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たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

お前の1960年代を,死ぬ前にしゃべっとけ!(加納明弘,加納健太著)

2013-03-17 10:19:37 | 書評
前書きに紹介されているようにこの本はバリバリの団塊の世代で全共闘の中心的人物として何度も逮捕された加納明弘氏が肺がんであることが発覚した時点で息子である健太氏が,当時についてインタビューをするという本です。ちなみに父親は文筆業の人,息子はファンド会社の人ってことで,どっちの人の関連で書籍化されたのかはよく分かりません。有名な人なの?。

父親は私より20歳くらい上,息子は私より10歳くらい下のようです。10歳下だともう60年代の学生運動の話はまったく聞こえてないのでしょうか?。学生運動が盛んだったのは私がまさに生まれた頃の話だと思うのですが,不思議なことに,小さい頃からその話は聞こえてました。私が中学くらい…というと,もう学生運動からは10年くらい後でしょうが,その頃から聞き始めたフォークソングとかを逆順に辿っていくと,どうも学生運動にぶち当たる…そんな感覚がずっとありました。反抗期に入りかけたわたしは,大人への反抗の形の手本として,そういうものに憧れを持っていたかもしれません。

私の世代はやがて新人類と呼ばれる人たちの直前で「ノンポリ」とか言われたこともあったけど,要は政治的無関心の最初の方の世代です。でも,まだどこか大人に反抗することに対する憧れがあって,高校に入って学生で集まってがやがややるのが楽しかったけど,何も戦う相手が見つからないというもやもやしたものがありました。大学に入り社会に出て,そういうものがなくなりましたが,実際学生運動を戦ってきた人はどういう人で何を考えていたのだろう?…というのは,興味の片隅にありました。というわけで,今回この本を読みました。

対談形式ですが,父親がライターだからか,話が明晰で情報量も多く結構読みやすかったです。やはり学生運動の時代の話は実体験だけあって迫力があります。当時の日本の社会がベトナム戦争への日本の関与をどのように捉えていたかとか,太平洋戦争に対する罪の意識をどういう風に持っていたか…というのは,なかなか本などでは書かれてない話で面白かったです。あと学生運動の組織とかの話も,今となってはどうでもいい話なんでしょうけど,面白かったです。昔から全共闘とかセクトとか,言葉だけ知っていて意味は分からなかったので。

父親の明治からの世界の力関係に関する歴史認識は,さすがに筋は通ってるのですが,でも世間一般の認識とずれがあるのは興味深いと思いました。さすがに東大生で学生運動をやっていたわけですから,頭はいいわけです。でもこの人最終的にアメリカのシステムが優れていると言ってるんですよ。その理由がきちんと「間違っていた」といえるからと。あぁ確かに日本のみならず,どの国も間違いを認めるってことをなかなかできません。でもアメリカはわりとよくやる…。それは強みかも知れないなぁとは思います。

さて,この本の元となるインタビューがなされて5年経ちますが,どうやらこの父親の人,ご存命のようです。それはとてもよいことだと思いました。しかし父親の先が短いと思っても,なかなか親子で親の昔話とか聞けないものです。私も自分の親に戦時中の話とか聞いてみたいと思ったりもしますが,もう無理だろうなぁ…とか思います。そういう意味では学生運動の話も面白かったのですが,こういう本が出せること自体,よい事のように思いました。
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僕がアップルで学んだこと ~環境を整えれば人が変わる、組織が変わる(松井博著)

2012-05-01 08:14:30 | 書評
1992年から2009年の16年間アップルに在籍した著者が,その最悪だったアップルから今の繁栄にいたるまでの変化をみて,いろいろ思ったことを書いている本です。「思ったこと」と書いたのは,前半はどのようにアップルが変わったかを書いてますが,後半は,著者がそこで学んだ処世術や自己の成長のためのノウハウが書かれているからです。

個人的には私自身がずっとアップルを見ていたので,その内情という意味で興味があったのは前半。後半は読んでみて,新鮮というよりは個人的には「その通り」と思うことが書いてました。いくつかは意見が異なることも書いてましたが。

