たろの日記ページ,gooブログ版

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科学と道具

2005-09-15 15:44:50 | 所感
先週ディスカバリーチャネルでやっていた人体シリーズは,おもしろかったのですが,どういう内容かというと,要はfMRIを使ってスポーツにおける人体機能の男女差,妊娠から出産まで,セックス…をイメージ表現したものでした。fMRIは脳とかの研究にはさかんに使われてますが,病気とは無縁の妊娠やセックスについてイメージ化したものは観たことがなかったので,おもしろかったです。
まぁでも観ていてちょっと引っ掛かるところがありました。fMRIを使って撮影しているチームのリーダが「科学者兼芸術家」みたいな表現になっていたことです。まぁ確かにfMRIのデータを元に綺麗なイメージに加工するのは単なる機械作業ではなく,美術的センスが必要で,実際できあがったものは観賞に耐えうるものなので芸術作品と呼んでもいいと思います。
じゃぁ科学なのか?…。fMRIを使える人間は通常医療機関か研究機関の人間なのでそういう意味では科学者なのかもしれません。でも,単にfMRIという道具を使って人体を撮影することが科学なのかと言われると疑問です。番組中「セックス中の様子をはじめてMRIで撮影,3D化した」と言うような事を,この人は言っていたのですが,確かに誰もやってないことをやったという意味での新規性はあるかと思いますが,それが科学かというと疑問です。
まぁ正直その映像はエロかったりグロかったりで楽しめたのですが(ォィ),それじゃー単なるエンターティメントじゃ?…と。
科学というのは単に新しいデータを得た…というだけじゃ駄目で,そのデータを元に法則性を見つけるとか,新しいものをつくるアイディアを出すとか…そういうものが必要です。新しい測定法,計算法が提案され,それを徹底的にいろんなものに適用する…という事は実際科学では多くやられてますが,でも単にデータをとった…ということが科学なのか?…と言われると…ちょっとどうかなぁーと。
一方芸術はカメラや楽器の発明で新しい作品がうまれるように新しい道具を使いこなし,そこにその人の作家性を入れ込むことが出来れば芸術作品だと言えます。
まぁ今回出てきた「科学者兼芸術家」という肩書きは,今回TVでやったことを指していってるわけじゃなく,その人のいろんな業績からそういってるのでしょうから,今回のわたしの突っ込みは要らぬ妄想だといえばそうなのですが…。
正直いうと,実は以前ポルノ映画監督の山本監督とタモリが「ファイバースコープで女性の性器の内部を撮ろう」とかいうのを,TVで冗談混じりで言っていたのを思い出して(^^;),fMRIでセックスシーンを3D化しているのと,それと一方がポルノで一方が科学なの?…という疑問が生じたのでした。実際AVの様なジャンルって新しい試みがどんどんされていると聞くし,そういうエンターティメントの中には悪趣味だろうが高承だろうが驚くべきほどの新規性が詰まっているわけで…。…なんというか科学と芸術の関係は難しいなぁ…とおもうわけです。
コメント
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