを追い詰めてしまってたり,またわたしたちが無意識に彼らを差別し排除してしまっている現実はやっぱり知っておかないといけないのだと思います。

最近の現実の事例でいうとフランスでの移民系の若者の暴動,そして日本国内でも不法滞在者による犯罪などが話題になります。その際に安易にマスコミの情報で思い込みをつくらないためにもこういう本を読んでおく必要はあるのでしょう。
ちなみにこの本によると外国人の犯罪が必ずしも日本人に比べ物凄く多いとも限らない様です。また上記のわたしの感想を読むとなにか外国人が悪いことを犯した事ばかり書いているように思うかも知れませんが,実際は不法滞在であること以外は実に実直にひっそりと暮している例がたくさんあり,それでも非常に不利益を被っているという現実があるようです。
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iPodとソニー

2005-12-12 16:43:19 | 音響
先日「メモリースティックはなくなるの?」という文を読んでいて,いろいろ感じるところがあった。とにかく最近はソニーの話題が多い。CCCDのスパイウェアの件,新しく出たウォークマンの絡み,基本的にネガティブな話が多い。そういえば去年だっけPSPが出た後もクレーム騒ぎとかあったなぁ…。

もっともAIBOが出たときの社会の熱狂ぶりにはわたしはクビを傾げていたのでそのぶり返しが来てるだけのような気がするが,勝手に期待して期待を裏切ると悪者騒ぎ…というのでは,ちょっと気の毒のような気がする。
話が発散するので,圧縮音楽プレーヤ,いまだとiPodが既に成功者としてジャンル名にもなる勢いですが,その件について。
あまりはっきりとは言えないのですが,わたしはこの手のMP3携帯プレーヤの創成期に開発に係わっていたことがあります。そして敢えなく撤退しました。どのメーカか…というのは言いたくないのですが,そのときのライバルにソニーがいました。まぁつまりライバルにソニーがいたし,ライバルメディアとしてメモリースティックがあったので,感じるところがあるわけでもあるわけです。
…とはいえ当時からiPodが発売して売れ出すまでの間,いろんな会社が同じようなプレーヤを出しては消えていきました。配信の仕組みみたいのもつくられたことがあります。そういう中でわたしも当時なぜうまくいかないのか…というのをいろいろ考えて,「うまくいくはずがない」と結果的に結論が出たので(苦笑),まぁ辞めざるを得なかった…ということです。
というわけで,実はわたしはiPodの最初のモデルが出たときに,これも成功しないだろう…と思ったのでした。ですが,結果を観れば,わたしの読みが当たらないことを証明しただけでした(^^;)…。
とはいえ,このiPodの開発秘話を読むとなぜアップル以外が失敗したか良くわかります。それは目の付け所が違っていた…ところもありますが,アップルだけが解決できた問題点もあります。
この秘話を読むとアップのiPod開発者がこだわっていたことはあくまでも使いやすさです。で,その使いやすさとして具体的にこだわったのが,パソコンから曲を転送する事の面倒さの解消,そしてヒューマンインタフェースでしょう。iPodが出る前からHD内蔵の携帯プレーヤが無かったわけではありません。しかしそれまでのHDプレーヤは大量の曲を入れるという点でHDを採用してました。アップルはおそらく違います。アップルがHDを採用したのはあくまでも「イチイチ曲を選んで転送するのが面倒なので全部転送してしまう」という事を実現するためです。つまりいっぱい入る事にこだわってるのではなく,あくまでも使いやすさです。ですから,単に曲がたくさん入るだけでは駄目で,パソコンと自動的にシンクすること,そしてその大量の曲を簡単に選んで再生できることにこだわってます。