良く考えたら著者はわたしとほとんど同い年で,会社で管理職をやっていた(る)という意味で,まぁ似たようなものですから当然かも知れません。それでもちゃんと本にまとめているのはすばらしいと思いますが。

さて興味があった,アップルの建て直しの話。思った以上にすごいなと思いました。でもいずれも,それで会社が建て治るのは道理だなとも思う一方で,普通の会社じゃそこまで無理…とも思いました。

アメリオがアップルを立て直す前には350あったプロジェクトをアメリオが50に減らし,更にジョブスが10までに減らしたと。そしてジョブスが復帰した直後,アップルには2つくらいしか商品が無い…ところまでスリム化されてしまいました。いや,そこまで減らせば,そりゃもう徹底的に会社を再建出来るかもしれないけど,それって既に一度潰して,新たに会社を興したに等しいな…と思いました。そして現在6万人を抱える企業なのに5つの事業しかやってないというのもすさまじく,著者はシンプルであることが重要と書いてますが,大きくなった会社をシンプルな形で維持するのも大変なことだと思います。

そもそもどんなに不採算部門を抱えていても,350ものプロジェクトを会社を潰さずに10まで減らすことが,日本の会社に出来るでしょうか?。そのためには多くの社員をリストラする必要があります。日本場合会社を再建する状態に入っても雇用を維持することが求められるケースが多く,なかなかそこまでドラスティックに会社をいじれない様に思います。それと,やっぱり会社の構造や体質を根本的に変えてしまったジョブスの手腕もすごいものだなぁ…と思いました。

ちょっと思ったのはアップルがアップルとして再建できたのは,やっぱりジョブスの手腕によるものでしょうが,ジョブスはアップルの創業者ですから,会社を一度潰して立て直しても,やっぱりアップルとして立て直すことができたんだろうな,と思います。これが別の人だとしたら,立て直すことが出来ても,それはもうアップルらしさが失われた別の会社になるでしょうし,下手をすると,新しい創業者に誰もついていかず,会社が空中分解してしまったかもしれません。

日本のソニーやパナソニックが多くの赤字を出しているからといって,赤字の事業をすべて止めて,採算がとれる十数の事業とかに絞り込んだ場合,やっぱり会社は空中分解をするかもしれませんが,仮に松下幸之助さんや井深大さんがそれをやれば,同じ方向性で,ソニーや松下が立ち直るかもしれません。そういう意味でいうと,アップルの再建は,創業者が存命なうちに出来たから,ここまでうまく行ったのかもしれません。

さて,それ以外に,アップルのやり方で参考になったのは,開発以前のコンセプトつくりやデザインに多くのリソースを使うとか。確かにそうだなとは思いますが,これも会社の構造をシンプルにしてるから出来るのであって,普通の大企業は,コンセプトなんて方便で,いろんな人がいろんな思惑で,ものづくりをしていたりします。コンセプトがあっても,実際に取り組んでいる人は,自分のところの組織防衛とかが主だったりします。だからうまく行かないんですけどね。解ってるんですが,多分トップがそのコンセプトをきちんと理解していて,それを強烈に推進する力がないと無理で,その辺は日本の大企業だと結構難しいなぁ…と思いました。

でも,いろいろと参考になりました。アップルの再建劇については,著者の印象ではなくきちんと客観的な数値に基づいて書いているところは流石だと思います。
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10代で読むべき本って何?

2010-10-02 22:12:09 | 書評
10代で読んでおくべき本っていうのがネットに載っていて,その冊数も多くて驚きましたが,挙がっている本が哲学の著名な本ばかりで,更に驚きました。驚いていたらfinalventさんが20代だったら,何を勧めるかと挙げていたのだけど,なんかその辺を読んでいて,「読むべき本」を語るというのは結局自分が読んだ本とか経験を語ってることなのね,と思いました。

まぁ読んで無い本は勧めようが無いので,読んだ経験を語るのは当たり前ですが,その本が人生の役に立ったというのは結局のところ,その人の経験でしかない…ということです。

というわけで,自分の10代を語ろうとすると,わたしの場合,多分ほとんど本を読んでませんので,勧めるべき本はありません。わたしの場合20代の半ばまでは読んでいた本なんて,マンガと大学で勉強に使っていた本くらいです。マンガも今みたいに単行本を買って読んでいたのではなく,雑誌を読むくらい。雑誌といえば,音楽雑誌とバイク雑誌は定期的に買ってました。20代後半になっていろいろ本を読むようになりましたが,そういえば古典らしい古典は哲学にしても文学にしても読んでないに等しいです。

わたしの場合「若いときにもっと読んでおけばよかった」とは今も思って無いので,読んでおくべきというのはありません。ただし,読んでいれば,また違った人生だったと思うし,あと10代前半に,ちょっと無理して少年向け小説を読んだのが,国語の点数アップに役に立ったので,少しは読んでおけ,というのはあります。

そういえば,10代までは本を読むのが苦手で,無理して読んでは「まだ半分も読んでない」と嫌になってましたが,今だったら,つまらない本は読まなくていいとか飛ばし読みでもいいと思うのが,若い頃はそういうことできないよなぁとも思います。

で,若い頃本を読まなかったから若い人に本を読まなくていいというかというと,でも何かは読んでいたほうがいいとは思います。わたしは10代で本をあまり読んでないと書きましたが,更に幼少時は,図鑑を暗記するくらい読んでいたし,百科事典も読みました。10代の頃は,オーディオとか楽器のカタログとか副読本をすべて理解するくらい読んでいたし,ラジコンや音楽の雑誌も隅々まで読んでいた。そういう人だから理系の人にはなったのだろうけど,そういうのの理解を深めるのに本は雑誌であっても重要だと思います。あとマンガでSFをよく読んでいたから,世界観とか哲学的な話も好きだし宗教的な話も好きになりました。

つまり自分の経験的に言うと,「これを読んでおけ」というのは無いけど,いろいろ吸収しろ…といいたいし,それは本ではなくて大人の話でもいいんでしょうが,ある程度広く吸収したほうがいいと思いますので書物であることはいいことでしょう。それから書物を自主的に探していくという訓練も大事です。

ということで,本を薦めるというのは自分語りだよな…というお話でした。
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書評:企業戦略としてのデザイン~アップルはいかにして顧客の心をつかんだか~

2009-12-22 20:54:34 | 書評
企業戦略としてのデザイン~アップルはいかにして顧客の心をつかんだか~
(Robert Brunner, Stewart Emery, Russ Hall著)

最近アップルがiPod & iTunesのビジネスで大きな成功をあげているからでしょうけど,アップルの成功を分析した本が結構出てます。ジョブスを語る本も多いようですが,この本は,アップルの成功をそのデザイン主導の戦略として,アップルのみならず様々な企業のデザイン戦略とその成功と失敗を書いた本です。
この本では,その製品のデザインの一番重要なものを「カスタマーエクスペリエンス」としてます。つまりその企業の製品により,買ったユーザが体験するものです。ユーザが体験するものは製品の見た目のみならず,使い心地や,シーンとか,そういうものを通して得るものです。それがユーザにとってがっかりするものなのか?,満足するものなのか?によりユーザが使い続けるか,または高付加価値として高額でも使うかを決定すると書いてます。そして様々な企業をとりあげ具体的な事例を多く書いてます。
それを読むと,デザイン主導で企業戦略を立てることは非常に重要であるというものの,実際は多くの会社がそれを行ってきておらず,多くの失敗をしてきているようです。またデザイン主導で行うものの,勘違い等で失敗するケースもあるようです。デザイン主導というのは,単に製品の見た目の設計ではなく,企業で物を作る人たち一人ひとりの意識まで浸透しないと,うまく行かない。見た目が良くても,故障が多かったり,ユーザがサポートがよくないだけでも,エクスペリエンスとしてはがっかりしたものとなるとしています。
まぁ,そりゃー,デザイン主導と呼ぶかどうかはともかく,カスタマーがその製品を使うことで特別な意識をもてるようにするということを,社員一人一人が意識できれば,企業は強いよなとは思いますけど,それが出来るかどうかはまぁ,それぞれでしょう:-p。
エクスペリエンスという言葉から判るように,それを与えるものをデザインとするなら,それは製品の見た目のみならず,音やさわり心地や機能や…つまり五感に訴えてくるものであることがわかります。この本であげているデザインの例はわりと見た目とさわり心地を主にあげてますが,たぶんここでいうデザインはわたしが思うところのデザインだと思います。
この本を読んでいて,そのつくりから「教科書的」だなと思いました。MOTやMBAのセミナで使いそうな,企業分析と戦略についての本だからでしょう。もしかしたら本当にどこかで教科書として使っているのかも知れません。わたしは企業戦略をデザイン主導でやっていけばもっと面白くていい製品が出てくると思うので,この本を教科書として扱う場が増えていけばいいと思います。ただ,やっぱり読んでいて,これを読んで勘違いする人が多いんじゃないかな?とおもいました。この本出てくる事例も,あの大企業がこれだけ失敗するのかというのがたくさんあります。それだけ,まだまだデザインするということを判っている企業や経営者は少ないのでしょう。
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日本語が亡びるとき~英語の世紀の中で (水村美苗著)