さて,では,わたしが開発に携わっている頃,いったいどういう視点だったでしょうか?。当時競っていたのは「大きさ」と「音質」でした。カードサイズにしたり鉛筆サイズにしたりいろいろあったと思いますが…。今考えるとそれは無駄に小さくしてディスプレイを小さくして扱いにくくしていただけ…とも言えます。そういう意味でいうとiPodが大きさはワイシャツの胸ポケットにはいればいい…としたのは実に賢明な判断だと今更ながら気づきました(^^;)…。あと音質もMP3,ATRAC3,AAC,TwinVQなどいろいろありましたが,実はそんなに音質変わりません。だけど,当時は音がいい方が普及する…って考えていたのですよね。
iPodがこだわったファイルの転送の簡単さについては誰もが気づいてました。しかしフラッシュメモリにこだわり全曲を移すなんっていうのはとても考えられない。またレコード会社との関係もありDRMをかなり強固にかけなければいけない,そしてWindows対応にするため,いろんなハードに対応しなければいけない…という点で,技術的な点から諦めていた様に思います。そういう意味でいうとアップルの場合,パソコンを自社でつくってるのでハード管理がしやすいという点,そして日本の保守的なRIAJに比べると,若干ましなアメリカレコード協会という意味ではアップルだから出来た点もあります。特にiTMSの件に関しては日本では無理だし,アメリカで始めるにしてもアップルのブランド力があってうまくいった…という事もあるでしょう(まぁSONYはアップルと同じくらいブランド力があるように思いますが)。

…ということです。つまりiPodが成功したのはすべてのハードを一社で扱ってるアップルという会社であったこと,アメリカで音楽業界で名が売れてるアップルだったから…という点はあります。しかしソニーだって海外のCDのレーベルを持っているし,パソコンだって出している会社です。ただソニーはVAIOをウォークマンマザーマシンと位置づけることをしませんでした。ソニーはアップルに比べ扱っている製品が多すぎてパソコンと他の電子機器を組み合わせるにしても多すぎるのでしょう。
個人的にソニーの場合パソコンよりもセットトップボックスでウォークマンをサポートした方がいいと思うのは,上記のようにどっちのハードも一社で管理した方がいいと思うからです。そして,そのマシンはパソコンを触ったことも無い人がラジカセかビデオデッキ程度の扱いやすさで触れるようなモノでないと,今更iPodに追い付けないと思います。
ただし一方でPSPに映像データを送り外でTVを観れるようなビデオデッキもソニーはだしており,iPodもビデオ対応したことから音楽プレーヤよりビデオプレーヤとしてiPodに先行した方が得策かもしれません。もっともその際にはもちろんユーザの使いやすさを第一に考えて過剰な技術競争をしないという視点は大事なのでしょう。
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コミュニケーション

2005-12-09 11:10:48 | ココロ
コミュニケーション。コミュニケーションの手段というかノウハウとかそういうのを紹介する書物とかセミナーとかWebとか最近良く見ます。職場関係だったり異性関係だったり。実際会社で部下の指導の仕方(コーチングね)とかの研修受けたことあります。
なんとなく「コミュニケーションって習うもんなんですか?」と思ったりも…。まぁ今よりうまくなりたいっていうのはわからないでもないのですが,じゃぁ今までコミュニケーション出来てなかったのか?,最近言われてるって事はじゃぁ,いままで数千年間人間はコミュニケーション出来てなかったのか?…とか思います。
まぁ道具が変わった,メイルとか出来たし…っていうのはわかりますし,職場においては人間関係が変わった(年輩の経験が後輩を指導できる時代じゃなくなった)っていうのはわかりますが,異性との付き合い方,はたまた近所付き合いの仕方…などそんなもの大人になるまで自然に身に付かなかったのか?…,などと思います。
コレって時代性なんですかね?…。良くわかりません。それとも昔の人はもっと表面的な付き合いで問題が生じなかった…,現在は人間の利害関係,自我意識の増幅,情報過多…とかそんなので,より深く人間は知り合わないといけないの?…とかそんな感じなのでしょうか?。それとも単純にここ数十年の日本では幼少時代にコミュニケーションを学習せずに成長するような社会がつくられていた…って事なんでしょうか?。
まぁでも実際コミュニケーションがやられてない…っていう感覚はあります。そう思うのはネットとかを見ていても,きちんと喧嘩してるところとかが見えなくなった(^^;)…。喧嘩というか議論なんですが…,昔はMLとかで結構深い議論が出来ていて,意見が違う相手でも,お互いに意見をぶつけ合って,擦り合わせるところ,出来ないところをきちんと見いだせた気がします。最近は匿名掲示板にしても,どこかの掲示板にしても,ブログにしても,SNSにしても,なんか言いっ放しでぶつかってる喧嘩しか見たことがなく,お互いの文章を引用してそれをきちんと読み解いているような場面をほとんど見なくなりました。ってことは実際の会話でもそうなんでしょうか?…。まぁお互い言いたいことを言って,話が噛み合ってない会話…とかは以前からもあったと言えばあったのですけど…。
議論といえば,わたしが高校生の頃,大学生の頃…,数回ですが一つのテーマで朝まで議論するようなことがあって,まぁわたしはどちらかというと,その議論を熱くする方で,周りのほとんどは「ヤレヤレ」って感じだったりもしたのですが(^^;),そういう中で相手の意見を聞いて,読み解いたり揚げ足取ったり(苦笑),まぁいろいろ手法を学ぶわけです。今でもわたしの話を聞く態度は「この人何が言いたいんだろう?」と思って聞くことで,「なにを言ってるんだろう?」ではありません。大学に入ってネット始めて,そのネットの中でも何度か議論になったことはありますが,まぁそれなりに建設的に出来た気がするし,そういう中でいろいろ学んだ気がします。
まぁこの歳になると,自分のことをわかって欲しい…っていう欲求は薄くなっているのですが(苦笑),でも世の中を見るとコミュニケーション不全で悩んでいる人は多いように思います。今の人は若い頃にそういう人とぶつかり合うような経験はしてないのだろうか?…,などと思いました。
結論はないのですが…,大きな疑問…としては,こんなのに時代性があるのか?…って事で,結局良くわからないのでした…。
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外国人とのランク