2009-03-01 09:40:29 | 書評
ちょっと前にえらくネットで話題になっていた本です。結構売れたのではないでしょうか?。というわけで,興味をもって読んでみましたが。
感想の概要としては,あまりピンと来ませんでした。なんでしょうねぇ。なんでそんなに話題になったのか良くわかりません。書いてあることには特に反論もなく,「あぁそうだよね」って感じ。著者の意見も多少の違いはあるものの方向性的には,わたしもそう思うという感じで。とうわけで,おかしなことを書いているとは思わないものの,なんとなく当たり前のことが書いてあるなぁという感じでした。
著者は日本人ですが,学生時代に親の引越しでアメリカに引っ越したものの,アメリカの社会になじまずに,日本文学を愛する少女になった。あとフランス語も学んだ人。はっきり書いてませんが,たぶん英語は堪能なんだと思いますが,たぶん日本語の作家でしょう。
英語が普遍語として世界に君臨するということ。そのほかの言葉が周辺・辺境の言葉となっていること。あと「国語」とか,「現地語」だっけ?しゃべってる言葉とか,まぁそういうのの関係みたいのを,そういうのの成立とか現在の世界の状況を説明してます。
普遍語が読み書きできるということは,膨大な知識データベースにアクセス,また発表できるということであり,明治以降の日本は普遍語を読むことが学問だった,みたいな事。あと日本語という国語が成立したのが明治以降だけど,その後も英語公用語論がずっとくすぶってきたなどの話が書かれてます。ただし著者はそういう中で,日本人全員が英語を読み書きできるべきだとは言っておらず,むしろ英語が得意な人に教育を集中して一部の人が優れたバイリンガルになるべきで,現在の日本語は大事に残すべきだという意見でした。
その点に関してはまったくその通りだと思います。作者が力強く訴えるような危機感がわたしにはなかったので,なんとなく何でそんなに訴えるのか?とは思いました。ただし著者が書くほかの国の状況や,日本の明治以降これまでの言葉に関する流れを読んで,結構危うかったのかもとは思いました。
そういう意味では,著者の書くことにも納得したし,少し考えも改めたのですが,ただいくつか些細な点で,そうかな?と思うことも。
わたしは,確かに明治時代に書かれた文学は偉大な作品かもしれませんが,当時は娯楽的な面もあったでしょうと思うし,言葉というのは生きてるものだから,教育や文学でコントロールできない領域が結構ある。それでも,正式な文書に書かれるべき日本語と,娯楽メディア(今だとライトノベルやマンガ,TV等)で使われる言葉,しゃべり言葉,方言は確かに違いますが,境界は常にあいまいであろう,とわたしは思います。自分が元々は地方出身で,記述できない方言を以前は使っていたこと,でも今はほとんど使えないこと。それと記述に使う日本語だって時代でどんどん変化して,以前は誤用とされていた言葉が認められていたりする現実を見たりとか。英語という普遍語に対して守るべき日本語はあるとは思うけど,日本語自体は常に変化してるものだと思います。そういう現実と少し著者が示す理想が合わないというか無理があるなと思いました。
あと,英語ができないと世界の知識を得られないというのは同意ですが,まぁ自分は理系で,英語の論文を読み書きしてるので,その程度であれば,まぁ読めるし。逆に今後すべての知的財産が英語で記されるか?というとちょっと疑問に思ったりもします。案外現地語で書かれているノウハウの技術書に貴重な情報があったりするというか。
まぁでも,他の国の公用語とか現地語とか国語の現実については知らなかったことも多く勉強になりました。こういうのを読むとなぜ文系の大学生があそこまで必死に英語を勉強するのか,少し解った気がしました。
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【書評】がんはなぜ生じるか~原因と発生のメカニズムを探る(永田親義著)

2009-01-25 22:19:38 | 書評
ブルーバックらしく科学的ながら読みやすい本でした。
内容的にはタイトルどおり。がんについて書かれた本で,原因(主に発ガン物質)と発生メカニズムの研究の紹介で,治療法については特になし。長年この分野に関わってきた研究者らしく,歴史的経緯を踏まえて,これまでの多くの諸説を紹介していて,いい勉強になりました。
著者は医者ではなく量子工学からガンの研究に入った方ですので,臨床的な内容はありませんが,逆に分子や遺伝子レベルでの解説が述べられていてある意味ガンを病気というより科学的対象として読めます。
発生原因つまり発ガン物質については,特にわたしが知らない物質はほとんどありませんでしたが,明らかに発ガン物質といえるもの疑わしいもの,関わるものの様に分けて述べられていたのが,興味深かったのと,あと発ガン物質にガン細胞を発生させるものと,ガン細胞を育てるものの二種類があるのではないか?という考えが紹介されて興味深かったです。
メカニズムは知らない話が多かったのですが,細かくて結構難しかったです。ガンは細胞分裂の暴走とかエラーの様にわたしは捉えてましたが,実態はまだまだ不明で,DNA自体が痛んでいるという説と,DNAからたんぱく質が作られる段階での異常という説があるようで,分裂のエラーというとDNAなのかなと思っていたわたしにはちょっと驚きでした。確かにこの二つは違うのですが,そこまで考えたことはなかったので。
素人考えで書くと,ガンもさまざまなので,発生メカニズムが数種類あってもおかしくないと思ったのですが,どうでしょうか? エラーというのは正常以外ですので,ひとつの状態とは限らない様にも思います。いくつか紹介されていたメカニズムは,どれが正しいかわからないという感じで紹介されてますが,どれかひとつだけが正しいとも限らないなとも思いました。もっとも治療法などを考える上では,どれかにめぼしをつける必要があるのでしょうが。
ガンの正体がまだまだわからないことばかりで,学会の説も結構変化しているそうです。がん患者である自分の立場でいうと,まだまだ先が長い研究だなとも思い,ちょっと悩ましいとも思いました。もっともガンの根絶は無理なんじゃないか?というのもわたしは考えてるので,それはそうなのかなとも思いますが,有効な治療法はいつか見つかってほしいと思います。
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生物と無生物のあいだ (福岡伸一著)

2009-01-08 23:43:55 | 書評
どこかのブログで紹介されているのを読んで買って読みました。
著者は生物学者。DNAとかとか細胞内の化学物質の動きとか,そういうのを
研究している人らしく,海外の研究機関で結構長くやっていた様子。
最前線でやっていたようで,熱い研究競争の様子がうかがえて,興味
深かったです。
というわけで面白かったんですが,結構この本売れていて,賞も取ってる様なのですが,そんなに一般受けするような内容なのだろうか?とは少し思いました。新書というか文体も読みやすいので,専門家以外の多少科学に興味がある人なら理解してすらすら本だとは思いますが,ちょっとマイナーな内容じゃないかなぁ。最後の方にES細胞とかプリオンとかマスコミを騒がせた話も出てきますが,ほとんどはDNA発見の周囲の話の様な気もします。
まぁそれでも個人的には生物の定義は自己複製すること…とか,平衡を保つこととか…そういう解釈には共感ができるし,DNA発見に至るまでのゴタゴタもちょっと裏話(といってもその業界では知られた話の様子)的で興味深かったし,シュレーディンガーが提示した疑問が,わたしも以前から思っている,動物はミクロ的に見ると密度の濃いところから薄いところに物質が広がる様なランボウに言えばエントロピーが増えそうな反応があちこちで起きてるのに,全体をマクロ的に見るとエントリピーはむしろ減っている(秩序だっている)のはなぜだろう?という疑問と結構似たようなことなのだなぁと,感慨深かったです。その回答もまぁわかったようなわからないような話でもあります。この本には書かれてませんけど,人間の知能も細胞の働きだから,同じ理屈のような気もするんですけどね。
余談ですが,DNAの操作が数うちゃあたる方式だと知ってちょっと驚いたというか,笑った。まぁそんなものかもしれないなぁ。