2005-12-08 13:36:36 | 社会
前のエントリを書いた後の話ですが,以前購入していた「ブエノス・ディアス,ニッポン」という本を読み始めました。まだ読み終わってないので,感想は後日別途書きますが,関連するので,さわり(要点)だけ。
この本は日本にいる外国人の案件を多く扱ってる弁護士が書いた本で,つまり不法滞在してる外国人が抱えている問題について書かれています。日本は建前では特殊能力を持った外国人以外の就労を認めてない…といいながら実際は多くの外国人が単純労働のために日本にいます。不法入国やオーバーステイ(ビザが切れた後も日本に居続ける)が実態としてはかなり行われていて,そしてそういう人たちを雇う業種もあるし,そういうところに人を派遣する会社もある…。つまり建前と実態が乖離してます。乖離しているために,この手を扱う法律が,つまり役所が一貫性のあるルールで運用されておらず,役所の気分でその人たちの扱い(強制送還されたり,長期滞在が認められたり)が決まってしまう状況のようです。
この本を買ったのはわたしが以前オランダにいって詐欺にあったときに,海外の治安が悪い…というよりは,単にわたしは日本にいるので気づかないけど,日本でも外国人に対して行われる犯罪があるのでは?…と,つまり日本が安全で居心地がいいのは日本人にとってだけで外国人にとってはそうではないのでは?…と思ったからです。
で,この本をちょっと読んで気づくのはそういう役所の問題もありますが,それ以外にも世間の目とか,仕事での扱いとか…いろいろ在日外国人は大変な目にあって…それでも日本で稼ぐために我慢して身を隠して目立たないように働いている人たちが結構いるということです。
…で,昨日の日記に書いたようなことを考えつつ週末のニュースをみると,捕まった犯人の件はいいにしても,この事件をきっかけに犯人と同じ職場だった外国人,親族などに対する報道の執拗さ…そしてその時にかなり低姿勢で記者に答える彼らをみると,ちょっと日本人じゃないってことですべての外国人に差別意識が生じてないか?…と。
結構驚いたのが犯人に9才の時に被害にあった女性(現在は成人)にわざわざペルーまで行ってインタビューしてること。もちろん本人に了承をとって(でも謝礼金で釣ったのかも知れない)るのでしょうが,小児の時に性犯罪(ただし未遂だったそうですが)にあった女性に(モザイク付きですが)映像付きでインタビューするなんっていうのは,同じ日本人に対してだったら出来るのだろうか?…とか思いました。
どうもね…。今回の扱いの中に日本側には「同じ外国人なんだからみんな怪しい」という思いと「大げさになってますます差別を受けると困る」と思って低姿勢なペルー人の構図を感じて…とても気持ち悪いのです。
もちろん,犯人の方を持つつもりは全然ありません。ただ先日のフランスの暴動のような構造が規模は小さいものの日本にもあるのだな…と。なんとも気持ち悪いし…,どうも我々に良く見えない部分があるな…って思います。
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