というわけで,こんな話受けるのかね?と思いつつ楽しく読めました。ただタイトルから想像する内容とは少し違っていたかな?。あとどこかのブログで疑似科学的と書かれたものを読みましたが,わたしにはどこがそうなんだろう?とむしろ思うくらい,むしろ堅実な内容な気もしましたけど,他の人にはそう感じないのかしら?
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第三の脳~皮膚から考える命、こころ、世界(傳田光洋)

2008-09-26 21:19:21 | 書評
著者がpodcastでインタビューを受けてるのを聞き興味を持って買った本です。著者は資生堂の研究者で,皮膚に関する研究,特に皮膚の感覚について研究をしている方らしいです。
読みやすい口語体で書かれてますが,内容的には結構理系的な内容で,皮膚に関してのさまざまな研究成果が書かれてます。著者は特に皮膚で感じる感覚について興味があるようで,それについては現象や,皮膚の構造や状態から推察されるその原理などを語ってます。
良く眼で見てもわからない細かい違いを職人やその道の達人が触れてわかるといいます。工芸品だったり漢方医療とかさまざまなそういう話は聞きますが,それをオカルトとも疑似科学とも超能力とも言わず,皮膚の感覚として考察してます。実際皮膚は眼で見えないような10ミクロンくらいで並んだパターンの乱れを感じたりすることが出来るそうです。またそれを感じる仕組みも指先の神経が感じるわけでもないようで,指先の神経はそんなに細かく並んでません。皮膚の細胞一つ一つにそういう触覚に対応して出る物質があり,つまり皮膚が感じていて,その反応を神経が脳に運んでいるのだろうと。
また皮膚は色を感じるようで,皮膚の角質を破壊した際に,その復元スピードが当てる色で変わるそうです。これは,脳にいくわけではないので脳により反応しているわけではありません。この様に皮膚には,脳にいかず皮膚の中で感じ,反応をする仕組みがあり,それゆえに脳と独立に判断しているという意味で(第二の脳が消化系なので)第三の脳とタイトルされているわけです。
またいろんなストレスとかが皮膚に出るのは,女性なら実感していることでしょうが,これについても細かく解説されてます。さらに,皮膚には電波などを出したり感じたりしている部分もあるということで,超能力のようにされている能力の中に,皮膚により意識下のまま反応しているものがあるのではないか?などと想いをめぐらせてます。
著者はオカルトというか,現代の科学では証明できてないことに関しても関心が高いようですが,それについても,単純に不思議な力と決め付けるのではなく,皮膚の能力という切り口で科学的に手法で解き明かそうとしているところに感心しました。
私は以前も日記とかに書いてますが,最近は何でも脳偏向になっていて,脳の中ですべてを感じたり判断しているように言われることが多いですが,著者の言うように,人間は脳と独立した皮膚など別の系で,感じたり考えたり,何かをしたりとか,そういう部分が結構ある気がします。それは結局は脳にもフィードバックされ,考え方や行動,また体調などに影響を及ぼすわけで,つまり皮膚をはじめとした身体やその感覚を大事にしないと,いろんな部分で歪みが出てくる,そういうことをわたしも良く思いますが,それを感じる本でした。
内臓とかが重要だとわたしは思ってましたが,皮膚についてこれだけわかりやすく,詳しく,なおかつ(研究者的に)良心的に書かれた本はあまりなく,非常にお奨めだと思います。
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ロボット小雪/業田良家

2008-08-24 18:48:31 | 書評
業田良家は自虐の詩が話題になる前から好きで(ビックコミックオリジナルが好きなので),ゴーダ哲学堂あたりから単行本で結構買っています。本作品は「新・自虐の詩」と銘打たれてますが,テーマ的には,人間の人生を描いた自虐の詩とうより,人間が作った社会システムを皮肉るゴーダ哲学堂に近い気がします。さらに主役にロボットを持ってくることにより人間社会を描こうとするのは「空気人形」とも近いといえます。ただしそれでもゴーダ哲学堂といわずに,新・自虐の詩としたのは,四コママンガを基本として,大きなテーマを描くという手法からでしょう。
というわけで,業田良家的には非常に手馴れたマンガでしょうけど,やはりテーマの鋭さや,四コマで大きなテーマを描く技量はすばらしく,この時代の天才と認めざるを得ません。
最初,愛玩ロボットを一人一台もち株売買で儲ける未来人を描き,豊かになった未来のこっけいさを描いておきながら,徐々に,その豊かさを支える貧しい人からの搾取状況,そこに転落していく人々社会の仕組み,また一方で人が見聞き知るという人間の仕組みを描いていくという話の展開はいつもながら見事。話のプロットを最初から設計してるとしか思えないような必然ぶりはすごいのだけど,どこまで細かく設計して描いているんだろう?。連載が延びたり,打ち切りになったりしてたらこういうのできないと思うのだけど。
当たり前のようで,鋭い指摘がたくさんマンガの中でされているのですが,富を作り出す方法として,「地球から搾り取る」「貧しい人から搾り取る」「未来から搾り取る」を述べているのが,,つまり現在社会で富だ豊かだ,といっているものの正体を鋭くしてきているのが印象的でした。
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ヤングサンデー休刊にあまりいい気分がしない

2008-07-31 22:56:53 | 書評
今日,週刊ヤングサンデーの最終刊が発売になりました。まぁ買ったのですが,なんとなくいい気がしなかったので,まぁネガコメですが,少し書きます。
ネットでは現連載の移転先が話題になってました
が,結局現在の
連載はほとんど終わらず移行しました。まぁ小学館以外のところに移転する話がないのは当然なのかも知れせんが,スピリッツとYSスペシャルっていう増刊がほとんどです。この増刊って結局あぶれたものを救済するために作ったとも取れますし,逆に実質のヤングサンデーの月刊化ともとれるなとかちょっと思いました。ただ,ここ数週間のヤングサンデーの連載はどれもテンションが高くて面白いので,あぶれたという言い方はちょっと失礼か…とは思います。
気に入らないのはそういうことでははく,まず値段が330円なこと。高いです。せこい話ですが,ヤングサンデーは売れないというのに,310円とか320円とかで売ることが多く,同じ日に出るほかの雑誌よりいつも高かったのが不思議です。確かにアイドルのグラビアのためにカラーページが多いのかもしれませんが,わたしはそれを目的に買ってるわけではないので,もし高いという理由でモーニングやヤングジャンプのほうを買う人がいたら,もったいないなと思います。
で,今回330円なのは最終刊だからページが多いというのもあるでしょう。でも最終刊なのは,読者にとっては喜ばしいことでもないし,責任もありません。まぁそれだけだったら,まだしも雑誌のどこにも「休刊してもうしわけない」というニュアンスは感じられず,読者への感謝の言葉はあるのですが,ほかには「絶対保存版」とかなんか華々しいことだと思ってないか?。休刊だから話題になって売れるとうれしいとか思ってないか?…となんかそんなニュアンスを感じます。そして最終ページをみて愕然。カラーページの最後を真っ白にして色文字でヤングサンデーのロゴを印刷「ご愛読ありがとうございました」という文字だけのページでした。
正直,このカラー印刷の文字だけのページをつけるために330円かよとか思いました。結局,休刊の無念さとか,読者への申し訳なさとかが一切感じない最終刊で,そこがなんか昨今の小学館の悪評と共通するものがあるのだろうか?などとちょっと感じました。
まぁ漫画家には罪はないし,好きな作品が多かったので,何らかの形で,今ある連載の続きは見るかもしれませんが,まぁどうしたものかなと思います。
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